米軍基地建設の反対運動中に逮捕・起訴され、身柄拘束が続いていた沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)=威力業務妨害罪などで公判中=が18日夜、保釈された。福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)が18日、保釈を認めた那覇地裁決定を支持し、那覇地検の抗告を棄却した。山城議長は同日、保釈保証金700万円を地裁に納付。勾留先の那覇拘置支所前で支援者らに出迎えられた。昨年10月17日に器物損壊容疑で逮捕されて以降、152日ぶりに身柄拘束が解かれた。

支援者とこぶしを挙げ、保釈を喜ぶ山城博治議長(中央)=18日午後8時12分、那覇市樋川・那覇拘置支所前(伊禮健撮影)

 弁護側によると、多見谷裁判長は棄却の理由について「公判前整理手続きが終わり、罪証隠滅の恐れは低くなっている」とし、「(山城議長に)刑罰を受けた過去はなく、長期勾留で健康状態の悪化が懸念されている」とした。

 山城議長は拘置支所前に集まった約150人の支援者らに「これから何カ月かかるか分からないが、皆さんと一緒に公判で無罪を勝ち取ろう」と涙ながらに話した。

 弁護側の金高望弁護士は保釈後の記者会見で「裁判所が保釈を認めたことには感謝したいが、遅すぎる」と指摘。「初公判が終わったこの期に及んで、不服を申し立てる検察側の執拗(しつよう)な態度には憤りを禁じ得ない」と地検を批判した。

 一方、「保釈決定には事件関係者との面会を禁じる条件が付いている」と明らかにし、関係者と接触する可能性がある抗議活動には「参加を自重せざるを得ない」と述べた。

 弁護側は17日、公務執行妨害と傷害両罪で計12回目の保釈を地裁に請求。地裁は同日夜に保釈を認めたが、地検が決定を不服として高裁那覇支部に抗告していた。高裁那覇支部は18日、接見禁止の延長を求めた地検の抗告も棄却した。