学生団体に入っている人たちは、幾度となく”会議”というものを経験してきたと思う。その会議を有意義な時間にするために、議題に対してどのようにアプローチしていけばいいのかをここにまとめてみる。
- 本質からスタートするアプローチ
- メリット・デメリットを比較検討をしてみる
- 場合分けで不測の事態に対応する
- 5W1Hで具体的に掘り下げる
- 時間がない!を解決する方法
- 今すぐ使える問題解決のフレームワークまとめ
本質からスタートするアプローチ
問題を解決していくため、その問題の本質からスタートしていくためのアプローチ方法がある。その具体的方法が「why what how分析」という問題解決手法だ。順番もこの通りで、最初に「なぜ」を考え、次に「なにを」するべきかを、最後に「どうやって」やるのかを考えていく。
why(なぜ)
本質とは、会議でいう”目的”の部分に当たる。目的は「なぜ」と問うことで見つかる。ということは、「なぜ」と問うことで本質にたどり着けることが多いということだ。
まず考えるべきは、「なぜこの団体は存在しているのか」だろう。「新入生同士が仲良くなれるようにするため」「自分たちの成長のため」「楽しむため」など、それぞれの団体によって異なるのが当然なので、目的に答えはない。
個人的に「~をしたいから」という感情ベースで考えるのがいいんじゃないかと思っている。「あたたかい居場所をつくりたいから」「悩んでいる学生に力を貸してあげたいから」とかいう願望ベースで考えるとブレにくいんじゃないかと思う。
会議に限ると、「なぜこの会議を行うのか」という観点が重要になってくるはずだ。例えば、「今回の会議は、本番のコンセプトを決めるために行う」というふうに、”何のために”をはっきりさせることで、議題からズレたときに軌道修正がしやすい。
what(なに)
「なぜ」が決まったなら、次は「何をするのか」を考える。例えば、「新入生同士が仲良くなれるようにするため」にその団体が存在しているのであれば、新入生同士が仲良くなれるための”コンテンツ”を考える。アイスブレイク企画を行うのか、スポーツ大会を行うのか、クラス合宿を行うのか。目的に沿って、何を行うのかを決める。
仮に、目的に沿わない(例えば、履修登録のお手伝い)企画を行ってしまったりすると、何のためにその団体が存在しているのかがわからなくなる恐れがある。
how(どうやって)
「何をするのか」が決まったら、それを「どうやって」行うのかを考えていく。スポーツ大会なら、いつどこで誰が主催で進めていくのか。「どうやって」を落とし込んでいく際には、後に紹介する「5W1H」の考え方が参考になる。
「何をするのか」から考えていってしまった場合、選択肢があふれすぎて、議論がなかなか前に進まないケースは経験したことがあるかもしれない。そこで、「なぜそれをするのか」から考えることで、選択肢が自ずと絞られ、スムーズに話が進んでいくことが多い。
なぜ「なぜ」を伝えることが重要なのか
「なぜその企画をやっているのか」「なぜその選択肢を選んだのか」を伝えることで、互いの進む方向性を統一することができる。
仮に話し合いに参加できなかったメンバー(たかしくん)に「なにをどうやってするのか」は伝えたが、「なぜそうするのか」は伝えられていなかったとする。「訪問営業で契約をとってきてほしい」とは伝えたが、「会社の利益を上げるため」とは伝えていないと想定しよう。
社長、契約じゃんじゃん取ってきましたよ。。タクシー快適でしたわあ、ククク。。
た、たかし、利益を上げるのが目的なんじゃよ泣
なぜ契約をとってきてほしいか知らないたかしくんは、経費を使いまくって利益を減らしてしまったり、営業よりも稼げる方法があるのに営業をしてしまったりしてしまう恐れがある。
「なぜ」を伝えられていると、「こっちの方がいいんじゃないですか?」というような代替案を提案できたり、できるだけ費用を使わずに営業を行おうとするはずだ。
”なぜ”と考える力はトレーニングで身につく
「本当にそれは大事なことなの?」「なぜそれを行うの?」と疑う力はとても重要だ。無駄なことに時間を使うほど、ぼくらの時間は安くない。
無駄に厳しいルールがあったり、無駄に人間関係に気を遣ったり、態度に気をつけたり、そういうのは本質的でない気がするのだ。会議中に飲食を禁止するのは本当に合理的なのだろうか。フォーマットにそこまでこだわることに意味があるのか。本当にそのやり方が最大の生産性を生むのか。形だけにとらわれてないのか。そういうのを再確認してみると、新たな発見があるかもしれない。
「なぜ」とか「なんで」とかを考えられる人は生きていく上で強いだろうなと感じている。「なぜ」の中に物事の本質がある。この論理的思考チックなものはトレーニングで身につく。これは自分自身で実証済みだ。そしてまだまだ伸びる。自分に「なぜ」という質問を投げかけられるか、それを癖にすることができるかがポイントとなる。
メリット・デメリットを比較検討をしてみる
「なぜ」それを行うのかは決まった。その次の「なに」をするかを考えていく必要がある。そこで、その案のメリット・デメリットを比較検討してみよう。案が2つ以上出た場合、それぞれのメリット同士、デメリット同士を比較すると取捨選択しやすくなる。
ここでのポイントは、「なぜ」を見失わないようにすることだ。自分たちの目的とより一致しているのはどちらの選択肢だろうか、という視点で考えてみよう。
もしかしたら、行き詰ってしまうこともあるかもしれない。ただ、答えは意外とシンプルだったりする。「こっちの方がワクワクするから」とか。理論だけでなく、自分たちの思いや感情も大事にして考えてみるといいかもしれない。
場合分けで不測の事態に対応する
天気や予約の関係で、未来のことを確実に予想できない場合は、場合分けをしてみよう。上記の図はスポーツ大会を開催することに関する場合分けツリーである。
場合分けを行うことで、あらゆる選択肢を考慮し、不測の事態にも対応できるようになる。反対にこの場合分けを行っていないと、雨のときのことを考慮していなかった、予約が取れなかったときの代替案を考えていなかった、という事態が起こる恐れがあり、パニックになりかねない。
5W1Hで具体的に掘り下げる
「なぜ」それを行うのか、”メリット・デメリットの比較”や”場合分け”を用い、「なに」を行うのかも決まった。最後は、それを「どうやって」行うかだ。ここで、役に立つのが"5W1H"の考え方だ。込み入った話をする際や、具体的な細かいところまで決めたいときに便利なツールとなる。
開催日は「いつ」なのか、会場は「どこ」なのか、「だれが」主催者なのか、「だれが」ターゲットなのか。注意してほしいのは、ムリして5W1Hのすべてを埋める必要はないということ。なぜ5W1Hを行うのかというと、案を具体的に進めていくためである。それなのに、全部埋めることを目的としてしまっていたら、ムダな時間を費やす羽目になりかねない。5W1Hの中で、必要な項目だけをピックアップして話を進めていくといいだろう。
時間がない!を解決する方法
「時間がない!」を解決する方法はたった1つしかない。ものごとに優先順位をつけ、優先順位が低いものを切り捨てる勇気を持つことだ。
上記の図は、”重要緊急マトリックス”である。人生においては、第2領域にいかに注力できるかがポイントとなるということがよく言われているが、今回はそっとしておこう。問題解決において、上記の領域を優先順位の高い順に並べると、もちろん「第1領域⇒第2領域⇒第3領域⇒第4領域」の順番になる。
重要で緊急性もある第1領域は、すぐに"why what how分析”等を用いて解決すべき問題だ。
第2領域は、重要ではあるが緊急性はない。この第2領域は、緊急性がないがために対応が後手後手になりやすい(人生においてもそうだ)。そのため、この第2領域についても、「いつどこで誰がどのようにして話し合うのか」だけは決めておいた方がいいかもしれない。
重要性のない第3領域、第4領域は、そもそも解決する必要性が少ないので、これらの話し合いの時間を削ることで、「時間が足りない!」を解決することができ得る。
今すぐ使える問題解決のフレームワークまとめ
- 本質からスタートするための”why what how分析”
- 「なにを」を絞り込むための”メリット・デメリットの比較”
- 不測の事態に対応するための”場合分け”
- 「どうやって」を具体的に掘り下げるための”5W1H”
- 「時間が足りない!」を解決するための”重要緊急マトリックス”
以上が、今すぐ使える問題解決のフレームワークだ。取り組んだプロジェクトが成功したら「How」、失敗したら「Why」を問うといい。
最後に、これらのフレームワークを使うときは必ず紙に書き出そう。頭だけで考えると、覚えておかないことが多すぎて思考が前に進まないからだ。もやもやしてきたら、とりあえず書き出せばいい。