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【大相撲】

白鵬は連敗回避 あわや遅刻、ドタバタなんの

2017年3月14日 紙面から

◇春場所<2日目>

(13日・エディオン アリーナ大阪)

 4横綱は安泰だった。白鵬(32)=宮城野=が蒼国来を寄り切り、日馬富士(32)=伊勢ケ浜=は勢をはたき込み、ともに連敗を免れて初白星を挙げた。新横綱の稀勢の里(30)=田子ノ浦=は小結正代を押し出し、豪風を寄り切った鶴竜とともに2連勝。4横綱がそろって勝つのは26年ぶり。今場所から関脇に落ちた琴奨菊も貴ノ岩を寄り倒して2勝目を挙げた。

    ◇

 白鵬が支度部屋にいなかった。すでに十両の取組は終わり、西方力士の幕内土俵入りが始まっている。遅刻となれば一大事だ。周囲がざわつく中で、ようやく東の支度部屋に姿を現した。

 すぐさま着物を脱いで綱締めの準備に入る。幸運だったのは、この日は4番目の土俵入りだったこと。ギリギリで間に合い事なきをえた。といっても白鵬が悪いわけではない。原因は愛用の雪駄(せった)を保管している場所を関係者が忘れたため。

 初日は正代に痛い黒星を喫したばかり。2日目は初顔の蒼国来。初顔といえば初場所で荒鷲に敗れ、連勝が28で止まったばかり。重い空気が漂ったが、引きで墓穴を掘った初日とは違い、得意の右四つから攻めの相撲で寄り切った。

 取組直後の支度部屋では報道陣に背を向けた白鵬だが、勝つと違ってくるかと聞かれると「そんな感じだね」と口を開いた。ここからか、という質問にも「そう」と気合を入れる。

 場所前の出稽古で割れた右足の裏はテーピングでぶ厚く保護されていた。「場所前よりきょうのほうが痛い」と話す白鵬。それでも師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)は「帰りに顔を見たけど、気合の入った顔になってる。全然違う」とみる。

 5場所ぶりの優勝、魁皇が持つ歴代1位の通算1047勝へ足固めを狙う場所。八角理事長(元横綱北勝海)は「白鵬といえども、1つ勝つと違うんじゃない。千代の富士さんでも頭をつけて勝ちにいく姿を見てすごいと思った。37回優勝しても必死に勝ちにいっている」。白鵬の盛り返しを確信していた。 (岸本隆)

 

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