メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

生態間近に、展示施設リフォーム

主な動物園の比較

 開園80周年を迎えた東山動植物園(名古屋市千種区)が展示施設などの大規模改修を進めている。「再生プラン」と銘打ったプロジェクトで、動物の生態を間近に感じられる展示が特徴だ。来園者数も増加傾向にあり、担当者は「80周年は通過点。ファンを増やしながら、人と自然のつながりを育んでいきたい」と意気込んでいる。【長谷部光子、加藤潔】

 同園で18日、80周年記念イベントが始まり、親子連れやカップルでにぎわった。国内最大級の広さを誇るアジアゾウ舎「ゾージアム」では親子連れがゆったり歩くゾウの姿を見ていた。2013年に完成したゾージアムは、生息地のスリランカをイメージ。広々としたスペースでゾウが水浴びできる池もある。

 家族で訪れた名古屋市中村区の会社員、鈴木滋さん(39)は「間近でゾウを見ることができ、2階からは一望できる。子供たちも楽しんでいる」と話した。

 1937年開園の東山動植物園は69年に来園者数339万人を記録した人気施設。しかし、レジャーの多様化とともに、施設の老朽化が目立ち始めた90年代から来園者の減少傾向が続き、2005年度には最盛期の半分近い約165万人に落ち込んだ。

 危機感を抱いた同園は、動物特有の動きを見せる「行動展示」で来園者数を大幅に伸ばした旭山動物園(北海道旭川市)の取り組みなどを参考に再生プランを立案した。100周年を迎える36年度までの長期プロジェクトで、種の保存▽環境教育▽調査研究▽レクリエーション--の4本柱を軸に、動植物園の魅力向上を目指した。

 ゾージアムは第1期整備(10~14年度)の目玉施設。民間のノウハウを活用して飲食店や物販施設を充実させ、トイレ、休憩所の整備にも力を入れた。

 第2期整備(15~19年度)では、ニシローランドゴリラやチンパンジーなどを野生に近い環境で飼育する「アフリカの森エリア」を整備中で、18年度にも一般公開する。植物園の大温室も改修中で20年度にリニューアルオープンする予定だ。

 再生プランに取り組んでから来園者数は増加傾向が続き、15年度は258万人にまで盛り返した。36年度には350万人を目標にしている。

東山動植物園のあゆみ

1937年 3月3日に植物園、同24日に動物園が開園

  38年 開園1周年記念で恐竜の模型完成

  44年 名古屋空襲を受けてライオンやトラ、ヒョウなどを射殺

  45年 戦況悪化に伴い観覧停止(1月)

  46年 観覧再開(3月)

  49年 戦後まで生き残ったゾウを各地の子どもたちに見せるため「ゾウ列車」運行始まる

  59年 アフリカ・カメルーンからゴリラ3頭来園。ゴリラショーが人気に

  68年 動物園と植物園を「東山動植物園」に一体化

  84年 コアラ2匹が来園

  87年 開園50周年記念「なごやHAPPYフェア」開催。72日間の来園者数170万人

  89年 東山スカイタワー、自然動物館が完成

  93年 「世界のメダカ館」開館

  97年 「こども動物園」リニューアル

2006年 植物園温室前館が国の重要文化財に指定される

  07年 70周年記念事業で、ライオン舎のガラス張り観覧施設「ワ~オチューブ」、「カンガルー広場」完成

  08年 チンパンジータワー完成

  09年 植物園に「地域の自然学習林」完成

      来園者累計1億5000万人に

  10年 アメリカバイソン舎リニューアル

  12年 ペンギン舎リニューアル、シンリンオオカミ舎完成

  13年 公式マスコットキャラクターの愛称「ZOOBO(ズーボ)」に

      新アジアゾウ舎「ゾージアム」完成

  14年 ハクトウワシ舎、ツシマヤマネコ舎が完成

  15年 ニシローランドゴリラ「シャバーニ」が“イケメン”で大人気に

      新ゴリラ・チンパンジー舎整備着工

  17年 開園80周年

関連記事

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. Matt 桑田真澄氏が次男と2ショット披露「隠し子じゃないですよ」(スポニチ)
  2. 検証 退位国会見解(その1) 「今上」こだわった首相 高村氏が説得
  3. 森友学園 「寄付金記録」学園側が提示
  4. 森友学園 100万円入金記録
  5. 女の気持ち 妊娠は罪なのか 東京都大田区・今野舞(医師・28歳)

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

[PR]