THAAD:中国の経済報復、行商人まで締め付け

 韓半島(朝鮮半島)への終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備に対する中国の経済報復が行商人にも広がっている。また、中国人の利用が大半の韓中間のカーフェリーが旅客減少で1990年の航路開設以来最大の危機に直面した。

■行商人の通関にも支障

 平沢港小貿易連合会は13日、中国税関が韓中カーフェリーを利用する行商人の商品通関を行わないと通告してきたことを明らかにした。行商人は通常、韓国で炊飯器、携帯電話端末、マスクパックなど化粧品を中国に持ち込んで販売し、反対に中国から農産物を韓国に持ち込んで利益を得ている。中国税関が中国産農産物の輸出は認めつつ、韓国製品の輸入を制限し始めた形だ。

 平沢港小貿易連合会の関係者は「昨年7月にTHAAD問題が本格的に浮上した際から通関遅延など目に見えない報復が行われてきた。現在は韓国からの工業製品をシャットアウトする意図とみられる」と述べた。行商人の貿易規模は韓国からの工業製品の輸出が中国からのい農産物輸入の10倍程度とみられる。ハナ金融グループのパク・ジョンデ研究員は「アモーレパシフィックやLG生活健康の免税店での売り上げの約5%が行商人経由で中国に流れていると推定される」と話した。

 韓国と中国を往来し、小規模の流通を担ってきた行商人の商売ができなくなれば、行商人の生計だけでなく、行商人相手に商売してきた韓国国内の零細業者にも影響が及ぶことは避けられない。行商人は正式な流通経路ではないが、自己消費名目で認められた重量以内の持ち込みについては当局が問題視してこなかった。主に仁川港、平沢港、唐津港、群山港と中国の山東半島を結ぶカーフェリーが利用されていた。最近は特に平沢港と唐津港の利用が多く、山東省の日照、煙台、威海、江蘇省の連雲港を結ぶ4路線がある。各航路で約500人ずつ計2000人の行商人が活動し、一般的に韓中間を月に12回往復している。

全洙竜(チョン・スヨン)記者
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