とは言え。このような番組が企画されるなんて、10数年前には思いもよらなかったはず。かつてのプロレス界には“冬の時代”が訪れ、当時の世の興味は「PRIDE」や「HERO'S」といった格闘技イベントに注がれ気味であった。ちなみに今回の番組でナレーターを務めているのは、「PRIDE」&「K-1」煽りVにおけるナレーションが印象深い立木文彦氏である。
予想通り、アントニオ猪木が1位
現役・OBプロレスラー200人&ファン1万人を対象に「スゴイと思うプロレスラーは?」とアンケートを実施し、合計のポイント数でランキングを作成するというのがこの番組の企画趣旨。結果、以下のような順位が出来上がっている。
1位.アントニオ猪木
2位.ジャイアント馬場
3位.初代タイガーマスク
4位.オカダ・カズチカ
5位.力道山
6位.棚橋弘至
7位.ジャンボ鶴田
8位.獣神サンダー・ライガー
9位.三沢光晴
10位.スタン・ハンセン
11位.長州力
12位.武藤敬司
13位.小橋建太
14位.天龍源一郎
15位.ケニー・オメガ
16位.橋本真也
17位.蝶野正洋
18位.ハルク・ホーガン
19位.真壁刀義
20位.アンドレ・ザ・ジャイアント
……と、ここにランキングを掲載してはみたものの、言ってしまうと順番はあまり重要ではない。
猪木さんが1位を獲得することは初めから明白だったし、プロレス界に厳然と存在する“格”にも、そして新旧のバランスにも留意した、ある意味礼儀正しい並びになったのではないだろうか。(そういう意味で、ジャイアント馬場さんがご存命の時期にこのような番組を行うことは不可能)
長州―浜口の絆が、意表を突いてこぼれ落ちる
この番組で何が面白かったかというと、やはり歴史である。チラリと見せるプロレスラー(現役・OB含む)の表情から、選手同士の関係性が浮き彫りとなるのだ。
例えば、11位にランクインした長州力に向かってものすごい勢いで立ち上がり「力ちゃん!」と声を掛けたアニマル浜口。…
興味が無い人間にはハダカの男子の集まりでしかない、んだろうな。