THAAD:中国がレーダー追加配備、韓半島と日本全域監視

探知距離3000㎞のOTHレーダー、内モンゴルに配備
THAADに強力報復の中国、自国では着々と監視体制構築

 韓半島(朝鮮半島)全域を監視するレーダーをすでに稼働させている中国がこのほど、韓国と日本の全域を監視できる探知半径3000キロのレーダーを追加で配備したことが分かった。「青年網」など複数の中国メディアが13日に報じた。中国は、北朝鮮だけを監視する韓米の終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備には強い報復を続けながら、自分たちはTHAADレーダーより探知距離がはるかに長いレーダーを配備しているわけだ。

 報道によると、中国は今年1月、内モンゴルに超地平線(OTH)レーダーを設置した。一般的なレーダーの電波は大気圏の電離層(空気のイオン層)を突き抜けていく。一方でOTHレーダーの電波(波長10-60メートル)は高さ100-450キロメートルの電離層で反射するため、丸い地表面に沿って地平線を超え、3000キロメートル先の目標物も探知することができる。つまりTHAADレーダー(探知距離800キロ)の3-4倍も強力なのだ。

 青年網によると、中国が新たに設置したレーダーは、日本の東京方向を向いており、北海道の一部を除く日本全域と、韓半島全体が探知範囲に含まれているという。OTHレーダーの電波は、一般のレーダーでは探知が困難なステルス機の探知にも有効だ。米国が山口県の米海兵隊岩国航空基地に配備した最新鋭のステルス戦闘機F35Bが中国の監視下に入るという分析も出ている。

 中国がOTHレーダーを設置したのは今回が2回目だ。最初のレーダーは湖北・河南・安徽の3省の境界が交わる地点に配備された。中国が2台のOTHレーダーを偵察衛星網と共に運用すれば、西太平洋の全ての地域を監視できる、と中国メディアは報じている。カナダの軍事評論紙「漢和ディフェンスレビュー」は最近「中国のOTHレーダーが最終的な連携試験稼働を実施している。中国軍司令部が自ら管理と運営を担当している」と報じた。

 中国は韓半島を含む北東アジアの軍事動向を監視するために、中国東北部の黒竜江省双鴨山市に探知距離5500キロメートルの新型レーダーを設置済みだ。韓国と海を挟んで向き合う山東省にも探知距離700キロメートルのS400対空ミサイルのレーダーを稼働させているという。

北京= 李吉星(イ・ギルソン)特派員
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