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【プロ野球】

<WBC>中田、世界一の思い激白 大谷のため小久保監督のために

2017年3月18日 紙面から

米アリゾナ州・フェニックスの宿舎に到着した(左から)菊池、中田らWBC日本代表の選手たち(共同)

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 【フェニックス(米アリゾナ州)森淳、田中政行】第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表が16日、決勝トーナメント前の最終調整を行う当地に到着した。中田翔内野手(27)は世界一奪還に向けた強い思いを激白。チームは18日(日本時間19日)にカブス、19日(同20日)にドジャースと練習試合を行い、21日(同22日)の準決勝に臨む。

 激戦続きの1、2次リーグは、中田にとって過去の話だ。2度の決勝打に3戦連続弾。筒香に並ぶチームトップタイの8打点は、野球ファンの記憶と記録に刻まれた。それでも平然と言う。「(日本ハムの)栗山監督なら普通って言うよね」。戦いはまだ2試合、残っている。約束があった。

 大谷が開幕直前で辞退したチームは、決勝トーナメント進出さえ危ぶまれていた。下馬評を覆した快進撃。チームメートの姿を脳裏に浮かべる。「ここに翔平がいたらって考える。すごいチームだよね、正直」。後輩だが、素直に実力を認める存在。思いを共に戦ってきた。

 「この大会に一番出たかったのが、アイツなのは知っている。頑張ってくださいって言われたから『任せとけ』って。翔平のためにも、代わりとしても、やらないとダメだから」

 15日のイスラエル戦は強い腰痛で欠場した。緩和されてはいるが、痛みを抱える左手首とともに、決して万全の状態ではないが、任せろと伝えた以上、二言はない。もう一つ。男にすると決めた人がいる。「オレにとってのスーパースター」。小久保監督だ。

 13年の監督就任後、主要大会には呼ばれてきた。昨年11月の親善試合は全戦4番に指名され「本当にありがたい」と感謝は尽きない。実績も尊敬理由だが、将の行動に目を奪われていた。「ミーティングでは最初に『○○が誕生日。おめでとう』から入る。裏方さんも。調べているんだと思う。普通言う? 代表の監督だよ」。徹底した気遣いが心に響いた。

 「素直にすごい人だと思う。正直、手首はすごく痛かったけど。小久保さんが監督だから、出たようなもの。これは極論だけどね。小久保さんだから絶対に決めたい、絶対に勝ちたい。それはすごくあるし、感じている選手は他にもいるはず」

 並み居るメジャーリーガーが相手でも、負けられない理由がここにある。「打てなければ批判を食らうし、負けたらいろんなことを言われる。けど、その倍以上言われるのが小久保さんだから。監督を喜ばせたいね」。胴上げする姿を夢に見る。将、そして大谷との約束を果たす戦い。思いを声に、声を行動に。頂点まであと2勝だ。(田中政行)

 

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