藤子・F・不二雄といえば『ドラえもん』『オバケのQ太郎』『パーマン』など、ほのぼのな世界観を持った人気作品があります。
でもですね…SF短編にはかなりブラックな作品があるのです。そこで僕がおもしろいと思ったものをランキング形式で紹介していきます。
読んだのは『藤子・F・不二雄 大全集』の以下。
- 少年SF短編1
- 少年SF短編2
- 少年SF短編3
- SF・異色短編1
- SF・異色短編2
- SF・異色短編3
- SF・異色短編4
藤子・F・不二雄のSF短編はとにかくクオリティが高い。出し惜しみなく、トップ10からどんどんいきます!
1位〜10位
1位:「流血鬼」
少年SF短編1より
吸血鬼が街中にいる。噛まれたら仲間になってしまう。逃げ惑うが、ついに徐々に吸血鬼に支配されていく過程も描く。新人類として生まれ変わる。 「気がつかなかった。夜がこんなに明るくやさしい光に満ちていたなんて」
血が出るわ、恋人が襲ってくるわで、これが藤子・F・不二雄作なのかと、めちゃくちゃ衝撃を受けた作品です。小説『アイ・アム・レジェンド』(リチャード・マシスン)を下敷きにしているものの、オチは全く違う。価値観の転換が起こっているのが素晴らしいです。
2位:「未来ドロボウ」
少年SF短編1より
金持ちの男性は体が不自由になってきた。大学生と体の交換を行う。大学生はお金を手にするが、体は動かず理想の生活とはほど遠い。若さの価値を感じる。若いということは想像以上に素晴らしい。金持ちの男がこの取り引きは不公平だったとして、元に戻ることを選択した。
自分の人生はこんなはずではない。違う未来があったはず。誰もが思ったことはあるでしょうが、本作はそれを実現してしまうことでどんなことが起こるか提示してくれます。『世にも奇妙な物語』でも神木隆之介くんが主演でドラマ化されていて、思わず泣いてしまいました。
3位:「ミノタウロスの皿」
SF・異色短編1より
男はイノックス星に漂着。そこでは毎年生贄を捧げる文化があった。ミノアがその役に命じられた。人間は牛の家畜だった。牛がズン類、人間がウス族と呼ばれる。ミノアは食べられる運命で、それが名誉だと思っているが、男は必死で止めようとする。だが儀式は止まらない。
これもすごいショッキングな作品です。ブラックなオチが胸を抉ります。
4位「あいつのタイムマシン」
少年SF短編3
タイムマシンを作ろうと誓ったが、一人だけで開発をつづける鉄夫。もう一人の正男はみっちゃという奥さんがいて、タイムマシン開発をバカにし続けている。鉄夫は、とんでもない方法を思いつく。未来の自分がタイムマシーンについて教えてくれることを念じる。堂々巡りの輪の中に入り込み、思念をこらして信じる。ただ信じる。鉄夫は「そうなった!!」と叫び、おもてに飛び出す。一瞬世界がゆがみ、正男は散らかった誰もいない部屋へ戻る。「あ~嫁さんほしいなぁ、正男がうらやましいよ」とつぶやく。
展開が読めなくて息をつく間もないほど。他では味わえない読書体験でした。すごいですね。
5位「カンビュセスの籤」
少年SF短編4
砂漠を歩いていく男。死の直前に、エステルという女性が住む施設にたどり着く。エステルはミートキューブを食べて生きていたがそろそろ冬眠の時期がきたという。23万年前の終末戦争で生き残った人々で、くじ引きが続けられた。くじで1人が食べ物になって、人口冬眠が繰り返された。そこに男性がやってきたのだ。生き残るのは男性と決まった。エステルはミートキューブとなることを決める。
こういうブラックなオチが個人的にも好きなようです。これもよくできていたなぁ。
6位「劇画オバQ」
SF・異色短編1
サラリーマンになったしょうちゃんの元にオバQが帰ってきた。毎食20杯とか食費問題もあったり奥さんからは出て行ってほしいとクレームが入る。旧友も集まってオバQ王国を作ろうと盛り上がるが、次の日すっかり忘れていて、しょうちゃん一家に子供ができる。
『オバQ』の大人版が描かれていたとは知りませんでした。オバQから哀愁が漂っていて、切ないんですよね。
7位「老年期の終わり」
少年SF短編2
ラグラング星。人工冬眠でやってきた。6000年かけて地球からたどり着いた男性。だがラグラング星は廃棄されることが決定していた。60日後、地球へ向けて出発することに。銀河開発のための拠点だったが人類は開拓を諦めて老年期に入った。イケダとマリモは新たな旅に出ることを決意する。老年のゲヒラはこの星に残ることを決めた。
ラストのコマが素晴らしい。「マギー若き日の歌を」のメロディが流れる。
8位「ウルトラ・スーパー・デラックスマン」
SF・異色短編4
スーパーヒーローだからといって、心の清い人とは限らない。エゴ丸出しな性格の句楽兼人が力を持ったとき誰も止められなかった。国は殲滅しようとしたが、結局は触らぬ神に祟りなし状態に。句楽が吐血。ガン細胞が体に蔓延し、そのスピードも異常に増殖したのであった。
ここまでのダークヒーローを描けるとは。アイドルとか呼びつけてセックスしようとするしね…
9位「みどりの守り神」
少年SF短編2
飛行機事故により遭難したみどり。坂口五郎とともに山を降りて行く。坂口が足手まといだとみどりを責めるようになる。坂口は情緒不安定さがある。やっと東京にやってきたが、ジャングルになっていた! 細菌で人類は絶滅していた。
サバイバルもの。東京ジャングルの一枚絵は圧巻!
10位「絶滅の島」
少年SF短編3
UFO来襲により人類は滅亡の危機に瀕していた。生き残った27人は離島で暮らしていたが、串刺しになったり、遺体が焼かれていたりと、残虐描写がある。宇宙怪物の造型が恐ろしさを際立たせている。
人間側はセリフなし。宇宙怪物よ言葉は意味不明だが、後で翻訳が掲載されている。エキサイティングな展開です。
11位〜20位
11位「気楽に殺ろうよ」
SF・異色短編1
目が覚めると、食欲は恥ずかしいものという価値観に転換された世の中になっていた。性欲は見せていいことに。さらに殺人も公に。
オチは、元どおりの世界になっているのに、男は殺人する気満々というもの。
12位「ヒョンヒョロ」
SF・異色短編4
円盤に乗ったウサギがやってくる。夫婦の夜の営みに侵入してくるなど、ちょっと不可思議な存在となっている。ヒョンヒョロを探しているが、人間が対応してくれないことに苛立ち、マーちゃんの他のすべての人間を誘拐してしまう。
かわいい姿なのに何を考えてるのか分からない。目が怖いキャラなのがいい。
13位「ノスタル爺」
SF・異色短編1
幼い頃の記憶にある、土蔵に閉じ込められていた爺さまは何者か? 太吉の地元は、ダムの底に沈んでいたが、ある日太吉はタイムスリップしていた。幼い里子に会う。土蔵で叫んでいた爺さまは自分だった…
ループものですね。謎の爺さまの正体が自分って怖すぎる。
14位「倍速」
SF・異色短編3
倉札は何をやってもトロくてノロマ。そんなある日、謎の発明家に「倍速時計」を渡される。自分が4倍、100倍で動けるようになるため、周囲がスローに見えるように。好きだった女性が暴漢におそわれる中、追い払う。倉札は世界一すばやい男となった。女性と結婚し、初めて結ばれる夜・・・。女性「あなた早いのね」
オチのくだらなさすぎる下ネタが好きです。
15位「メフィスト惨歌」
SF・異色短編3
突然、目の前にあらわれた悪魔。魂1個につき3000万円。男は悪魔と契約書を結ぶ。死の定義は、あらゆる細胞の最後の1個の死亡が確認されないとした。男の網膜はドナー登録されていたため、悪魔は魂を奪えないことが確定。男は悪魔である人でなしであり、1枚も2枚も上手だった。
悪魔に勝つ男。無表情なのがまた凄みを感じさせます。
16位「ひとりぼっちの宇宙戦争」
少年SF短編1
地球と惑星ハデスとの戦争は、代理で行われることになった。全面戦争は禁止されていて、1人の人間が代表となる。その代表に選ばれてしまった少年は、自分そっくりの相手方のロボットと決闘することになる。人間が優っている点は…?? 火事場の馬鹿力で勝利する。
ひとりぼっちで戦う孤独感があって、ヒーローものでもありますね。
17位「コロリころげた木の根っ子」
SF・異色短編1
大作家の大和。奥さんは絶対服従。ボトルが空になっただけで大和は奥さんを怒鳴り散らす。なぜか大和は体調が悪くなってきていて…。実は奥さんが殺そうとしていた。
オチのコマが恐ろしい。
18位「ポストの中の明日」
少年SF短編1
ある日突然、明日の新聞が読めるようになった。少年は未来を変えようとするが、結局予知と同じことが起こる。学校のクラスメイトと青木ヶ原樹海に迷い込むことも分かっていたのに止められなかった。雨が降り絶体絶命の状況に。そのとき雲間から明日を照らす太陽が見えた!
未来を変えようとする男の子の物語。
19位「女には売るものがある」
SF・異色短編2
ホテルで初老男性を奉仕する女性。女性上位時代になっていた。売権防止法違反で送検された。
めちゃくちゃ社会派、ジェンダー論にもつながる。
20位「宇宙船製造法」
少年SF短編1
宇宙漂流してしまった。地球型の地で暮らしていくのか、戻るために宇宙船を修理するのか、意見が分かれる。力の強いリーダーか知的なリーダーか。状況が変わっていく。秩序を保つために拷問をしたりと。独裁者になっていく。
閉鎖状況で人間関係が移り変わっていく。これ長編にもできるネタ。
21位〜30位
21位「あのバカは荒野をめざす」
SF・異色短編2
12月31日除夜の鐘が鳴る。ホームレスになっている老人は、27年前にタイムスリップする。御曹司がバーの女給の頼子と、一緒になろうとしていた。「あれがかつての、おれの姿だったんだ。あてはないがね、なにかをやってみたくなった。一花咲かせられないものでもあるまいよ。なあに、おれだってまだまだ…」
老いても生きる希望を失う必要はない。勇気をもらえる。
22位「ボクラ共和国」
少年SF短編3
子どもたちだけで国を作る。戦争があるのは国境があるから。
国旗はうずまきにするなど、ワクワクするストーリー。
23位「ニューイヤー星調査行」
少年SF短編3
すべての宇宙文明は一つの星を母体として広まったのではないか。その学説を元に星ニューイヤー星を調査する。バンボルグ博士の説はトンデモなのか? 文字や聖なる谷が発見されるが、それは現地民が仕込んでくれただけだった。
現地の人の余計なやさしさで事実が食い違う現象。現実にもこういうことあるんだろうな。
24位「イヤなイヤなイヤな奴」
SF・異色短編1
レビアタン号の中で。不仲になっていく船員たち。整備士のミズモリが怪しい動きをする。だがミズモリは実はにくまれ屋。共通の敵となることで船員たちが強く結束していく。
敵の敵は味方、人の集団心理をついている。
25位「おれ、夕子」
少年SF短編1
亡くなったクラスメイトの夕子は生きていた!? 夕子の父親は夕子を生き返らせようと実験を行っていた。男子生徒の弘和を使って。夕子が自らこのようなことやめようと箴言する。
かなりなホラー。父の思いが切なくもあり恐ろしい。
26位「ユメカゲロウ」
少年SF短編2
幻の昆虫ユメカゲロウの伝説によって運命を狂わされた人たちの物語。ロマンを追う。採取したおじいさんがお披露目しようとしたとき、標本箱を空けると何もない。大ボラ吹きに転落していく。
こういうロマンあふれる話、好きです。
27位「征地球論」
少年SF短編3
地球を征服しようとたくらむ宇宙人たち。地球人の生態を観察する構造になっていて、平等を目指しながら階級を作ってしまう人間の矛盾などが指摘される。
人間を客観的に見てみると…。アイロニーがある。
28位「神さまごっこ」
少年SF短編3
人を支配する立場にあこがれている男の前に、神さまセットが与えられた。まずは光を、そして大地を、海を、草木を、生物を作った。それから理想郷を作るためにアダムとイブを作った。知恵の実を食べてしまい、エデンの東に移り住んだ。勝手に繁殖し町を作り出した。興味を失い、ほったらかしにしていると、世界は発展を遂げた。神を信じない人々に対して、遅まきながら大洪水を起こした。だが人類はさらに発展し、もはや神は信じられないことに。そして崇められない神は無力であり、消えかかってしまう。
天地創造は短編集の中でも他にもいくつか扱われるテーマ。
29位「パラレル同窓会」
SF・異色短編2
大企業の社長が、どこかに空虚さを感じてる。生まれたときは1人の人間が、その後の運命のいたずらで、多様な人生をたどる。枝分かれしたはずの人生。パラレルワールドの自分たちの同窓会で、主人公は憧れの小説家と入れ替わることにした。胃袋が満たされない日々に。
結局はどの人生にも長短があるのだなぁと。
30位「鉄人をひろったよ」
SF・異色短編2
老人夫婦が鉄人ロボットを拾った。隣家の間に植えられて諍いの元となっていた木をロボットで処分した。だが力の使い道がないことが分かり、リモコンを海に投げ捨て鉄人も海に沈むことを命令した。鉄人は、一国が命運をかけて開発し、3つの国が大いなる犠牲を払ったのだが、あっけなく消え去った。
ちょっとしたことが大きなことにつながっていくわけですね。
31位〜40位
31位「いけにえ」
SF・異色短編3
2年前から街中にUFOが現れた。まったく動きがないため、誰も気にしなくなっていた。だがついに宇宙人からの要求が出された。一人の青年をいけにえに出せというのだ。新聞記者は青年を逃がそうとするが、政府関係者に殺される。青年は迷いながらも覚悟を決める。愛する人と一夜を共にして。すると宇宙人から予定変更の連絡が入った。青年を志望校に入れること、それが要求だった。それで立ち去ることを約束した。
宇宙人の気持ちは分からない・・・。
32位「並平家の一日」
SF・異色短編4
日本の平均的な家族。誰かに観察されている。それはマーケティングの会社だった。日本で何が流行るのか、平均的なこの家族を見ていればすぐに分かるのだ。
マーケティングがこれで済めばすっごく楽。今じゃ難しいか。
33位「ある日…」
SF・異色短編4
シネサークルでそれぞれの作品を紹介する。奇抜な作品の中で、平凡な日常を描く作品が披露された。そして唐突に世界が終わる。プツリと。伏線がないとバカにされるが、オチのコマはあの映画とまったく同じことが起こる。
物語と現実の違い。そう、前触れもなく伏線もなく、大惨事は起こりうる。
34位「昨日のおれは今日の敵」
SF・異色短編4
ぐうたら漫画家。締め切り前なのに寝てしまう。原稿が落ちる寸前に、12時間前に戻った。昨日の自分を叩き起こして進めさせるが、肝心の自分がまた寝てしまった。昨日の自分がやってきて、今日の自分に説教。
グズグズ男の話。グズだなぁと思いながらも自分もそうなるかもとどきっとします。
35位「街がいた‼︎」
SF少年短編3
地球の居住可能部分を広げるため、陸地を地ならしするプロジェクトが発足。研究所を中心とした1つの街が作られた。その街はどこか奇妙で、生きていた!? 意志を持ち生物のように動き、人間を排除しようとした。ラストは人間の手に落ちるよりはマシと自殺してしまった。
街が生き物という話をビジュアル化しています。
36位「T・Mは絶対に」
SF・異色短編4
タイムマシンを発明した。博士の妻と不倫相手によって博士は殺された。知られたくない秘密はある。それがあるうちはタイムマシンは実用化されないんだよ、永久に。
これ、タイムマシンが実用化されないことを立証したかのような話。
37位「コマーさる」
SF少年短編3
猿が示すものは周りのみんなが欲しくなる! 欲しかったラジカセもゲットでき、知り合いの売れない漫画家の作品も大ヒット!
コマーシャルに踊らされる大衆ということですね。
38位「一千年後の再会」
SF・異色短編4
恋人同士が別れる。女は1000年後の未来へとタイムスリップ、男は千光年先へ。時間と距離を超えて2人は再び出会った。宇宙は膨張して地球はその位置になかった。
なんとロマンチックな再会なんでしょうか。
39位「自分会議」
SF・異色短編4
およそ時価3億円の山林の権利をもらう。9年2ヶ月後の自分がやってくる。23年後、33年後の自分もやってくる。山林を売るべきかどうか、私利私欲にまみれて意見が分かれる。決着できずにもっと幼い自分も呼ぶ。争う自分に絶望して窓から飛び降りてしまった。部屋にはだれもいない…
少年よ、気持ちはわかる。
40位「アチタが見える」
SF・異色短編1
チコちゃんは予知ができるのではないか。会社の同僚が交通事故にあうことを予言する。
子供が予知できるとしたら…。自分の子なのに得体の知れない存在になっていくのにゾッとしました。
41位〜50位
41位「侵略者」
SF・異色短編3
流れ星が自分の体内に入っていった。それは宇宙の知性体オーバーロードが、人間の体を半分乗っ取ったのだ。地球征服を考えていたが、人間の寿命が短いこと、繁殖にも時間がかかることから、乗っ取り相手を亀に変えた。将来進化して地球を征服するかもしれないが、何万年もの後のことだろう。
亀を選んだら、そうなりますよね。
42位「箱舟はいっぱい」
SF・異色短編4
彗星と衝突して地球が壊れる?シェルターに逃げようとする一部の人たち。シェルターは詐欺師たちの事業かと思いきや、実は本当だったというオチ。
2段オチ。権力者ってずるいですね。
43位「超兵器ガ壱号」
SF・異色短編3
太平洋戦争末期。ある島に巨人が捕獲された。日本軍は巨人を兵器に使えないかと画策する。言葉を解読してコミュニケーションを図り、神出鬼没の兵器として完成されていく。ガ壱号の活躍により、核爆弾はロスに投下されて、日章旗はNYに翻った。戦後、ガ一号は帝国臣民になりたいと希望したが、邪魔ものとなった。食糧維持も大変で何より巨大な力で敵に回った場合に危険だと判断された。青酸カリを飲まされそうになったガ一号は、自ら死を選ぼうとする。そのとき宇宙船がやってきて、ガ一号と同族が降りてきた。ガ一号は「チビ」というのがあだ名だった。
藤子版ガリバーですね。
44位「老雄大いに語る」
SF・異色短編4
宇宙局長自身が宇宙に飛び立つことに。いつも口うるさい妻へ、地球へのメッセージを送ることになっていた。
思わずニヤリとしてしまうオチ。
45位「殺され屋」
SF・異色短編4
ヤクザの親分の家にやってきたコート姿の男性は、殺され屋だという。親分のふりをして殺されれば、うまく逃げられるというわけだ。実は親分が命を狙われているというのが、この男の仕掛けで、ただの詐欺師だということが判明する。
ありえないけど、おもしろい設定。
46位「うちの石炭紀」
少年SF短編2
ゴギブリが進化!二足歩行をして組織化された。人類を征服するかと思いきや、別の楽園を目指して旅だった。
藤子版『テラフォーマーズ』。いやこっちが先か。
47位「影男」
少年SF短編2
ストーカーのように張り付いている男は何者か? ライオンに殺されると突拍子もない預言を伝える。実は女の子の前世だったことが分かる。
けっこうホロっとくる読後感を与えてくれます。スリラーものから感動ものへとギャップがいいです。
48位「旅人還る」
少年SF短編3
フダラク計画、コールドスリープを繰り返し、宇宙の果てを目指す帰還を考えない片道旅行だ。一人の男が彼女を残して志願し、計画はスタートした。船内にはメインコンピューターの「チクバ」がいた。そして、地球との交信ができずに200億数年の時が流れ、宇宙は縮小をはじめた。最後のコールドスリープに入るが、目が覚めてしまい、そこには地球を出たときと全く変わらない星空が広がっていた。地球にそっくりな惑星に到着。宇宙は収縮し終焉し、再びビッグバンが起こったのか? すると打ち上げが行われ、近くには彼女そっくりな女性がいた。
真っ黒になるコマに吸い込まれそうになります。
49位「オヤジ・ロック」
SF・異色短編4
オヤジロックという謎の巨大な石を営業するはめになった。するとタイムトラベルトを営業する男と出会う。タイムトラベルで1人に売れたものを全員が買っているように見せて、オヤジロックをどんどん売りつけていく。
謎なものでもみんなが買っていると欲しくなる。人間心理ですね。
50位「値ぶみカメラ」
SF・異色短編2
撮影すると、値段が分かるカメラを女性が手にした。女性には貧乏なフリーカメラマンの彼氏がいる。一方で青年実業家から求愛されてもいた。値ぶみカメラは、モノの価値だけではなく見えないものの価値も計れる。二人の男性に対して自分の価値を、値ぶみカメラで計ってみると・・・。貧乏なフリーカメラマンは桁が計測不能に。女性は玉の輿を捨てて、真実の愛に生きることを選んだ。
ホロっと泣ける。
さいごに
短編なのに奥行きがある内容に驚かされ、大人になったからこそ、藤子・F・不二雄先生のすごさが分かります。
はずれがないので、どの作品も楽しいですよ!
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