元来クラシックは大好きだが、室内楽はあまり聴かなかった。
吹奏楽部の同期のチューバの男が室内楽大好きで、良くテープを貸してもらったが、あまり聴かなかった。
そして今回『薄暮』に選んだのが室内楽。
最近思い出したが、このちょっと前に、実写の企画開発でちょっと弦楽器を研究していたなぁ。
管楽器まみれで生きてきた中で、弦楽器に対する憧れは確かにあった。
そんな数少ない知識の中知ってたのがベートーヴェンの14番。
バーンスタイン=VPOの弦楽合奏版を聴いていたのだ。
因みにゴダールの『カルメンという名の女』でも演奏されています。
ヴァイオリンの先生にこの話をしたら「女子高生がするかしら・・・?」と訝しんでいたが、最近の女子高生はショスタコのカルテットまでこなしちゃうので、そんなに不自然な選曲ではないだろう。
ベートーヴェンの最晩年の作品なので、非常に内省的で、第一楽章から思索に耽っているようだ。
激しい中にも切なさや迷いのようなものまで見え隠れする。
福島を描くのだからもっと癒されるようなものを、とも考えたが、サッチンら福島に生きる少女達自身が奏でる音楽は、おそらくこうでなくてなならないのだろう、と思い、選曲した。
迷いながら、多くを語らず、進む。
第七楽章のモーツァルトに回帰したかのような透明感のある疾走はとても印象的だ。それでいてベートーヴェン本来のリズム感は忘れていない。
これは本当に名曲だねぇ。