>小説家を目指す人へのエール
書け。
>自分の抱負
僕はやはり、今後しばらく、すくなくとも2~3年くらいの間は、企画書を出すかわりにWEBで実際に連載をはじめて、そして数字の出たものを書籍化してゆく流れになると思います。
僕はプロ作家として業界が長いもので、そこで信頼値が激しく溜まっているせいか、数字のまったく出ていない作品でも「出しましょう!」と編集者の方からオファーをいただきまして……。そういう経緯で書籍の決まった作品が、2シリーズほどありました。
7000ポイントの作品と、1000ポイントの作品でしたが、どちらもあっさりと2巻打ちきりで……。
やはり、ポイントなりに売りあげは決まるんだなぁ、と、自分自身で試してみて、確信を深めた次第です。
25000~3000ポイントの作品二つのほうは、こちらは大変、順調な売り上げです。
出版社さんに赤字を押しつける気は毛頭ないので――。売れない本を出してください、なんて、お願いできません。自分のエゴのために誰か(出版社)に損を押しつける気はないです。
どうせ書籍化するなら、WEB小説として世に出して、きちんと「検査済み」となっていて、きっちり黒字化する作品だけを書籍にしてゆきたい。
それが出版社さんと作者と読者さんとが、WINWINになる道だと信じています。
読者の方も、せっかく1巻を買って面白いと思った本が、すぐに打ちきりになってしまっては、悲しいですよね?
そのためのリスクは、すべて、自分持ちにします。
リスクっていったって、企画書をいくつも書いてボツの山を築くのと、なんら変わらない。それと、まったく同じ手間に過ぎません。
その同じ手間で、新連載、同じ数だけ、始めて閉じられますので。
企画書を書くのに、1週間はかかるんですよー。
その1週間で、新連載を14話ぐらいまで書けますよね。毎日7000文字も書いていれば。
そして僕の場合、だいたい、4~5連載を試みれば、1連載くらいは、書籍化できるだけのポイントとなって、書籍しても5~7冊以上は続く「ヒット作」に持って行けるという、現実のデータが出ております。
つまり4週間使って4本の新連載を開始すれば、なにか一つぐらい、検査済みの「ヒット作」が得られるということです。
企画書を一つ通過させるためには、およそ、1ヶ月強の時間がかかります。そして署が通過しただけでは、実際に世に出したときに、売れるかどうかはわかりません。
その同じ1ヶ月で、5~7巻までは続く蓋然性の非常に高い作品が得られるわけです。
ちょっと、これはもう、企画書を書いてる場合じゃないです。
ただ、作家の性として、たまに、「この作品はどうしても書き下ろしでなければ出せない」というものを思いついてしまうこともあります
そうした場合には、書き下ろしでやることもあるでしょう。もちろん、企画を出す相手にも、「売れないかもしれないけど、ごめんね」と言って、了承済みにして出しますし。
あれあれ? 「抱負」って、こういうのじゃない?
これだと行動予定でしたね。
抱負のほうを書きます。
ええと、いつどんな時代においても、僕は「キャラクターがのびのび動く物語」でありさえすれば、なにを書いてもいいので――。
その時代時代、流行流行にチューンナップしつつ、可能な限り大勢を楽しませることを目的として、文字ベースのコンテンツを書いてゆきたいです。
そして、創作するだけで食っていきたいです。創作以外のことをやるのは、めんどっちいです。
満員電車に揺られて会社に通勤とか、山パンの工場で鬼軍曹に怒鳴られながらヒイヒイ鉄板持って走り回るとかするぐらいなら、どんなことをしてでも、創作だけで食って行けるように努力します。
ここで「小説」と書かなかったのは、たとえば、トークメーカーの作品なんかは、あれ、もはや「小説」ではないですよね。
でも「文字ベースのコンテンツ」ではあります。
近未来、小説が生き残るかどうかわかりませんが――。
文字ベースのコンテンツ、そして「キャラクター」のコンテンツが生き残ることに関しては、絶対の確信を持っています。