小池氏の参謀を務める野田特別秘書

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 東京都議会で築地市場の豊洲移転問題を検証する百条委員会が11日から始まった。石原慎太郎元都知事(84)は20日に証人喚問されるが、小池百合子都知事(64)の提訴をにおわすなど徹底抗戦している。小池氏の政務特別秘書を務める“大番頭”の野田数氏(43)を直撃。訴訟も辞さない構えの石原氏との“ケンカ”にどう応えるのか?

 ――小池氏の都知事就任から7か月たった。「パンドラの箱を開けた」とも言われるが、改革の手応えは

 野田:情報公開を進めてきたことで、さまざまな問題が明らかになった。当然、都民にお知らせすべきことが隠されていたワケで、その最たるものが市場の移転問題でしょう。

 ――百条委に期待することは

 野田:石原元都知事や都議会自民党の上層部とのかかわりを議会がどこまで追及できるかにかかっている。豊洲市場を巡っては、盛り土がなかったとか、本来9回のモニタリング調査をするはずがその前に移転を決定していたとか、東京都は自ら作ったルールを自ら破ってきた。行政は決して無計画ではないのにそこまでして、移転を進めてきたのは何なのか? そもそも豊洲は市場として適切だったのか? とにかく不透明なことが多すぎる。

 ――石原氏は3日の会見、10日発売の月刊「文芸春秋」でも小池氏に真っ向から反論している

 野田:石原氏には昨年、ヒアリングしますとお伝えしたところ、「体調が悪い。文書なら答える」というので、質問状を送ったが、ほとんどが「記憶にない」「私は知らない」と無回答な内容でした。石原氏は「ゼロ回答は事実でない。一生懸命答えた」というが、責任ある回答といえるでしょうか。

 ――石原氏は「豊洲に移さない小池氏は不作為」と法的手続きまで示唆した

 野田:どうぞおやりください。3日の会見でも、時系列がデタラメで、すぐに内容を訂正したように準備もきちんとできていない。石原氏は週に1〜2回しか登庁しないといわれていたが、都民生活を守るための都知事として適切だったのか? 今、小池知事の下で働いていますが、ものすごく膨大な業務量です。週1〜2回でとてもできるものではない。他に丸投げしていた石原氏こそ不作為ではないでしょうか。百条委ではすべてを明らかにしてもらいたい。

 ――一方、都議会のドンこと自民党東京都連の内田茂前幹事長(77)は都議選不出馬を表明した

 野田:都議選には出ないが、政界からは引退しないという。もともと落選中も都連幹事長として、影響力を行使してきた人物ですから、都議であろうとなかろうとあまり関係ありませんね。

 ――自民党内には反内田派も現れている?

 野田:これまで自浄作用はなかったワケで、都議会自民党は都議会自民党ですよ。結局、ムラ社会的な都議会自民党及び東京都連の体質は脈々と引き継がれているんです。

 ――その意味でも、都議選は都政改革の正念場になる

 野田:これまでの都議会のあり方を都民がどう判断していただけるかですね。希望の塾(小池氏が主宰する政治塾)では、優秀な都庁の職員と政策論争ができ、条例案を自ら作れる人を擁立したい。議員が自ら質問するのは当たり前の話ですが、これまで特定会派(自民党)はすべて質問を都庁に丸投げしていた。もうそういうのは全く許されない時代だと思いますよ。