【シリコンバレー=小川義也】米インテルは13日、先進運転支援システムのモービルアイ(イスラエル)を153億ドル(約1兆7500億円)で買収すると発表した。インテルは2016年7月にモービルアイ、独BMWの2社と自動運転車向けの車載コンピューターシステムの共同開発で提携している。買収によりモービルアイが取引を持つ完成車や部品メーカーとの関係を強化し、技術開発を加速する。
インテルはモービルアイを1株63.54ドルの現金で買い取る。10日の終値に34%のプレミアムを上乗せした。買収手続きは向こう9カ月以内の完了を見込む。
インテルとモービルアイ、BMWの3社はBMWの車両をベースにした完全自動運転車を開発中で、年内に公道を使った走行試験を始める計画。BMWは共同開発したシステムを搭載した車を21年に発売する方針を明らかにしている。
スマートフォン(スマホ)市場で米クアルコムの後じんを拝したインテルは、あらゆるものがネットにつながる「IoT」分野をパソコンやデータセンターに次ぐ事業の柱と位置づけている。とりわけ、自動車やIT(情報技術)各社が開発にしのぎを削る自動運転分野には力を入れている。
1月にはデジタル地図情報サービス大手の独ヒアに15%出資することを発表するなど、関連技術やサービスへの投資も積極的に進めている。