稲田朋美防衛相は14日の閣議後の記者会見で、学校法人「森友学園」(大阪市)が起こした2004年の民事裁判に原告側の代理人弁護士として出廷していたとする一部報道について、事実関係を大筋で認めた。「夫(龍示氏)の都合がつかず、かわりに出廷したことがあるのではないかと推測はしている」と述べた。
一部報道によると、籠池泰典氏が理事長を務める森友学園が04年に大阪地裁に起こした訴訟で、稲田氏は第1回口頭弁論に出廷。裁判所作成の記録に稲田氏が出廷していたとする記述があったとされる。
稲田氏は「裁判所の記録なので偽造だとは考えられない」と指摘。「報道で初めて見た。確認はしたい」と述べ、自身で早急に調査する意向を表明した。
稲田氏は閣議後、安倍晋三首相と菅義偉官房長官と会い「現在、事実関係を調査中だ」と説明。菅氏は閣議後の記者会見で「個人的な活動に関するものだ。稲田氏の方から適切に説明される」と語った。
稲田氏は13日の参院予算委員会で森友学園の裁判への関与を否定していた。05年の別の裁判への関わりを問われた際に「事件を受任したことはない。裁判を行ったこともない」と述べていた。
国会答弁との食い違いについて会見では「記憶に基づき答弁していた」と弁明した。出廷が事実だと分かった場合の対応は「答弁との違いは訂正したい」と述べた。政治家としての進退を問われると「虚偽の答弁をしたことはない」とかわした。
問題の発端となった、森友学園に国有地が評価額より安く払い下げられた件については「何の関係もない」と改めて関わりを否定した。
民進党の山井和則国会対策委員長は14日午前の記者会見で「午後の与野党国対委員長会談の場で、改めて辞任を与党に求めたい」と述べた。