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【野口裕之の軍事情勢】
北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射は最短4月下旬か 金正恩氏の精神状態が焦点
側近の裏切りと斬首作戦に脅える正恩氏
米韓合同演習後、SEALsや米陸軍のグリーン・ベレーなど米軍の各種特殊作戦部隊や、彼らの潜入輸送プラットフォームである米空軍のMC-130J特殊作戦支援機などが居残っていれば、米韓軍事演習におけるプログラムの一つだった金委員長の排除を目的とする《斬首作戦》はもはや演習ではなく、実戦モードに入る。
しかし、AQAP戦闘員を相手に、十数人~40数人を殺害したものの、首魁は逃亡。SEALs側も下士官1人が戦死、少なくとも3人の負傷者を出した。国土が地下要塞化され、金委員長一族の専属護衛を担う護衛司令部だけで、重武装を含む12万人を抱える北朝鮮での斬首作戦の成功は、比較にならぬほど難度が高い。トランプ政権は、どの程度の「出血」までを許容できるか、シミュレーションを繰り返していようが、結論を出すまでの時間は極めて限られている。
ICBM発射の時と場所は、金委員長の精神状態とも密接に絡む。
韓国の国家情報院(国情院)は昨夏、韓国国会・情報委員会で、金委員長の体重が130キロとする分析結果を明らかにした。国情院によると、父の金正日総書記(1941~2011年)の国葬が挙行された2011年末以降、要職就任デビューを果たす2012年春までは「90キロだったが、2014年には120キロに、そして最近では130キロまで増えたと推定される」。高麗大学研究チームの調査(2015年)では、30代の男性脱北者の平均身長は166・5センチ、平均体重は62・8キロだった。身長171~175センチの金委員長の体重は、同世代の北朝鮮男性の2倍を超える。
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