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香港トップが中国「国家指導者」職を兼務 異例の人事、影響力拡大狙いか 

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香港トップが中国「国家指導者」職を兼務 異例の人事、影響力拡大狙いか 

13日、北京の人民大会堂で習近平国家主席(右)と握手する香港政府トップの梁振英・行政長官(AP) 13日、北京の人民大会堂で習近平国家主席(右)と握手する香港政府トップの梁振英・行政長官(AP)

 【北京=西見由章】中国の北京で、全国人民代表大会(全人代=国会)と並行して開かれていた全国政治協商会議(政協)が13日、閉幕し、香港政府トップの梁振英・行政長官が現職のまま政協副主席に選出された。中国の「国家指導者」と称される政協副主席を香港行政長官が兼務するのは初めて。行政長官選が今月26日に迫る中、中国当局による香港政府への影響力拡大が狙いとみられる。

 1期目の梁氏は昨年、家族の問題を理由に行政長官選に出馬しない意向を示した。民主派デモの拡大や香港独立派の台頭を招き、親中派内での求心力にも欠ける梁氏を中国当局が更迭したとみられている。政協副主席は副首相級として扱われる名誉職で、中国側には更迭のイメージを払拭し、民主派の勢いを押さえ込む狙いもありそうだ。

 今回の構図は、初代行政長官を務めた董建華氏が2005年、2年余りの任期を残して辞任し、政協副主席に就任したときと似ている。董氏の辞任理由は健康上の問題だったが、当時の中国指導部は民主化要求の高まりを招いた董氏に不満を抱いていた。

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