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【社会】

原発避難いじめ「手紙が僕の励みに」 312人の応援届いた

男子生徒からのお礼のメッセージを伝える飛田弁護士(右)の言葉に耳を傾ける児童たち=15日、岐阜市の加納小で

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 東京電力福島第一原発事故で福島県から横浜市に自主避難した男子生徒(13)がいじめを受けた問題で、岐阜市の加納小学校の全校児童三百十二人から励ましのメッセージを受け取った生徒が、感謝の気持ちを手紙につづった。代理人弁護士二人が十五日、同校を訪れ、児童の前で読み上げた。

 「僕のために素晴らしい手紙を書いてもらいありがとうございます。いい励みになりました」

 横浜市から訪れた飛田桂(ひだけい)弁護士(34)が生徒の手紙を読むと、集まった全校児童が、じっと耳を傾けた。

 もう一人の男性弁護士は、生徒の両親が託した同校への思いを伝えた。「あんな立派な応援メッセージ びっくりし、とても感動しました。(中略)私達(わたしたち)の一生の宝物にします。本当にありがとうございます」

 同小では、人権授業で横浜市のいじめ問題について学んだ五年生が中心となり、生徒へのメッセージカードを全児童から募集。「私たちは味方だよ」という思いを伝えるためだった。

 冊子「Smile Flower(スマイル・フラワー)」にまとめ、一月に弁護士へ発送した。同校が二〇一六年に制作した、人権ソング「えがおをさかせよう」のCDを添えた。

 飛田弁護士によると、冊子を受け取った生徒は、カードを一枚ずつ読むたび、うれしそうに「頑張るよ」などとつぶやいていたという。

 同弁護士は「最近は元気に過ごしていて、ニコニコすることが増えた。今通っているフリースクールで友達もできました」と近況を紹介した。

 冊子作りの中心となった五年生の杉山陽紀(はるき)君(11)は「生徒のために活動して良かった」とほっとした様子。同、岩田祐依(ゆい)さん(11)も「私たちの思いが心に届いたようで、うれしかった」と喜んだ。 (田井勇輝)

◆男子生徒が弁護士を通じて、加納小の児童に伝えたメッセージ全文(原文のまま)

 加納小の皆さんへ

 僕のために素晴らしい手紙を書いてもらいありがとうございます。

 僕にとっていい励みになりました。

 皆さんからもらったCDを何度も何度も聴いています。

 僕も小学校の時たくさんの友達といっぱい遊びたかった。

 今はフリースクールに通っていますが、加納小の皆さんのようにいっぱい友達はいません。

 でも、これからは加納小の皆さんが僕を応援してくれているので寂しくはないです。

 皆さん本当にありがとうございました。

 いつか絶対皆さんの前でお礼を言いたいです。

 

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