TSUTAYA展開の会社 徳間書店を傘下に入れる方針固める

TSUTAYA展開の会社 徳間書店を傘下に入れる方針固める
k10010910081_201703140510_201703140510.mp4
DVDレンタルや書籍販売などのTSUTAYAを展開する会社が、雑誌や書籍などを幅広く発行している徳間書店を傘下に入れる方針を固めました。
関係者によりますと、TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブは、子会社のカルチュア・エンタテインメントを通じて、「徳間書店」の議決権のある株式のおよそ96%を取得する方針を固めました。

カルチュア・コンビニエンス・クラブは、すでに子会社を通じて徳間書店の議決権のある株式のおよそ15%を持っていて、さらに保有する株式を議決権付きに転換するなどして、今月中にも徳間書店を傘下に入れることにしています。

徳間書店は週刊誌のアサヒ芸能や宮崎駿監督の作品で知られる、スタジオジブリが製作したアニメーション関連の書籍などを発行する出版社ですが、出版物の売り上げが落ち込む中、業績の低迷が続いていました。

一方、カルチュア・コンビニエンス・クラブは、これまでにも美術系の出版社などを傘下に収めてきました。

今回、徳間書店を傘下に入れることで、出版事業を強化し、そのコンテンツやノウハウを書店の店作りや電子書籍の配信などに活用する狙いがあるものと見られ、厳しい経営環境にある出版業界の新たな動きとして注目を集めそうです。

かつては映画会社やレコード会社も傘下

徳間書店は昭和29年に設立された出版社で、男性向けの週刊誌、アサヒ芸能やアニメーション関連のアニメージュなど、雑誌や書籍を発行しています。

かつては出版以外にも怪獣映画のガメラなどで知られる映画会社の大映やレコード会社を傘下に収め、エンターテインメントの分野で存在感を示していましたが、バブル崩壊後に経営が悪化し、映画や音楽事業からは撤退しています。

また、宮崎駿監督の数々の作品を製作した、スタジオジブリも徳間書店が主導して設立しましたが、平成17年には独立しました。

スマートフォンの普及などで、雑誌・書籍離れが進み、業績が低迷する中、このところは絵本や児童文学など、子ども向けの書籍の出版に力を入れていました。