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寿命は「10の100乗年」、宇宙はこうして終わる

JBpress 3/14(火) 6:00配信

 (文:冬木 糸一)

 書名と副題からもわかる通り、本書『宇宙に「終わり」はあるのか 最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで』は宇宙史を扱った一冊だ。

 これがもうびっくりするぐらいおもしろい/わかりやすい!  他の解説本で、書かれている意味がよくわからずに何度も何度も辛抱強く読み返してようやく理解したようなことが、スッと理解できる形で、より短くまとめられていて、まずその端的なわかりやすさに感動してしまった。

 本書は深いテーマを掘り下げていく類の本ではないからこれ一冊で宇宙は全てOKというわけではないけれども、その代わりに俯瞰的に宇宙の歴史をまとめ、宇宙の始まりから終わりまでを適切に駆け抜けてみせる。「宇宙論の本って出すぎていてどれを読んだらいいかわかんない」という人も多いだろうが、そういう人にこそまず本書を渡したい、そんな決定的な一冊なのである。

■ そもそも終わりはあるのか? 

 書名には「宇宙に『終わり』はあるのか?」と疑問形で書かれているが、宇宙にも終わりはある。本書で宇宙の到達点とされるのは10の100乗年あたり。億も京も該も恒河沙(ごうがしゃ、10の52乗)も那由多(なゆた、10の60乗)も、不可思議(10の64乗)も、無量大数(10の68乗)も遥かに超えたこの頃、宇宙はビッグウィンパーと呼ばれる拡散の極限状態に達し、新しい構造形成を起こす材料もエネルギーも供給されない、器は残っていても代謝の一切起こらない死体の状態になるとされる。

 現在は、宇宙のはじまりとされるビッグバンから数えると138億年後になるが、10の100乗年と比べるとまだまだ生まれたばかりといえる時期だろう。

 我々人類や地球の生物のようなものがこの時期に生まれているのも決して偶然ではない。活発な元素や惑星の形成は主にビッグバンから100数十億年の間に起き、この時期を過ぎると恒星は次々と燃え尽き、天体は崩壊し生命が生まれるのはどんどん厳しくなっていくので、基本的にはこの時期にしか生まれ得ないのである。

 “われわれ人類は、長期にわたって安定している宇宙に次々と登場する無数の知的生命の一つではなく、混沌から静寂へと向かう宇宙史の中で、凝集と拡散が拮抗し複雑な構造の形成が可能になった刹那に生まれた、儚い命にすぎない。”

 本書の構成としては、第一部・過去編で、ビッグバンによる物質の生成や天体の形成、138億年後の現在に至るまでの歴史を解説する。その後、第二部・未来編は、暗黒エネルギーなど未知の条件があるためシナリオは確定していないが、確率性の高い予測を元にして、恒星の死、銀河の崩壊、物質の消滅からブラックホールの蒸発までを物凄い速度でかっとばしてみせる。

■ 夜空はなぜ暗いのか? ──ビッグバンから138億年後まで

 過去編はビッグバンの「始まりの瞬間」からはじまって(ビッグバンの前には何があったのか?  という話もちょろっと。これについてほとんどわかっていないが)、ビッグバンから10分までの短い間に何が起こったのか(素粒子の誕生、元素の合成などなど)を解説しと立ち上がりはスロースタートだがその後一気に100万年まで加速し、いろいろと面白いトピックが出揃ってくる。

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最終更新:3/14(火) 6:00

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