【ワシントン=川合智之】米ホワイトハウスは14日、トランプ米大統領の2005年の年収が1億5千万ドル(約170億円)超で、3800万ドル(約43億6000万円)を納税したと発表した。トランプ氏は大統領候補が確定申告書を公表する慣習を「当局の監査中」であることを理由に拒んできたが、米MSNBCテレビが同日夜に確定申告書の内容を報じると表明した直後に一転、公表した。
米メディアによると、トランプ氏の確定申告書の2ページ分が米紙ニューヨーク・タイムズの元記者に郵送され、MSNBCテレビなどで発表した。ホワイトハウスは声明で「確定申告書を盗んで公表することは完全に違法だ」と指摘し「不誠実なメディア」と非難した。
トランプ氏の05年の実効税率は25.3%。民主党候補ヒラリー・クリントン氏が15年に支払った連邦所得税の税率は34.2%だった。ホワイトハウスは「法的に求められる以上の税金を支払う必要はない」と述べた。
ニューヨーク・タイムズは昨年10月、トランプ氏が1995年にホテルなどの破綻で約9億1600万ドルの巨額損失を申告し、その後最大18年にわたり毎年5千万ドル以上の税額控除を受けた可能性があると報じた。05年もこの控除の恩恵を受けた可能性がある。