政府は過半数の議決権を持つ東京電力ホールディングスの数土文夫会長(76)の後任として、日立製作所の川村隆名誉会長(77)に就任を打診した。広瀬直己社長(64)の処遇も検討中で、政府は首脳人事決定を急ぐ。
川村氏は2009年、日立の社長兼会長に就任。リーマン・ショック後の経営不振を立て直した実績を持つ。東電の経営再建策を議論する経済産業省の有識者会合「東京電力改革・1F問題委員会」(東電委)の委員も務める。
福島第1原発事故の処理費用は、政府試算で21.5兆円と従来試算から倍増し、東電は収益改善を求められている。数土会長は12年の社外取締役、14年の会長就任から一定の年数が過ぎており、政府は若手社員の子会社執行役員などへの積極登用と併せて、トップを含む経営陣の刷新が必要と判断した。ただ、川村氏は態度を保留しており、出身の日立は原発の製造や福島第1原発の廃炉・汚染水対策にも関わっており、利益相反を懸念する声もある。
東電は21.5兆円に上る福島第1原発事故処理費用のうち、廃炉費をはじめ計約16兆円を負担することが決まっている。費用の工面に向け収益性を高めるために、コスト削減などに加え、送配電や原子力事業の再編に取り組むことも求められている。また、収益改善の柱と位置づける柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働実現のため、昨年10月に就任した慎重派の米山隆一知事との関係構築も新トップには求められそうだ。【岡大介、宮川裕章】
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