尾車部屋のホープ・藤川維吹「緊張しました」突き出しで白星スタート！

　◆大相撲春場所３日目（１４日・エディオンアリーナ大阪）

　大相撲春場所は１４日、エディオンアリーナ大阪で３日目を行い、前相撲で尾車部屋のホープ、藤川維吹（いぶき、１５）が琴佐藤（佐渡ヶ嶽）を突き出しで破り白星スタートを切った。

　落ち着いていた。立ち合いから突いて相手を見る余裕もあった。「勝てて良かったです。緊張しました。見る余裕？　いろいろやって引かれるのも嫌だったので」と振り返った。

　佐賀・川副中時代は全国中学校相撲選手権の個人戦でベスト１６に入るなど活躍したが、ターニングポイントは兄弟子・嘉風が地元の大分で開催した「嘉風相撲大会」に２年連続で出場したことだ。鋭い出足に嘉風が惚れ込み中学２年の時に声をかけられたという。明徳義塾高（高知）、希望ケ丘高（福岡）、熊本農高（熊本）の名門校からスカウトを受けたが、「自分で考えて（大相撲に）入ることを決めました」。

　１７２センチ、１２６キロと体は大きくないが、「５年で関取になりたいです。目標は嘉風関のようになることです」と夢は大きい。その大先輩には２度ほど胸を借りた。宿舎は３人部屋で嘉風の母校（日体大）の後輩・栄風と世話人の錦風と一緒。その栄風にもいろいろアドバイスを受けているという。新序出世（５日目と９日目）には佐賀から両親もエディオンアリーナを訪れるという。藤川の厳しい戦いが始まった。