美容皮膚科医に聞く! まぶたのたるみの原因と改善法
「あれ?目が小さくなった?」。まぶたのたるみは目を小さく見せてしまったり、老け顔に見せてしまったりと困りものです。一体、まぶたのたるみはなぜ起きるのか? また、その改善方法は? 皮膚のアンチエインジグや皮膚疾患に詳しく、美容皮膚科医としてタカミクリニックで診療を行っている山屋雅美先生にお話を伺いました。
なぜ、まぶたのたるみが起きるのでしょうか?
お顔の中でも老けポイントの一つである、まぶたのたるみ。目を小さく見せたり、お化粧がしにくくなったりとお困りの女性も少なくありません。
「まぶたは、基本的に他の皮膚と比べるととても薄く、まばたきなどでよく使う部分でもあるので、皮膚の老化が出やすい部分と言えます。まぶたを始め、皮膚の弾力を保っているのは、真皮層にあるコラーゲン繊維やエラスチンという成分。それらが老化することによって、皮膚の表面にたるみが出てきやすくなります」
「老化の原因は、例えば、コンタクトレンズの使用やアレルギーで目をこすりやすい方は、そうでない方に比べると摩擦、刺激によってコラーゲンが破壊され、弾力がなくなり、たるみが出てきます。セルフでもエステでも、強いマッサージでお肌をリフトアップするようなものは注意が必要。その時はコリが取れ、リンパが流れることでスッキリ感は出ますが、コラーゲンを壊す原因になっているので、後々たるむ原因になっていることも……。強すぎる施術は避けたほうがいいですね」
まぶたのたるみと、まぶたの薄さの関係は?
まぶたの皮膚が薄い人は目が窪んで見えてしまいます。まぶたの窪みもたるみと関連があるのでしょうか?
「若くても目の窪みが目立つ方は元々の骨格の影響が考えられますが、加齢によって脂肪が減ってくることで、まぶたが窪んでしまう方もいます。まぶたの皮膚にはコラーゲンの他に脂肪もありますが、脂肪は加齢とともに萎縮してギュッと小さくなってきます。脂肪の細胞数自体は変わりませんが、細胞が小さくなることでボリュームが減るために、窪んでしまいます。目が窪む、頬がこけると老け顔に見えてしまいます。加齢によるまぶたの窪みも、たるみの原因と同じと考えられます」
30代後半からまぶたの悩みが増える
「まぶた、目の周辺で悩まれていて、私の元にいらっしゃるのは、30代後半ごろの方が多いですね。目が見えにくくなる、まつげがビューラーで上がりにくくなるなどで気付かれる方も多いようです。また、ひどくなってくると目が疲れやすくなったり、まぶたの重みでものが見えにくくもなります。よく見ようとして目をグっと上げようとするとおでこに力を入れるので、おでこにシワが寄ってしまうことにもつながります」
「また、まぶたの裏にある、まぶたを上げ下げしている筋肉(眼瞼挙筋)や腱膜も老化とともに衰えていきます。眼瞼下垂と言って病的に扱われる症状ですが、ひどい場合はまぶたが半分くらい下がってきてしまい、見えない状態になります。高齢者に多く、保険適用で眼科で手術をすることになります」
まずは、自分でできるまぶたケアをしっかりと
しっかりと保湿すること
「肌のバリア機能が落ちてくると、乾燥し、小じわの原因にもなります。乾燥が深いところまで作用していけばコラーゲンの変性につながってしまいます」
まぶたもしっかり紫外線予防
「まぶたまでしっかり日焼け止めをすることが大切。まぶたは敏感なので塗るのを避けがちですし、化粧下地に入っているもので済ませてしまっている方も多いです。目元専用の日焼け止めや赤ちゃん用の日焼け止めなども上手に利用してみてください」
アイメイクのオフはやさしく
まつげメイクは控えめに
「まつげのエクステはアレルギーの原因にもなっている場合もなくもありません。痒くて寝ている間にこすってしまうこともあるので、少しでも違和感があれば避けた方がまぶたには良さそうです」
まぶたの血行をよくする
「クマでお悩みの方にもおすすめしていますが、ホットタオルと冷たいタオルを交互に乗せてあげると、目の疲れが取れ、血行を良くします。また、目の周りの痛気持ちいいところを軽く押して疲れを取るのもいいですね。ただし、押しすぎはNGです」
まぶたの皮膚が厚く、重力で下がってきてしまっている人や、セルフケアではどうにもならなそうな人は、専門のクリニックでの施術もおすすめです。
クリニックでできる施術
高周波をあてて、たるんだ肌を引き締める
まぶたのたるみは早めのケアが大切なようです。しかし、まぶたのたるみによって目が見えにくくなってきたなど、美容の範疇を超えたお悩みがあったら、美容皮膚科をはじめ、美容外科、形成外科などの専門医に相談してみることをおすすめします。
取材・文 飯田麻衣子
タカミクリニックの「サーマクールアイ」。
まぶたに直接アプローチできる