瀬戸内海には島がいくつあるかな?


 瀬戸内海は美しい海と大小無数の島々によって構成され、それがおりなす見事な景観は日本を代表する景色の一つです。六管区「海の相談室」にも島についての問い合わせが多数あり、それらは島の数や、島の名称、島の位置、島の面積などについてです。今回は瀬戸内海の島に関するデータについて取り上げてみました。

(島の定義) 「島とは」
(1)水で完全に囲まれた陸地の一つ。「水路辞典(国際水路機関)」
(2)自然に形成された陸地であって、水に囲まれ高潮時(こうちょうじ)においても水面上にあるものをいう。「国連海洋法条約第121条」
(3)四面水に囲まれた小陸地。「広辞苑(岩波書店)」
(4)周囲を海、湖などの水域で完全に囲まれた陸地。「日本語大辞典(講談社)」
   
「島」とは、上記のように定義されており、海図の島は(2)に基づいて表現されています。また、海図では島の他に潮汐の干満によって水面上に時々顔を出す岩、水面すれすれの岩、いつも水面下に没している岩の3種類に分類して表現しています。これらを図解すると下図のとおりです。
島定義の図


(島の数)
表1のとおり、瀬戸内海で外周が0.1Km以上の島の数は727です。(昭和61年海上保安庁調査)
なお、( )内の数字は前記の基準とは係わりなく、海図に○○島と名前が記載されている島の数です。
島の数は基準の取り方によって色々と変わってきます。例えば、島の外周が0.1Km以下のものまで含めればもっと多くなるでしょう。
表1 瀬戸内海の島の数
順位 県名 島数
広島 142(153)
愛媛 133(136)
山口 127(105)
香川 112(111)
岡山 87(75)
兵庫 57(44)
和歌山 41(22)
徳島 24(26)
福岡 6(7)
10 大分 3(2)
合計 727*(681)
*2県に重複する5島(甲島、大槌島、井島、瓢箪島、鳶ノ子島)を除いた数
表2 同名の島ベストテン
順位 島名 島数
小島 14
弁天島 12
鍋島 11
横島
長島
高島
大島
松島
沖ノ島
黒島
注 小島の読み方は、「こじま」と濁音読みが多いが、海図では「○○しま」と清音読みに統一している。
表3 島の面積(ベストテン)、高さ、港数
島名 面積(ku) 高さ(m) 地方港湾 漁港
淡路島 592.87 608 15 28
小豆島 152.45 817 13 32
屋代島 130.57 685
倉橋島 69.11 491
大三島 63.82 437
大島 45.27 382
大崎上島 38.76 453
因島 34.56 391
生口島 30.70 478
厳島 30.39 530
注 広島県の江田島・東能美島・西能美島は陸続きであり、これを1島と数えると、江田島29.97ku、東能美島25.46ku、西能美島23.24kuで、合計78.67kuとなり4位に入る。
*島の面積は、日本島嶼一覧(財)日本離島センター編集(昭和57年3月発行)による。

用語の解説

国際水路機関(International Hydrographic Organization)
1919年ロンドンで開催された国際水路会議をもとに、1921年6月に設立(本部モナコ)された。その後1967年の第9回国際水路会議において国際水路機関条約を採択し、それまで明確でなかった同機関の政府間機関としての性格を明確にして国際水路局を改組し新たに国際水路機関として発足したものである。条約は1970年9月22日をもって成立発効し1983年7月現在69カ国が加盟している。国際水路機関には加盟国代表によって構成される国際水路会議(5年に1回開催)と理事会によって運営される事務局の国際水路局が置かれている。
国際水路機関の目的は、水路図誌を改善することにより、全世界の航海を一層容易かつ安全にすることに貢献することであり、機関自ら水路業務をはじめとする現業的な事業は行わないが、目的実現のため、
(1)各国の水路官庁間における密接かつ恒久的な提携の確保
(2)水路業務並びにこれと関連のある科学技術に関する問題の研究・文献の収集
(3)水路図誌の交換促進
(4)文章の配布
(5)水路業務の開設又は拡張を行っている国に対し要請に応じての指導・助言
(6)水路測量とこれに関連のある海洋学的活動との間の協調の促進
(7)国際機関及び科学研究機関との協力等を行う責任を持っている。また国際水路局は加盟国の水路官庁についての必要な全ての情報を提供する定期刊行物や技術問題についての特殊刊行物を発行する。
 
海洋法に関する国際連合条約(以下「国連海洋法条約」と呼ぶ)
海の憲法ともいわれる国連海洋法条約は1982年に作成され、約12年後の1994年11月16日に発効しました。この条約は、領海、接続水域、排他的経済水域、大陸棚、公海、深海底等の海洋に関する諸問題について包括的に規律するものです。「海洋基本法の解説より(国政情報センター)」

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