都議会 築地で営業続けるリスクの指摘相次ぐ
k10010914281_201703162104_201703162105.mp4
東京都議会の予算特別委員会が16日開かれ、豊洲への移転か、築地での営業継続か2つの市場をめぐって議論が交わされ、自民党から築地市場で営業を続けるリスクについて指摘が相次ぎました。
東京都議会の予算特別委員会は、14日の質疑での共産党の発言に対し、自民党が撤回を求めるなどして紛糾し、16日は予定より3時間遅れて午後4時すぎから始まりました。
質疑では、3日目の16日も、豊洲への移転か、築地での営業継続か2つの市場をめぐって議論が交わされ、築地市場で営業を続けるリスクについて指摘が相次ぎました。
この中で自民党の議員から、老朽化に対するコスト面での懸念が示されたのに対し、小池知事は「施設の改修などがさらに必要になるが、総額でいくらになるのかは調査中だ」と述べ、施設の補修や維持管理にかかるコストは現在の年間3億円に比べ、さらに膨らむ可能性があることを明らかにしました。
また、防災上のリスクも指摘され、首都直下地震の発生が予測される中、築地市場で建物の耐震化が進んでいない現状について、議員は「豊洲への移転を前提にしていたためで、築地にとどまるのであれば、一刻も早く大規模改修を行い安心安全を確保することだ」と指摘しました。そのうえで築地市場ではこれまでに400億円をかけて建て替え工事を進めたものの、営業を続けながら工事を行うことの難しさから途中で断念し、豊洲への移転に方針を転換した経緯を指摘し、「市場業者は今のままでは生殺し、悲痛な声を上げている。都民が望んでいるのは早期決着だ」と述べ、小池知事に移転するかどうか早期に判断するよう求めました。
これに対し小池知事は「市場の事業継続性の検証など、踏むべきステップがあり、都民の理解と納得が得られる市場の実現に向けて日々、進んでいる」と述べ、専門家による検証などを踏まえて総合的に判断したいとする考えに改めて理解を求めました。
質疑では、3日目の16日も、豊洲への移転か、築地での営業継続か2つの市場をめぐって議論が交わされ、築地市場で営業を続けるリスクについて指摘が相次ぎました。
この中で自民党の議員から、老朽化に対するコスト面での懸念が示されたのに対し、小池知事は「施設の改修などがさらに必要になるが、総額でいくらになるのかは調査中だ」と述べ、施設の補修や維持管理にかかるコストは現在の年間3億円に比べ、さらに膨らむ可能性があることを明らかにしました。
また、防災上のリスクも指摘され、首都直下地震の発生が予測される中、築地市場で建物の耐震化が進んでいない現状について、議員は「豊洲への移転を前提にしていたためで、築地にとどまるのであれば、一刻も早く大規模改修を行い安心安全を確保することだ」と指摘しました。そのうえで築地市場ではこれまでに400億円をかけて建て替え工事を進めたものの、営業を続けながら工事を行うことの難しさから途中で断念し、豊洲への移転に方針を転換した経緯を指摘し、「市場業者は今のままでは生殺し、悲痛な声を上げている。都民が望んでいるのは早期決着だ」と述べ、小池知事に移転するかどうか早期に判断するよう求めました。
これに対し小池知事は「市場の事業継続性の検証など、踏むべきステップがあり、都民の理解と納得が得られる市場の実現に向けて日々、進んでいる」と述べ、専門家による検証などを踏まえて総合的に判断したいとする考えに改めて理解を求めました。
2つの市場の安全・安心 知事と自民が議論
築地と豊洲の2つの市場をめぐる議論は「安全」と「安心」の2つのキーワードを軸に16日も小池知事と自民党の間で質疑が集中しました。
この中で自民党の議員は築地市場の「安全」について現場で撮影した写真を示しながら「はがれたアスファルトから土壌の一部がむき出しになっている。土壌は覆われていると言えますか」とただしました。小池知事は「さまざまな問題点がある」「長年愛され使われてきたが故に課題がある」などと繰り返し、明確な答弁を避けたため、委員長がはっきりと答弁するよう求める一幕もありました。最終的に小池知事は「課題をどのように克服するのかその判断材料を分析、検証していて、そのうえで総合的に判断すると申し上げている」と答え、議員が「課題があるということで、覆われてないと受け取めました」と引き取りました。
そのうえで、こうした現状について「安全」といえるのかどうか、議論は法令上の解釈に焦点を移して続きました。この中で環境局長は「一般的に土壌に汚染があった場合は立ち入りを禁止し、封じ込めの措置などを施せば足りるものだ」と述べ土壌を覆う対策などがあれば法令上、安全だとする認識を示しました。そのうえで、写真の状況は「安全」かどうか問われると、「土壌に汚染があるかどうか分からず、この場ではお答えできません」と述べました。これを受けて、議員は「築地市場では土壌を調べることもしないで、小池知事は安全だと宣言している」と指摘しました。
さらに、豊洲市場の「安全」について、議員は、屋内閉鎖型の施設で、建物が耐震化されていることから築地市場に比べて「圧倒的に上回っている」と述べました。そのうえで豊洲市場の「安心」を妨げ、風評被害を広げているのは小池知事自身だと指摘し、移転するのかどうか早期に判断するよう求めました。これに対し小池知事は「安全の法的な基準はカバーされているが、これまで都が求めてきたのは法律を上回る安全で、これが十分でないということから、専門家による検証が行われている」と述べ総合的に判断したいとする考えを強調しました。
この中で自民党の議員は築地市場の「安全」について現場で撮影した写真を示しながら「はがれたアスファルトから土壌の一部がむき出しになっている。土壌は覆われていると言えますか」とただしました。小池知事は「さまざまな問題点がある」「長年愛され使われてきたが故に課題がある」などと繰り返し、明確な答弁を避けたため、委員長がはっきりと答弁するよう求める一幕もありました。最終的に小池知事は「課題をどのように克服するのかその判断材料を分析、検証していて、そのうえで総合的に判断すると申し上げている」と答え、議員が「課題があるということで、覆われてないと受け取めました」と引き取りました。
そのうえで、こうした現状について「安全」といえるのかどうか、議論は法令上の解釈に焦点を移して続きました。この中で環境局長は「一般的に土壌に汚染があった場合は立ち入りを禁止し、封じ込めの措置などを施せば足りるものだ」と述べ土壌を覆う対策などがあれば法令上、安全だとする認識を示しました。そのうえで、写真の状況は「安全」かどうか問われると、「土壌に汚染があるかどうか分からず、この場ではお答えできません」と述べました。これを受けて、議員は「築地市場では土壌を調べることもしないで、小池知事は安全だと宣言している」と指摘しました。
さらに、豊洲市場の「安全」について、議員は、屋内閉鎖型の施設で、建物が耐震化されていることから築地市場に比べて「圧倒的に上回っている」と述べました。そのうえで豊洲市場の「安心」を妨げ、風評被害を広げているのは小池知事自身だと指摘し、移転するのかどうか早期に判断するよう求めました。これに対し小池知事は「安全の法的な基準はカバーされているが、これまで都が求めてきたのは法律を上回る安全で、これが十分でないということから、専門家による検証が行われている」と述べ総合的に判断したいとする考えを強調しました。
自民「知事の考えは二重基準」
16日の質疑で、自民党は、築地と豊洲の2つの市場の「安全」と「安心」に関する小池知事の考え方について、二重基準、ダブルスタンダードにあたると批判しました。
この中で自民党は「小池知事は、築地市場について、法令上の基準を満たしているから『安全』だとし、長年のレガシーもあるから『安心』だという。一方、豊洲市場は法令上の基準を満たしていて『安全』だが、法令の基準を上回る対策がとられているかどうか分からないから、『安心』とは言えないとする。こうした小池知事の考え方は不自然で都民の理解は得られない」と指摘しました。そのうえで「二重基準、ダブルスタンダードだと言わざるを得ず、やめてもらいたい」と批判しました。
小池知事は「豊洲市場は、そもそも皆様方が、東京ガスが『汚れています』というところをわざわざ購入して、およそ6000億円の対策費で『安心』を確保しようと約束した訳で、これらが守られていないため検証しているのがわれわれの現在地だ」と述べこれまでの都議会側の対応を批判するとともに今後は、専門家による検証を踏まえて総合的に判断したいという考えを改めて示しました。
この中で自民党は「小池知事は、築地市場について、法令上の基準を満たしているから『安全』だとし、長年のレガシーもあるから『安心』だという。一方、豊洲市場は法令上の基準を満たしていて『安全』だが、法令の基準を上回る対策がとられているかどうか分からないから、『安心』とは言えないとする。こうした小池知事の考え方は不自然で都民の理解は得られない」と指摘しました。そのうえで「二重基準、ダブルスタンダードだと言わざるを得ず、やめてもらいたい」と批判しました。
小池知事は「豊洲市場は、そもそも皆様方が、東京ガスが『汚れています』というところをわざわざ購入して、およそ6000億円の対策費で『安心』を確保しようと約束した訳で、これらが守られていないため検証しているのがわれわれの現在地だ」と述べこれまでの都議会側の対応を批判するとともに今後は、専門家による検証を踏まえて総合的に判断したいという考えを改めて示しました。