【台北=伊原健作】台湾の検察当局は14日、公務員の機密漏洩などの罪で馬英九・前総統を起訴した。馬氏は総統だった2013年、検察トップから政界の疑惑捜査の情報を入手し、周辺に漏洩した罪などに問われている。捜査情報は同じ国民党内で対立していた当時の立法院長(国会議長)、王金平氏の司法介入疑惑に絡む内容で、政敵の追い落としを狙ったとの見方がある。馬氏は同日「潔白を確信している」と徹底抗戦する意向を示した。
直接選挙で選ばれた総統は馬氏で3人目だが、全員が退任後に起訴されたことになる。1988~2000年に総統を務めた李登輝氏は横領などの罪に問われたが、14年に無罪が確定。00~08年に総統だった陳水扁氏は収賄罪などで10年に収監されたが、体調を崩し15年から自宅療養を許されている。