蹴球探訪
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【大相撲】稀勢5連勝 白鵬休場にも動じず2017年3月17日 紙面から
◇春場所<5日目>(16日・エディオン アリーナ大阪) 稀勢の里(30)=田子ノ浦=が勢を寄り切って5連勝。幕内683勝で歴代9位の高見山に並んだ。鶴竜は蒼国来を押し出して4勝目を挙げ、日馬富士は松鳳山を圧倒して3勝目。大関陣は照ノ富士が貴ノ岩を退けて5連勝としたが、豪栄道は豪風に屈して4連敗。勝ちっ放しは関脇高安と平幕2人を合わせた5人。白鵬(32)=宮城野=が休場した。 ◇ 4横綱体制が序盤戦で崩れ、綱の責任が自然と重くなる土俵でも、稀勢の里は動じなかった。 これまで14勝0敗と好相性で同じ30歳の勢相手に、左を深く差してじっくり胸を合わせる攻め。最後は右上手を引いて左四つから寄り切った。 これで幕内で通算683勝目。同927勝の白鵬にはまだ、遠く及ばぬものの、1972年名古屋場所、外国人力士として初めて幕内優勝した高見山と並んだが、支度部屋での応対は淡々としたものだった。「しっかりやるだけ」。5連勝にも、いつも通りの心構えの言葉を繰り返した。 横綱の英訳は「Grand Champion(グランド・チャンピオン)」。チャンピオン仲間としての親近感からか、この日の大阪市港区の田子ノ浦部屋での朝稽古後、世界3階級制覇を達成した元プロボクサー長谷川穂積さん(36)の話題に反応した。 印象に残るのは、11度目のWBCバンタム級王座防衛に失敗した2010年4月の1戦。「あれだけ防衛していたチャンピオンだから、びっくりした。防衛(日本)記録を塗り替えるんじゃないかと思っていたから」 その後、自身の横綱昇進までの険しい道と重なるような、6年半近くかけての3階級制覇。「カムバックして、素晴らしいことだと思う。魂を感じた」と刺激を受けた。 新横綱の父萩原貞彦さん(71)は元アマボクサー。サンドバッグも身近にあったというが、意外にも「怖いじゃん」。土俵上での攻めの迫力と、正反対の反応を見せたはご愛嬌(あいきょう)。「横綱はもう負けられない」と昇進の日に覚悟を示したように、引退と隣り合わせの最高位。似た境遇だった元世界王者への敬意が、自然と言葉になった。 八角理事長(元横綱北勝海)の「今後だよね。ひとつ負けたら、今までにないプレッシャーがかかる」という見通しに応じるように、稀勢の里は「一日一日ですから」。無心で中盤戦に突入する。 (志村拓) PR情報
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