【巨人】沢村、開幕アウトか OP戦わずか1球…右肩コンディション不良
巨人・沢村拓一投手(28)が開幕1軍メンバーから外れる可能性が高くなった。18日のオープン戦・ロッテ戦(ZOZOマリン)の試合前練習では短い距離でのキャッチボールを途中で切り上げ、試合前に球場を離れた。右肩のコンディション不良とみられる。キャンプ終盤から抱えていた不安のため、時間を空けて調整していたが万全ではないもようだ。
昨季のセーブ王の開幕離脱が濃厚となった。沢村は登板予定だったこの日のロッテ戦の試合前練習で、10メートルほどの距離でのキャッチボールを途中で終えると試合前にチームを離れた。キャンプ終盤から抱えていた右肩のコンディション不良とみられる。由伸監督は「コンディションが良くないというので、投げても仕方がないので帰しました」と説明した。
今季のオープン戦登板は1球で危険球退場した4日の日本ハム戦(札幌D)の1試合だけ。その後は患部の状態を見極めながらG球場で調整を続けてきた。「遠投もブルペンでの投球練習もガンガンやっていますし、コンディションはもう大丈夫。全く問題ないです。次の登板からしっかり試合に入って抑えられるようにしていきたい」と話していたが、無念の登板回避となった。
指揮官は開幕までの猶予について「投げてないから(時間は)あまりないんじゃないの」と危機感を募らせた。尾花投手コーチは「下でコンディションを整えてもらうしかない」とファームでの調整を指示し「急に良くなることもないとはいえない」と祈るように話した。
沢村は昨年、63登板で6勝4敗37セーブ、防御率2・66で初のセーブ王のタイトルを獲得した。15年の60登板36セーブに続き、2年連続60試合登板、30セーブ以上をクリア。巨人史上初の3年連続30セーブも視野に入り、今年も守護神最有力だったが、新加入した助っ人右腕のカミネロがここまで実戦5試合連続無失点と好投中で守護神筆頭候補に。WBCカナダ代表からこの日1軍に合流したマシソンもここまでオープン戦2試合で無失点と結果を残している。
村田ヘッドコーチは「1試合しか放ってないのに、『開幕ストッパーに』というのはどうかと思う。見切り発車はできない。頭が痛い話。7、8、9回の人やからね」と厳しい表情で話した。
開幕から沢村が不在となれば、戦力ダウンは必然。3年ぶりのV奪回を狙うチームにとって大きな痛手となることは間違いない。その上で由伸監督は「中継ぎ陣が頑張る? そうやってそれ以外の人に(登板の)機会が増えるし、チャンスが出てくるからね」と救援陣の奮起を促した。危機的状況をチーム一丸となって乗り越えるしかない。
◆沢村のこれまで ▽2月5日 宮崎1軍キャンプのブルペンで捕手を立たせたまま今季から取り組むチェンジアップを解禁。
▽9日 初めて座った捕手を相手に投球練習を行い36球。チェンジアップも披露。
▽21日 カミネロと隣同士のブルペンで35球を投げ込む。
▽28日 今キャンプ初のシート打撃に登板し、緩いスライダーや新球のチェンジアップを交え、打者4人に対して1安打2奪三振。
▽3月4日 今季初実戦となったオープン戦・日本ハム戦(札幌D)で、登板直後の初球で危険球退場。