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【プロ野球】

<WBC>菅野で米行き王手だ 侍ジャパン、きょうキューバ戦

2017年3月14日 紙面から

キャッチボールで調整する菅野=東京ドームで(北田美和子撮影)

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 エース右腕が米国行きの切符をたぐり寄せる−。第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2次リーグE組(東京ドーム)で大会史上初のタイブレークにもつれ込んだオランダ戦から一夜明けた13日、4時間46分の死闘を制した日本代表は同球場で志願した13選手が練習した。勝てば2次リーグ突破に大きく近づく14日のキューバ戦に先発予定の菅野智之投手(27)は「昨日勝ったチームの勢いをもらって、できれば6回まで投げたい」と、80球の球数制限いっぱいまで全力投球する決意だ。 

 死闘を制した仲間の姿が目の奥に焼き付いている。「感動したし、勇気をもらった」というエース・菅野が、満を持して今大会2度目の先発に挑む。

 キューバはすでに1次リーグで1度下しているが、潜在能力は高く、消して侮れない相手だ。最も警戒するのは今大会3本塁打と好調の4番・デスパイネ。リーグが違うため、日本では1試合しか対戦がなく、3打数1安打だったが、実は大学時代に対戦している。

 菅野が東海大3年で出場した2010年世界大学選手権。予選リーグでキューバと対戦し、菅野は5番手として3イニング投げたが、日本は7−12で敗北。大会もキューバが優勝、日本は3位だった。だが、この時も4番だったデスパイネとの対戦が、菅野の名を一躍高めた。自己最速の157キロをマークし、最後は146キロの高速スライダーで空振り三振に打ち取った。

 「よく覚えている。デスパイネはすごい打者で、あの大会のMVPだった。でも結果は三振だったので、自分に悪いイメージはない」と振り返った。やる気と潜在能力を引き出してくれた強敵と、再び国際大会の大舞台で、互いに国を背負っての再戦に「今大会、いいところで一発が出ていて、集中力は計り知れないものがある。でも、その集中力を上回る準備をして、昨日の勝利の勢いをチームからもらって臨みたい」と武者震いだ。

 12日のオランダ戦では、9投手が投入された。連戦になる15日のイスラエル戦のためにも、エースとして長いイニングを投げ、少しでも中継ぎ陣を休ませたい気持ちがある。2次リーグの球数制限は80球。「最低でも5回は投げないといけないと思うし、できれば6回まで投げれば、チームの勝利もぐっと近づく」と自らに課したハードル。6イニングを投げきるとすれば、イニングあたり13球程度という厳しい条件だが「結果オーライ、泥くさくても抑えられればいい。大事なポジションを任された期待にこたえたい」。必ずやり遂げるという闘志が、その口ぶりからあふれていた。

  (竹村和佳子)

 

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