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えるえふ 作者:狂風師という名のスライム(擬人化ver)
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崩壊

 ようやく解放されたウィガルの口からは、熱っぽい吐息が漏れていた。

 ラーニャは自らの口内に残った唾液を味わうように飲み干すと、薄笑いを浮かべた後、再度ウィガルの唇を奪った。

 ほとんど間を置かずの口づけに僅かながらの抵抗を示したものの、全くと言っていいほど意味を成していない。

 しかしその無意味な抵抗はラーニャに対するものではなく、自分自身の性的欲求に対するものであった。

 未知なる感覚で悦楽を覚えてしまう恐怖に、半ば反射的に抵抗を行っていた。

ラーニャ「どうした……ウィガルよ。妾とのキスは、嫌か?」

 二度目の口づけは一度目に比べると軽度だったが、互いにすっかりと息が上がってしまっている。

 特にウィガルは何の心の準備もなく一方的に責められたために、声が漏れ出てしまっている。

 そんな様子を見たラーニャは、両手をウィガルの薄い胸板へと滑らせた。

 ピンと尖った突起物を摘み上げるように、執拗に弄んだ。

 艶やかというよりも悲鳴に近い喘ぎ声だが、それでも本人は何とか声量を抑えようとしていた。

 今の状況を見られたりでもすれば、あの二人がどのような行動をとるのか分かっていた。

 これ以上責められでもしたら自分が自分でなくなってしまう事を、本能から察していた。

 しかしその中に、僅かながらの期待が込められていたことには、まだ気が付かなかった。

ラーニャ「すっかり出来上がった様をしておるな。そのまま溺れるがよいぞ。快楽に身を委ねろ」

 艶笑を浮かべたラーニャは片方の手を突起物から離すと、代わりにそれへと吸い付いた。

 まるで赤子が母乳をねだるかのようだが、決してそんな生半可なものではなかった。

 緩急をつけた甘噛みに、舌でのくすぐったい責め。

 ウィガルの理性の崩壊に、ほとんど時間はかからなかった。

 熱の籠った吐息と一緒に蕩けるような甘い声を出し、目の奥からは光が失われつつあった。

 それでもラーニャの攻撃は止むことなく、それどころかより一層過激さを増していた。

 空いた片手はゆっくりと下半身に伸ばし、形に沿うように周囲を指先で撫でて焦らした。

ラーニャ「妾の指を汚してくれたな」

 粘着質の液体がラーニャの手に纏わり糸を引いた。

 その様を見せつけるようにウィガルの顔の前で行ったが、すでに崩壊し始めた理性の前で羞恥など機能していなかった。

ラーニャ「食べ頃かの」

 突起物からも下半身からも手を離してからやや起き上ると、惚けたウィガルの頭を少し傾げさせた。

 首が大きく露わになる体勢に、ラーニャのとる行動は一つしかなかった。
間に合いました。
何にとはあえて言いませんが。

ウィガルの理性の崩壊が止まらない。
この先でもう少し活躍してもらう予定だったのに…。
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