与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)は15日、北陸新幹線のルートのうち、京都と新大阪を結ぶ区間について、京都府京田辺市を通る案の採用を正式決定した。既に敦賀―京都間は福井県小浜市を経由させる方針を決めており、北陸新幹線の全ルートが確定した。
国は2017年度から、詳細な駅やルートを決めるための調査を始める。敦賀以西は31年に着工し、46年に全線開業する見通し。PT座長の茂木敏充・自民党政調会長は15日の記者会見で「実際に完成して本当の効果が出る」と指摘。「早期の全線開通に向けて整備財源の確保にしっかり取り組んでいく」と語った。
国土交通省によると、建設に必要な財源は約2兆1千億円。新幹線の整備費は、JRが支払う施設使用料(貸付料)を除く部分を、国と自治体が2対1の割合で分担する。現時点では、北海道新幹線(新函館北斗―札幌)が完成する30年度末まで新路線に回す予算はなく、追加財源が必要だ。
新幹線の整備計画のもとになる基本計画では、四国新幹線や山陰新幹線などの案も明記されている。関係自治体が整備計画への格上げを求めているほか、与党の一部にも推進論がある。財政面の妥当性を含め、事業効果の厳密な検証が必要だ。