こんにちは!大学で臨床心理学を専攻しているひぐらしです!
さて今回は、「心のケア」という分野を席巻しているマインドフルネスについて!おすすめの本を紹介したいと思います。
マインドフルネスって何ですの?
まずはマインドフルネスの説明を引用したいと思います。
マインドフルネスとは、今のこの瞬間のみが自分が手にできるもののすべてであることを理解し、「今」を人生の最大の焦点とすること(p38)
端的に言えば、マインドフルネスとは「今」を感じ、「今」を真っ白な気持ちでありのままに受け入れるということを表しています。
マインドフルネスという考え方は、東洋思想、もっと明確に言えば「禅」の考え方に基づいて生まれました。
それが、欧米に渡り革新的なムーブメントの一つになっています。今では、それが日本に逆輸入され注目を集めているというわけなんですね。
あの有名なスティーブジョブスも晩年は、このマインドフルネスの考え方を大切にしていたそうです。この本の表紙にもこっそり写り込んでいます笑。
マインドフルネスと心のケア(メンタルヘルス)
臨床心理学の知識をつなげる
この本を読んで、今まで勉強してきたことがつながった感じがしました。章立てを紹介します。
- 第1章 念(Mindfulness)
- 第2章 初心(Beginner’s Mind)
- 第3章 本当の自分(Authenticity)
- 第4章 絆(Connectedness)
- 第5章 聴く力(The Heart of Listening)
- 第6章 受容(Acceptance)
- 第7章 感謝(Gratitude)
- 第8章 義理、人情、責任(Responsibility
第1章の「念」は、認知療法と大きく関係しています。実際に、マインドフルネス認知療法という分野が発展しています。マインドフルネスの考え方は、「思い込み」や「偏見」を取り除いて、物事をありのままに見る姿勢です。これは、認知理論とほとんど重なっていると言えます。
第2章の「初心」と第7章の「感謝」は、ポジティブ心理学に関係していますね。マイナスをゼロにする支援ではなく、マイナスをプラスにしていく考え方です(マック赤坂っぽい?)。
第3章の「本当の自分」、第5章の「聴く力」、第6章の「受容」あたりは、ロジャーズのクライアント中心療法と深く関係しています。カウンセリングマインドの基礎の基礎の部分ですね。
第4章の「絆」はコミュニティ心理学と重なっています。心のケアと人とのつながりは切っても切り離せない問題なのです。
最後の章、「義理、人情、責任」は教育と関係していますね。その前の章まで、「心のケア」について解説してきたわけですが、この章でそれを「人間性」の話に広げています。マインドフルネスはただの心理療法、カウンセリングの道具ではなく、人を育む考え方だということを強調しているのです。
これは読んでいて痺れる名著です。表紙に写っているのが書いているおじさんなのですが、この人只者じゃないですよ。
瞑想(座禅)とマインドフルネス
マインドフルネスの本は沢山出ています。この本では、そういった本とは違い、そこまで詳しく具体的な方法(瞑想や座禅など)については解説していません。
そうではなく、その大切な基礎となる「哲学」を解説しているのです。マインドフルネス関連で、一般の人にもわかりやすくこの「哲学」「考え方」を解説している本はほとんどないのです。
そして、本の中で瞑想などに関して参考にすべき本については触れられています。本の中でおすすめされていて、実際に僕も読んだ本を掲載しておきます。興味があれば是非読んでみてください〜!