世界で異例の大ヒットを果たした『お嬢さん』を観てきました。官能サスペンスです。エロいです。
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韓国映画、あまり馴染みはなかったのですが、いま世界で注目されている監督の作品だし、いい機会だから観に行こうという事で観てきました。
ナ・ホンジンの『哭声/コクソン』も凄く話題だよね。こっちも観たくなった。
ネタばれはほぼなしの方向で行きます。
全くなしというのは、難しいのです。
『お嬢さん』
本作は『このミステリーがすごい!』で第1位を獲得したサラ・ウォーターズの『荊の城』を映像化したもの。
カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ受賞『オールド・ボーイ』のパク・チャヌクが監督を務めた。
莫大な財産の相続権を持つ美しい令嬢・秀子、“伯爵”と呼ばれ秀子の財産を狙う詐欺師と秀子の侍女のスッキ、それぞれの思惑が入り乱れ、騙しあいと復讐が繰り広げられていく模様を描いた官能サスペンス。
3月3日に公開された本作は、成人指定でありながら全世界で大ヒットを飛ばしている。
韓国では成人映画(R19指定) のオープニング記録を更新し、また2016年の時点でアメリカ、フランスを合わせてすでに500万人以上を動員してスキャンダラスな大ヒット作となった。
賞レースではナショナル・ボード・オブ・レビュー賞で本年度 トップ5 外国語映画に選出されたのを皮切りに、全米映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞外国語映画賞などオスカー前哨戦の各州の批評家協会賞で外国語映画賞を総なめにし、すでに73ノミネート、33受賞を記録している(やばい笑)
あらすじ
舞台は1939 年日本統治下の朝鮮半島。
スラム街で詐欺グループに育てられた孤児の少女・スッキ(キム・テリ)は、 “伯爵”と呼ばれる詐欺師(ハ・ ジョンウ)と手を組み、美しい令嬢・秀子(キム・ミニ)の莫大な金額の相続権を狙うことに。
秀子は世間と隔絶した辺ぴな土地に建つ屋敷で日本文化を崇拝する支配的な叔父(チョ・ジヌン)とひっそりと暮らしており、スッキは秀子の侍女として彼女に近づき秀子と“伯爵”の仲立ちをするという計画だった。
計画は順調に進み、秀子は献身的なスッキに心を開き始め、お互い特別な感情を抱き始めるのだが…
真ん中が令嬢の秀子。
左の女の子が侍女のスッキ。
右の男性が秀子の財産を狙う伯爵。
左上のオッサンが秀子の叔父さんで超変態オヤジ。
予告映像
とりあえずこれだけでも観てみて。
感想
まずこの映画、エロすぎ。本当、監督変態だよ。
ただ、官能サスペンスとはよく言ったものでエロいだけじゃない。
サスペンスだね。その所以について書いていこうと思う。
本作は3部構成となっている。
まず一部は侍女のスッキの目線で描かれる。
そして二部は秀子の目線で物語の裏側が描かれ、そこで伏線も回収する。
つまりここで人物関係が明らかになり、全ての謎が解ける。
時系列的には、一部と二部は並行の時間軸で、三部はその先。
物語はエンディングと向かっていく。
この三部構成を用いた描き方、すごくいいなぁと思った。
時系列をバラバラにして回想を挟む、後出しジャンケンのようなオーシャンズシリーズとはまた違う、明確に線引きされて。
同じシーンでも全く別のシーンに見えるのが不思議だね。
原作はどのように描かれたのだろう。
そして三部、こうやって描かれるのかと。
どうなるのかハラハラしながら観た。
エロだけじゃないっす。
140分という少し長い映画だったけど、とても面白かった。
まあでもエロいんですよ。かなり。
主にキム・テリとキム・ミニの濡れ場なんです。
凄いっすよ。ほんと。ヘタなアダルトビデオより凄い。
個人的にスッキが秀子を入浴させているシーンが一番興奮しました。
秀子の尖った歯を研ぐために彼女の口の中に手を入れるスッキ。
秀子がね、もう恍惚とした表情で(少し酔っぱらった女の子が上目遣いで浮かべるトローンとしたような表情)スッキを見つめて、スッキも心の中でざわつくの。
あれ、変な性癖に目覚めそうでした。
マジで。よかった(笑)
そういった官能的なシーンがメインというわけでもなく、一番は複雑な人間関係に焦点が当てられて謎を紐解くところにある。
だからスケベじゃないあなたにもお勧めできる作品。
美術にもかなりこだわっていたようで、物語の作りこみ、半端じゃなかった。
本当に屋敷の不気味さが巧く演出されていた。
音楽もキレイだけど、なんか露骨すぎない?ってくらいシーンの様子を盛り立てようとしているような選曲でしたね。
という事でお嬢さん、よかったら劇場で観に行ってみたらどうでしょう。
お勧めですよ。
韓国映画中々良いです。
コクソン、観に行こうかなぁ。
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