家庭で使用されている日用品ものの中には動物実験が行われているものも多い。企業は製品開発の段階で動物を対象にした実験を行うことがある。主な目的は、製品に使用される材料の安全性を確認することだが、ときに毒性が発見され、実験動物が死に至ることもある。
何の気なしに手に取って買う商品だが、そこには様々なバックグラウンドがある。商品の性能や利便性、価格がまず最優先され、どんな動物好きでも動物実験があったことに、目をつむってしまうのだ。
ここで紹介するのは、動物実験が行われている製品のほんの一部である。
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15. ポスト・イット(Post-it)
接着剤の安全性を確かめるために動物実験が行われている。3M社は他にも「スコッチ(Scotch)」テープをはじめとする接着剤を使用する製品で動物実験を行なっている。物の表面にくっつけるだけの製品に動物実験が本当に必要とは思えないが、中には法令によって動物実験が義務付けられているものもある。つまり本当に非難すべき相手が企業ではなく、法律である場合もあるのだ。
14. ヴァセリン(Vaseline)
スキンケア用の「ヴァセリン」シリーズはいずれも動物実験を行なっている。実験によって動物がひどい皮膚症状を発症することもあるが、彼らは人体への副作用を防ぐために犠牲になっている。
ユニリーバ社は他にも「アックス(AXE)」「ダヴ(Dove)」「リプトン(Lipton)」といったブランドを所有する。すべてではないが、その多くで動物実験を行なっている。企業は消費者の利益が最大の関心事であり、「動物実験はしないよりマシ」と主張する。
13. ウィンデックス(Windex)
世界で最も有名なブランドの1つ。映画『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』で有名になり、アメリカでは多くの家庭に1本は常備されているが、このブランドは動物実験に大いに依存している。「ウィンデックス」の安全性を確認するために、動物の目や皮膚に製品を塗布する。ある報告書では犬も実験に使われているというが、SCジョンソン社は否定している。
12. バンドエイド(BAND-AID)
こちらもSCジョンソン社の製品でやはり動物実験が行われている。製品によっては政府から動物実験データの提出を求められていることもある。しかし一部大企業は、さらにデータが集められるから、最終的なデータが集められるからという理由で、それ以上の動物実験を行う。
過酷な動物実験を行い、通常なら考えられないような使い方のデータまで集めるのだ。SCジョンソン社は2000年以降、動物実験を65パーセント減らした。
11. オムツ
大切な赤ちゃんに使用するオムツを徹底的に試験することは理解できる。オムツメーカーでは実験動物にオムツの素材を無理やり食べさせる。アレルギー反応が出ないかどうかの試験だ。また皮膚に擦り付けられることもある。「パンパース(Pampers)」のP&G社は動物実験を止めると発表したが、後に依然として続けていることが明らかになった。「ハギーズ(Huggies)」のキンバリークラーク社も動物実験を行なっている。
10. コンタクトレンズ
コンタクトレンズでも動物実験が行われる。アメリカの法律ではコンタクトレンズが医療機器として扱われているからだ。アメリカ食品医薬品局はあらゆる医療機器に対する動物実験を求めている。つまり、これも企業の意向にかからわず政府が義務付けている動物実験ということだ。レンズと生理食塩水のどちらも実験される。義務付けられているゆえにほとんどの製品が動物実験を行なっているが、「クリアコンシェンス(Clear Conscience)」という動物実験を行なっていないコンタクトレンズも販売されている。
9. トイレットペーパー
どこの家庭にもあるトイレットペーパーだが、「バウンティ(Bounty)」「チャーミン( Charmin)」「クリネックス(Kleenex)」「パフス(Puffs)」「スコット(Scott)」など、世界のほとんどのブランドで動物実験が行われている。特に疑われるのが、漂白や香りがつけられている製品だ。
漂白されていないリサイクル製品やエコフレンドリー製品は通常天然素材で作られているため、動物実験は必要ない。「セブンスジェネレーション(Seventh Generation)」がその代表格だ。
8. カミソリ
男性でも女性でもムダ毛処理に大活躍のカミソリだが、過酷な動物実験の賜物と聞けば気が重くなる。「ジレット(Gillette)」「シック(Schick)」「ブラウン(Braun)」は非常に有名なカミソリブランドだが、そのシェービングクリームはもちろんこと、いずれも動物実験が行われている。
こうした企業から動物実験中止が発表されたこともあるが、結局止められていないことが明らかになっている。
7. 6. 家具の艶出し
こうした製品は通常体内に摂取したり、肌に塗りたくるような使い方をしないだろう。だが動物実験で行われているのはそれだ。
動物の顔めがけて噴霧したり、皮膚にこすり付けたりする。もちろん刺激性があるかどうか確かめる実験だ。また製品自体で動物実験を行なっていなかったとしても、その原材料はそうでない可能性が高い。こうした製品を自分の目にめがけて使用する人はいまい。やらずとも、どうなるか分かるはずだからだ。
6. 5. シャンプー
最も多くの動物実験が行われている製品の1つ。シャンプー液が目に入って痛い思いをした人は少なくないはずだ。だが有名ブランドの実験で行われることに比べれば可愛いものだ。
実験室で作られたばかりで安全性がよく分からないものを動物たちに浴びせて、その安全性を確かめるのだ。
4. ファブリーズ(Febreze)
「ファブリーズ」には動物実験の長い歴史がある。動物の目や皮膚にめがけて噴霧するのだ。また実験しやすいよう、動物は拘束されるという嫌な側面もある。
P&G社はこうした実験について、「物質の安全性と効果性を確かめるために、動物を使った研究を行わねばならないときもある」と述べている。
3. オールドスパイス(Old Spice)
実は大規模な動物実験が行われている。それもこれがデオドラント剤であり、人間の皮膚に直接使用する製品だからだ。動物は毛並みを剃られて、皮膚に直接塗り込められる。
2. コパトーン・日焼け止め(Coppertone Sunscreen)
日差しが強い地域や夏において愛用している人も多いだろう。シェリング・プラウ社のUVケア製品で、同社のサイトによれば、動物実験を行なっている。
コパトーンのみならず、動物実験を行うUVケア製品は数多く流通している。しかし人間の皮膚細胞を培養して実験に利用する方が、より正確なデータが得られることも証明されている。
1. リステリン(Listerine)
ジョンソン・エンド・ジョンソン社のリステリンは、実験として動物に飲ませたり、目に塗布したりする。
via:15 Household Products You Didn’t Know Were Tested On Animals/ translated hiroching / edited by parumo
世の中には動物で実験されているのだから安全だとその製品を選択する人もいるだろう。逆に、罪のない動物たちをひどい目に合わせてまでその製品を使いたくないという人もいる。
我々がどう思おうと、実験する意味がないものにさえ、動物実験が行われているという現実がここにある。消費者である我々はこの事実をとりあえず知っておく必要はあるだろう。
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コメント
1. 匿名処理班
動物実験を今日も仕事でやったけど、製薬会社は外部いたくしていると、動物実験がどんなものか全く知らなかったりする。
ちなみにコンタクトレンズは結構大変なやつ。
2. 匿名処理班
まったくなんてひどいんだ!最低だ!みたいな論調の記事だけど、仕方ないよね?
「安全性の確認とかしてないけど使ってね」なんて言われても困るし
動物に感謝はすれど、企業を弾圧するのはお門違いだと思うんだよなあ
愛護愛護ってこういうのを責め立てる人らは、
今までまったく科学の恩恵を受けてないのか聞きたいね
3. 匿名処理班
動物実験しないと安全性が確認出来ない物は、いくら安全性が確認できたからといっても、基本的には人間にも危険なのではないかと思う。
4. 匿名処理班
3 ロイ ジョーンズ ジュニアか?コノヤロー!
5.
6. 匿名処理班
うちの近所に実験施設あるんだよなあ、、
7. 匿名処理班
軟膏は必須だろうなぁ
8. 匿名処理班
取り上げてくれて感謝。動物実験の代替が本当に早く、実験に耐えうる安価で正確に作られて欲しい。
これで守られた人命もいるから絶対的に悪とは言えないけれど。
9.
10. 匿名処理班
キンチョール
11. 匿名処理班
動物ではなく反社会的人間やや政治犯を使った日にはヒトラーの
再来になるし、しかも人間ということでコストも高くなる
企業側から見たら使い捨てでコストも安く、凶悪な実験しても
何の心を痛まない動物のほうが気楽さでは一番だろうな
そのうち動物らにしっぺ返し食らわされそうで怖い
12. 匿名処理班
まあ、要は他の生き物で安全性を確かめないといけない人間もただの動物って事です。
今だ弱肉強食から脱してない訳だ。
13. 匿名処理班
そりゃあ世の中には意味のない動物実験というのもあるんだろうけどさ
「この実験は必要なものですから」って言う企業の隣で「嘘だ。その実験には意味がないぞ」と自信満々に言う活動家だってそんなに信用できるものじゃないよ
結局「よくわからんが一応やっとけ。なにしろ俺の目に入れるものだからな」みたいになる
14. 匿名処理班
罪のない動物を使いたくないなら日々罪深いことをしてる君たちは使わなくてええんやで
15. 匿名処理班
リステリン目にいれるとかきっついな
失明しないんだろうか
16. 匿名処理班
動物達もいずれこんな目に合わされると知ってたら箱舟に乗らなかったろうに
17. 匿名処理班
かわいそうだからと、買わないって選択肢もあるが、商品化された時点で実験は終了してるんだよね。
買わないからって減るわけじゃない、かといって自己責任で売り出しても買い手がつくか。
難しい問題だ、やっぱり人工皮膚とかじゃいかんのかなぁ。
18. 匿名処理班
医薬品だって動物実験、いや治験とかいう人体実験までされているだろう。
私には、少なくとも上記の例は、非人道的で不要とは言えんと思える。
子供の悪戯は想像を超えるからね。
もちろん怪我した実験動物を使い捨てにしたり数匹で済むのに数十匹使うようなのは✕
19. 匿名処理班
ヒステリック且つ声高らかに動物実験反対を叫んで自分が聖人であるかのようにアピールする人に限って、全体のたった一部分のこの記事にある製品を大量に消費してたりするから人間って気持ち悪いよね〜
20. 匿名処理班
必要性のない動物実験は止めて欲しいけど、
医療などではどうしても人間の前に動物で実験しなければならない
そのことを自覚しながら背負いながら生きていかなきゃ
21. 匿名処理班
将来には、動物実験がなくなり、IPS細胞で出来た手とか内臓を使っての実験に移り変わっていくんだろうね
22.
23. 匿名処理班
よく「必要の無い動物実験はやめて欲しい」っていうのがあるけれど、
企業はコストを払って認可を取ったりするために実験しているんだから、
基本的に「必要の無い実験は無い」のは当たり前で、
必要ない実験を止めるは、単に企業経営の問題だよねぇ。
問題なのは実験の内容で、
「コストをかけてでも動物に配慮した実験を」ってのを
求めていくべきだと思うんだよなぁ。
24. 匿名処理班
動物実験嫌っていうなら牛や豚も食えなくなるからな
ただ科学技術の進歩がこういうのを最終的に駆逐してくれるのを期待している
25.
26. 匿名処理班
スキニー(毛がない)ラットを飼っている立場としては皮膚に塗布する薬剤実験なんかはかわいそうに思えるけど皮膚が弱い人としての立場では安全性は確かめて欲しくなる
早くiPS細胞とかで代替できるようにならないだろうか
27. 匿名処理班
囚人で実験すりゃいいのに。
協力者には色々と優遇してあげればWin-Winじゃないか。
28. 匿名処理班
動物ではなく犯罪者を使うべき
犠牲になる動物は減らせるし犯罪者は社会貢献できるし動物より信頼できる結果が出る
デメリットがなく良いこと尽くめ♪
29. 匿名処理班
ワセリンは日々消費者によって人体実験されてるね
30. 匿名処理班
アレルギーなんかは試験管でできそうな気もするし、刺激も、何かで数値化できないものか
原材料が既存のものと同じなら、簡易的に済ませられるようにするとか、ある程度減らすことはできるんじゃないかね
そういう努力に、どこまで意味があるかはよくわからないけども
31. 匿名処理班
肌に塗りたくる人はいないだろう、って言われても海外だとうっかり塗って皮膚がかぶれたら裁判起こされるんじゃないか
赤ちゃんへの健康被害を防ぐためなら良いが成人よりは動物の命を優先するというのも意味が分からない
32. 匿名処理班
私は酷いアトピー持ちだったから、ステロイド剤を内外共に使用して育った。
ステロイドが無かったらゾンビとして青春を過ごすはめになっただろう。
勿論、ステロイド剤も動物実験が大量に行われている事は知っている。
だから、地獄があるなら、製薬会社と共に私も地獄に落ちるよ。
自分の幸せしか考えてなかったからね。
33. 匿名処理班
生き物じゃなくて培養した組織とかでやれないのかな?
34. 匿名処理班
ソロソロIPSとかで代用品に変わって行くのかな?
未だ動物の方が安いんだろうけど企業の方が求めて流通増えないとコストは下がらんよな
35. 匿名処理班
開発されたばっかりで使うとどんな結果が出るかよくわかりません!
ってシャンプー売られても困ると思うんだけどなあ
36.
37.
38.
39.