『ラ・ラ・ランド』『君の名は。』が大ヒットする社会の危うさ


『ラ・ラ・ランド』まだ観てないや。

この評論に町山さんまで噛みついているようだけど、完全に的外れだとは思わないの。
ていうか、なんかヒステリックだなぁ。

新海さんの魅力は、何よりミュージッククリップのような「画と音との対位法で主張する」映像作りであり、それは言わばゴダールの「ソニマージュ」とも呼応していると言ってもいいくらいで(画調も似ている気が)、それが今回も輝いていた、ということなのだから、無知でも否定的な評価でも何でもない。
『ほしのこえ』以来のファンとしては、これはむしろ当たり前の評価だ。

ただ、これは僕の立場から敢えて言わせてもらうが、先日の宇野さんとの対談で宇野さんが述べた通り、「震災というのは終わった出来事で、安心して泣けるものにしてあげますよ」という、結論としてその選択肢を選んでしまったというのが、どうしても納得がいかない。
これが『君の名は。』が映画論壇から放逐されてしまった、致命傷だと思っている。
「震災=国難」を「なかったこと」にしようとした『君の名は。』と、「戦争=国難」をしっかり、70年以上経った今でも日常レベルで受け止めている『この世界の片隅に』との、明らかな違いだと思う。

3.11を前に敢えて言うが、僕は震災を「なかったことにする」という被災地・被災者のメンタリティまで否定はしないけれど、それが前向きな選択肢だとは思っていない。


確かにスマホだなんだというのはちょっと、思いますけどね。
でも今や映像はスマホによる通勤・通学の暇つぶしになっているのも事実なので(だから配信会社は15分ドラマを大量生産していると聞いた。僕がその仕事をやろうとしてたから間違いない)、「無知」、とまで言えるのかな?とは思います。