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ビジネス 経営学

経営戦略を語る上で欠かせない本と人物

経営戦略論の歴史は、非常に興味深く、面白いです。
様々な理論やフレームワークは出ては、また新しいものが出てきますが、それでも過去の考えに触れるのは重要なことだと思っています。

「巨人の肩の上にのる」という言葉があるように、先人の積み重ねた発見に基づいて、自身が何か発見したり、吸収することができます。
理論と実務を反復運動することで、さらにビジネスリテラシーが磨かれていくのではないでしょうか。

荒削りながら、経営戦略の巨人たちとおすすめの経営戦略の本を紹介します。

近代マネジメント

「科学的管理法」フレデリック・テイラー

経営戦略というか、経営学の源流になっている本です。そうあってか、テイラーはマネジメントの父なんて呼ばれています。
「マネジメントの目的は、雇用主に限りない繁栄をもたらし、併せて、働き手に最大限の豊かさを届けることであるべきだ」とし、雇用主だけではなく、働き手にも賃金の向上目指したものでした。
このテイラーの科学的管理法を実務で活かしたのがフォード生産システムです。T型フォードによって、発展した鍵にもなる理論です。
現在においても、科学的管理法は飲食店などで活用されているところもあります。

「人間関係論」エルトン・メイヨー/フリッツ・J. レスリスバーガー

メイヨー、レスリスバーガーは組織における人間的側面の重要性を重視し、人間関係論を展開した人物です。
モチベーションやリーダーシップなどの研究、小集団活動などの源流にもなっています。

産業および一般の管理/アンリ・ファヨール/h3>

アンリ・ファヨールはフレデリック・テイラーとともに経営管理論の礎を築いた一人です。
企業における必要不可欠な活動を6つに、経営活動を5つの要素に分類・整理しました。
アンリ・ファヨールの「産業および一般の管理」にそれらが記されておりますが、本書はプレミアがついており、入手することが難しいです。
そのため、商学部・経営学の設置されている大学の図書館においてあると思うので、それを読むことをおすすめします。
紹介している本は人物をまとめた本です。

経営者の役割/チェスター・バーナード

チェスター・バーナードはタイトルのとおり、経営者の役割は重いと主張しています。企業は組織ではなく、システムとして定義し、自らの組織に「共通の目的」を与えるのは経営者の役割と主張しています。
「経営者の役割」は、抽象度が非常に高く、翻訳にも難があります。

ポジショニング派

アンゾフ経営戦略論/イゴール・アンゾフ

経営に戦略という概念として、初めて持ち込んだのがイゴール・アンゾフです。
中でも有名なのが、アンゾフのマトリクスです。製品と市場を軸にどのように戦略を立てればよいのかを明示しました。
また、事業間の相乗効果のことをシナジーと呼び、今日でも知れ渡っている概念です。

本書は、「経営の戦略」というのであれば源流になります。

組織は戦略に従う/アルフレッド・チャンドラー

企業戦略とは何かを打ち出したアルフレッド・チャンドラー。チャンドラーは歴史学者であり、企業4社の詳細な戦略・組織研究の結果を「組織は戦略に従う」に記します。集権的職能別組織から事業部制への転換を詳細に記されており、事業部制の教科書になりました。
その結果、事業部制の組織がどんどんと増えていくことになります。ただ、関連性のない多角化が増えてしまいました。

マーケティング・マネジメント/フィリップ・コトラー

マーケティングを整理し、普及させたのがフィリップ・コトラーです。
コトラーはマーケティングの父などもいわれ、「マーケティング・マネジメント」という本はマーケティングの教科書として数十年にも渡って君臨しています。マーケティングの体系化を目指した本であり、STP,MMなど重要な概念は今日でも不可欠なものになっています。

競争の戦略/マイケル・ポーター

ファイブフォース分析、バリューチェーンといえば、マイケル・ポーターです。
ここで大きく経営戦略も変わっていきます。今までの経営戦略にはない衝撃を与えます。

業界の定義と構造、自社にかかる圧力を測り、儲けられる市場かどうかを判断できるファイブフォース分析を世に出した点、
3つの中から儲かるポジショニングを定義し、経営戦略とはポジショニングの選択であると主張しました。
極論、頑張っても儲からない市場であれば、参入すべきではないというのがポジショニング派の意見。

ケイパビリティ派

タイムベース戦略/ジョージ,Jr. ストーク

当時の日本の成長は何かを、BCGのコンサルタントが探って、鍵となったのが「時間」であったということ。
時間短縮をもって競争優位になると主張したのが本書です。
日本の成長はなんなのさを米国のコンサルタントが調べて、それを本にしたという。

リエンジニアリング革命/マイケル ハマー,ジェイムズ チャンピー

業務プロセスの視点で、既存のビジネスをどう再構築するかということを説いた本。
たぶん、この時の日本は実はすごかったけれど、本書はベストセラーになった。
逆輸入的な要素もありますね。

コア・コンピタンス経営/ゲイリー ハメル,プラハラード,C.K

自社能力の重要性について書いた本。日本企業の例も多く出てきます。
外向きのポジショニングから、内部資源の重要性に向いた時代になりました。

知識創造企業/野中郁次郎,竹内 弘高

日本の経営学者が世界に発信した経営理論。
暗黙知と形式知の2つの知を循環させていくことで、強い組織が作れると発信しました。
この時期にナレッジマネジメントという言葉も有名になりました。

企業戦略論/ジェイ・B・バーニー

内部資源論を代表とするバーニー。
VRIO分析というフレームワークで、持続的な競争優位に築くということを主張しました。

コンフィグレーション派

ポジショニング学派とケイパビリティ派のいいとこどり。

戦略サファリ/ヘンリー ミンツバーグ

コンフィグレーション派の代表格。
ポジショニングもケイパビリティもどっちも大事だよっていうスタンス。
戦略は計画ではなく、創発だよっていうことも言っている。

バランスト・スコアカード/ロバート・S. キャプラン,デビッド・P. ノートン

業績評価システム。いっときとても流行った気がする。
戦略・ビジョンを4つの視点(財務の視点・顧客の視点・業務プロセスの視点・学習と成長の視点)で分類して、企業の持つ戦略やビジョンと関連して財務的指標、及び非財務的指標を設定する必要があって、とても設計するのに大変だったともいわれている。

ブルーオーシャン戦略/W・チャン・キム,レネ・モボルニュ

競争のない未開拓市場(ブルーオーシャン)に参入することの重要性を説いている。
ビジネス・キャンバスは新規事業を作る際にも使えるフレームワーク。

イノベーション、そして

イノベーションのジレンマ/クレイトン・クリステンセン

大企業がなぜイノベーションを生み出せないのかを明示させた理論。現代経営においては必読書。
大企業にいる人は全員読むべき。

リバース・イノベーション/ビジャイ・ゴビンダラジャン

リバース・イノベーションとは途上国で最初に採用されたイノベーション。
BOPの市場をみる上で重要な要素。

アントレプレナーシップの教科書/スティーブン G ブランク

企業家必読書。顧客開発モデルを紹介している。
スタートアップの失敗をしにくくするためにはどうすればよいかを細かなプロセスで記されている。

リーンスタートアップ/エリック・リース

こちらも企業家必読書。必要最小限で仮説検証しながら、製品・サービスを生み出す。

経営戦略を俯瞰するなら

「経営戦略全史」という本がとてもおすすめです。
めちゃくちゃ読みやすく、面白いです。経営戦略を最初に知りたいならぜひ読んだ方がいいです。

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