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嶺北の観光客が前年割れ 新幹線金沢開業2年

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 北陸新幹線の金沢開業から、十四日で丸二年を迎える。県内各市町に取材した結果、嶺北地方の主要観光地の来訪者数は開業一年目に比べ、やや減少していることが分かった。ただ、各観光地とも金沢開業前を上回る客数は維持しており、新幹線の経済効果が一過性でないこともうかがわれる。

 開業一年目の二〇一五年(一月〜十二月)は、県内観光客数が嶺北地方の主要観光地で一〜五割伸びた。石川県境から近い観光地ほど関東方面の客が大きく増えた。

 だが、一六年(同)の観光客は、坂井市の東尋坊が2・6%減、永平寺町の大本山永平寺の参拝客数も3・4%減。あわら市のあわら温泉の宿泊客も4・7%減るなど前年には届かなかった。それでも東尋坊は二年連続で百四十万人台を達成し、金沢開業前より二十五万人多かった。

 JR西日本によると、北陸新幹線の開業二年目の利用者数(一六年三月十四日〜一七年二月二十八日)は八百二十九万五千人で、一年目の同時期より8%減少した。

 永平寺門前観光協会幹事の山口権悟さん(47)は「極端に悪くなってはいない。夏ごろには中部縦貫自動車道の永平寺大野道路の全線開通もあるし心配していない」と前向きだ。

 県外客に人気の県立恐竜博物館(勝山市)も一六年度(昨年四月〜今年二月末)の来館者数は前年同期より2・7%減った。竹内利寿館長(60)は「一昨年にあった秋の大型連休がなかったり、週末に台風が多かったことも影響した」と分析。一五年度に初達成した年間九十万人には手が届きそうな状況で「(開業効果の)波は止まっていない。新年度はもっとPRして百万人を目標にする」と話す。

 一方、丹南や嶺南地方の市町からは、観光客の増減に「新幹線の影響は特に感じられない」(越前市)などの声が聞かれる。越前市の一部観光地は、国の規制強化による団体バスツアーの減少で苦戦。敦賀市の気比神宮は昨年七月にイベントがあり、参拝者数が増えたという。

 (尾嶋隆宏)

◆早期開業条件に南回りを容認 与党委で副知事

 北陸新幹線京都−新大阪間について、石塚博英副知事は十三日の与党検討委員会で、早期開業などが見込まれることを条件に南回り案の採用を容認した。

 国土交通省の試算によると、工期は南回り、北回り両案ともに十五年となっているが、南回りは住宅地を通る。石塚副知事は「用地交渉の難航で工期が延びることのないよう願いたい」と述べつつ、工期十年以内への短縮を要望した。

 具体的にはルートの中心線測量などに二年、土木工事は一部を用地取得・埋蔵文化財調査と並行して進め三〜五年、設備工事・試運転に三年とのイメージを示した。

 さらに二〇一七年度以降に始まる詳細ルートと駅の調査、環境アセスメントを速やかに終えるよう訴えた。建設財源の確保についても検討を進め、三〇年度末の北海道新幹線札幌開業より早い全線開業を求めた。

 (山本洋児)

 

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