（テレビ）「株式会社エイスが会社更生法を申請しました」。
（はな）
栄輔君の会社エイスが破綻しました
（栄輔）「無念であります」。
（テレビ）「岩佐社長は都内のホテルで事実上のエイス倒産を発表しました」。
そのニュースは世間を驚かせファッション業界の一つの時代の終わりを告げる象徴的な出来事となりました
（潔）更生法の枠組みの中でビジネスをやる能力はない。
それやったら…。
自己破産してゼロになるんや。
そっから自由に発想して一から始めるんや。
（栄輔）東京の家は引き払わななりません。
（潔）それやったらうちにいたらええ。
そやけど…。
栄輔。
頼ってくれ。
（さくら）栄輔さんどやった？
（すみれ）思ってたより元気やったよ。
潔さんもしばらくここにおったらええって言うてくれてたし…少しはホッとしたんやないかな。
（さくら）よかった…。
（健太郎）栄輔さんが自己破産か…。
（紀夫）時代に踊らされてしまったのやろう。
同じ経営者としてはひと事やない。
うちもこの事を教訓にして見直さなならん事や考えを新たにせなならん事もあると思うてる。
それはそうでしょうけど…。
・「『雨上がりの空に七色の虹が架かる』」・「ってそんなに単純じゃない」・「この夢想家でもそれくらい理解ってる」・「大量の防腐剤心の中に忍ばせる」・「晴れた時ばっかじゃない」・「湿った日が続いても腐らぬように」・「たとえば１００万回のうちたった一度ある奇跡」・「下を向いてばかりいたら見逃してしまうだろう」・「さぁ空に架かる虹を今日も信じ」・「歩き続けよう」・「優しすぎる嘘で涙を拭いたら」・「虹はもうそこにある」・「きっと虹はもうここにある」
（チャイム）・
（記者）野上さん「週刊毎報」です。
野上さんいるんでしょ！？エイスの岩佐栄輔さんについてお伺いしたい事があるんです！
（ノック）・
（記者）野上さん少しでいいんでお時間くれませんか？野上さん！
（ゆり）そやから知りませんて何べんも言うてるやないですか！迷惑なんでもう電話してこないで下さい。
失礼します。
・
（ゆり）はぁ〜もう！これで静かになったわ。
すんませんご迷惑をおかけして…。
（ゆり）謝らなくていいのよ。
栄輔君が悪い訳やないんやから。
わしも手伝います。
（ゆり）あ…。
そんな事されたら私のする事がなくなるから。
掃除洗濯料理くらいしかする事がないんやからね。
栄輔君はゆっくりしてて。
ん？あ…いや。
もったいないな思て。
あのゆりさんが…。
ああ…何年前の話よ。
何でですか？そういう生き方を選んだからやろねぇ。
子どもを産んで育てる。
家庭を一番に。
（チャイム）
（ゆり）は〜い。
（ゆり）ハロー。
（子どもたち）ハロー。
（ゆり）栄輔君。
私の生徒たち。
生徒…。
うん。
ご近所のお母さん方に頼まれて週に１回英語教えてるのよ。
はあ…。
（英語で）
（子どもたち）へぇ〜。
僕は黒豆。
黒豆。
甘いのばっかり！
昭和４８年の年が暮れ４９年が訪れました。
不景気は依然として続き…
皆さんもご存じかと思いますが昨年末株式会社エイスが破綻しました。
我が社のメリヤスはエイスが持っていた機械でしか作る事ができませんでしたが…。
（足立）機械はなんとか守りました。
ですが予想以上に経費がかかっちしまいまして…。
（良子）それはしかたないわ。
メリヤスはキアリスにとって一番大事なものやもの。
（紀夫）そうですね。
去年は健太郎君をはじめとする若手社員たちに奮闘してもらい新しい風を吹かしてもらいました。
もう少し見守りたいというのが本音ではありますが正直なところ縮小せざるをえないと思ってます。
中途半端に終わらせたくありません。
僕は守る事は停滞やないと思うてる。
健ちゃん大丈夫やろか…。
うん…。
ちゃんと考えて整理つけてくるんやないかな。
健ちゃんの事やものね。
（明美）そやね。
気持ちは分かるけどな。
（君枝）うん…。
最近パッとせえへんなぁ。
何か楽しい話とかないのかな？
（ラジオ「ゴッドファーザー愛のテーマ」）あっこの映画なかなかよかったで。
マフィアのおっちゃんがスパゲッティ作るところがうまそうなんや。
明美さん映画とかよく見るの？たまにな。
仕事帰りに。
へぇ〜。
（龍一）あっそういえばこないだ映画作る言うてたな。
あれどないなったんや？今はそれどころやないねぇ。
でもいつか作りたいねぇ。
映画にして残せたらいいよね。
そうね。
いつか作りたいわ。
（さくら）健ちゃんの志半ばの悔しい気持ちも分かるけど二度とチャンスがない訳やないやろうし待つしかないんやない？ただ自分の気持ちが追いつかないだけや。
僕には僕の夢があるから。
・
（紀夫）ただいま。
・ただいま。
ただいま。
（さくら）お帰り。
（健太郎）お帰りなさい。
（さくら）お帰り。
さくらごちそうさま。
健太郎君考えてきてもらえましたか？はい。
僕は…引きません。
どうにかふんばりたいんです。
これからのために。
やめる事を考えるんやなくどうしたら販売を拡大していけるかを…５年後やない。
１０年後２０年後３０年後を考えて決めるべきやと思います。
僕たちは君たちにバトンを渡したいと思うてる。
しっかりとしたバトンを…。
何か…何かな…。
何や？あっ映画を作ったらどうやろ？映画？「キアリスガイド」を映画にするの。
ああいいねぇ！うんうん！
（足立）それはいい考えやっち思います。
けんが今そこに使える経費は…。
自費ならええやろ。
（良子）ああ！私も出す。
私も！私も！
（中西）太っ腹や…。
健太郎君。
それが私たちがあなたたちへ渡すバトンよ。
ねっ？うん。
そのカメラマンさんって龍ちゃんのお友達なの？そう。
今大阪の制作会社にいてドラマとか撮ってるんやって。
ドラマ？へぇ〜龍ちゃんって顔広いのね。
龍。
（龍一）お〜来たか！
（勝二）いらっしゃい。
あの人が俺の友達。
ニューヨークで撮影しとった時に知り合うたカメラマンの亀田さんや。
プロやでプロ！本物の！
（良子）すごい！ニューヨークで撮影やって。
亀田さん亀田さん。
（亀田）キャメラマンの…キャメダです。
あ…キャメダ…？
（明美）キャメラマンのキャメダやって。
自費で映画を作りたいとお聞きしましたが…。
そうなんです。
まずどんな映画を作りたいんですか？明美さんの育児法を解説した本があるんです。
「キアリスガイド」といいます。
（亀田）なるほど。
これを映像化したい…？はい。
ん？ドラマ…。
あっドラマティックいうより今のお母さんたちや未来のお母さんたちに役立つような…。
それと私たちの思いのバトンを今の若い社員たちに引き継ぎたい思いもあります。
分かりました！熱い思いは映画の大好物です。
映画は脚本監督美術役者照明さんや音声さんそしてキャメラマンというチームで作られます。
キャメラマンは社長でどうじゃろか？それちょっと難しいですねぇ。
（中西）監督は？
（紀夫）監督？僕が？せっかくだからいいじゃないですか。
本気で言うてます？紀夫監督！かっこええなぁ。
やるの？やらへんの？やります。
（拍手）監督がふだん一番頼りにしてる人は誰ですか？そらタケちゃんや。
タケちゃんが助監督。
役者ですがこの場合主演は赤ちゃんですね。
（すみれ君枝）うちの孫で！もう〜。
（すみれ君枝）藍いいます！ちょっと〜。
はい主演は藍ちゃん！何ならお母さんにも一緒に出てもらいましょう。
あっそれから脚本なんですが…。
脚本は明美さんよね？えっ？そうよね。
だって映画にも詳しいしこれ全部明美さんの持ってる知識やもの。
いやいやちょっと待って。
詳しい言うても脚本って…ありえへんやろ！だってこれを作ったのは２０年以上も前よ。
時代とともに移り変わってる事もたくさんあると思う。
そやからやっぱり明美さんやないと。
はい脚本も決まり〜！
さあキアリスの映画作りスタートです
2017/03/13(月) 12:45〜13:00
ＮＨＫ総合１・神戸
連続テレビ小説 べっぴんさん（１３４）「光の射（さ）す方へ」[解][字][デ][再]
エイスが倒産し、栄輔（松下優也）は潔（高良健吾）とゆり（蓮佛美沙子）の元に身を寄せる。一方、すみれ（芳根京子）たちは映画版キアリスガイドを作ろうと動き始める。
詳細情報
番組内容
エイスが倒産し、家も仕事も失った栄輔（松下優也）は、潔（高良健吾）とゆり（蓮佛美沙子）の家に居候の身となっていた。一方、エイス倒産のニュースを受け、キアリス・社長の紀夫（永山絢斗）は、これまでの積極的な経営から、慎重な方向に舵を切ろうとしていた。しかし、開発宣伝部の部長となった健太郎（古川雄輝）はその方針に反対。議論が進まない中で、すみれ（芳根京子）が突然、「映画を作ろう」と提案する。
出演者
【出演】芳根京子，蓮佛美沙子，菅野美穂，谷村美月，百田夏菜子，土村芳，永山絢斗，田中要次，平岡祐太，松下優也，中島広稀，井頭愛海，古川雄輝，西岡徳馬，森永悠希
原作・脚本
【作】渡辺千穂
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード（ステレオ）
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード（ステレオ）
日本語（解説）
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