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佐賀の自転車、なぜカラフル? ママチャリ王国の「特殊な事情」 「目立ってるのが普通みたいな感じ」

withnews 3/19(日) 7:00配信

理由は佐賀平野の平らな地形?

 ウエルビーサイクルの江辺さんは、佐賀の自転車がカラフルな理由として、佐賀平野の平らな地形を挙げる。

 国土地理院のデータでは、佐賀市の中心部は標高2~5メートルほどの範囲で収まり、フラット。通勤や通学に自転車を使う人は多く、佐賀の1世帯あたりの自転車の保有台数は1.22台(自転車産業振興協会の2012年調査)。

 変速機もいらないのでシンプルで安いママチャリが売れ筋となり、カラバリがないと「みんなと同じ」になってしまう、という理屈だ。

「最初はあれですけど、黄色とかもいるんで」

 高校生の気持ちを聞いてみた。

 ショッキングピンクに乗っている佐賀商業1年の女子(16)は、ピンクに乗る理由を「好きな色で、かわいいから」と一言。「銀色じゃいや?」と尋ねると、黙ってコクリとうなずいた。

 その銀色に乗る佐賀清和3年の女子(18)は、中学時代に校則が厳しいと思ってその色を買ったそう。「後悔してます。紫とかかわいいのが良かった」とため息をついた。

 佐賀工業2年の男子(17)は、佐賀市から列車で15分ほどの佐賀県江北町在住。家から近くの駅までは銀の自転車なのに、佐賀駅から学校までで使う自転車はオレンジ×黒のツートンカラーだ。

――なんで?
「銀は普通じゃないですか」

――おしゃれしたいってこと?
「こっち(佐賀市)は人多いんで、遊び心、みたいな」

――カラフルなことに違和感は?
「最初はあれですけど、黄色とかもいるんで、目立ってるのが普通みたいな感じです」

「40年前は特に色は富んでなかったですね」

 学校側はどう見ているのか。県学校教育課の担当者は「私が学生だった40年前は特に色は富んでなかったですね」としつつ、状況についてこう見る。

 「特に、色について指定すべきことはないし、なにかに影響があるなら(規制も)検討するけど、いまのところ悪影響はない。安全であれば。変形、特殊自転車はダメですが」

 高校生のおしゃれ心を乗せ、カラフル自転車は今日も佐賀平野を走る。

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最終更新:3/19(日) 9:51

withnews

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