何気なく、「こうら」という絵本を手にした。
1億年前は象ほどの大きさのアルケロンという亀がいたらしい。恐竜は絶滅したが、亀が生き残った。その理由はこうらにあると著者は主張する。そして230種類も存在する亀の中から、驚きの進化を遂げたこうらの「くふう」について紹介が続く。
軽いこうら、泳ぎやすいこうら、岩場でふくらみひっぱりだせなくなるこうら、ぴったりと閉じるこうら、擬態するこうら。こうらの魅力がリアルなイラストと共に解説されている。タイトル通り「こうら」のオンパレードである。
その中で、魅了された見開きがある
22・23ページ、アフリカの砂漠に住むプサモバテスのこうらだ。
水たまりのない砂漠では、雨が降るとプサモバテスはいっせいに後ろ足をピンと伸ばし、こうらの後ろを持ち上げる。雨水はこうらのへりをつたって前方へ流れてくる。それを必死に受け止めて飲もうとする姿が絶妙にかわいいのだ。
彼ら彼女たちは生きるために必死なので、かわいいという表現はふさわしくないのかもしれない。しかし、かわいい。
思わずイラストを描いてしまった。
まとめ
「変化に対応する力」がないと生き残れないという。しかし、こうらに閉じこもる亀を見て、変化しないこともまた生き残る道なのではないかと思っていた。絵本「こうら」読んで、それは間違いだと理解した。亀はそれぞれの環境に応じて、こうらを進化させ生き残っていたのだ。
ずっといまのままでいいと思っていては朽ち果てていくだけである。適応しようと足掻くことで、道が拓けるようだ。
ダメで元々。やるだけやってみよう。え? ダメだったらどうするかって?
かめへん、かめへん。そのとき考えよう。