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【プロ野球】

<WBC>中田が延長11回V打 3回には史上初の3戦連発

2017年3月13日 紙面から

オランダ−日本 延長タイブレーク11回表1死二、三塁、中田が左前に勝ち越し2点打を放つ=東京ドームで(七森祐也撮影)

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◇2次リーグ 日本8−6オランダ

 タイブレークで、一番頼りになる男に好機が巡ってきた。延長11回1死二、三塁。中田が左前に運んで、ついに勝ち越し点が入った。

 鈴木から「バントするので後は頼みます」と言われ「先輩として意地でも打とうと思った」と殊勲打を振り返った。

 試合を動かしたのも、この主砲だった。打った瞬間、ベンチもスタンドも総立ち。中田のバットから放たれたアーチが、ジャンプした左翼手の頭上を超えフェンスギリギリに飛び込むと、歓声はもう一段階ヒートアップ。同点にされた直後の3回2死一、二塁、わずかに高くなったスライダーを見逃さず振り抜いた。WBCでの日本人の1大会3発は、2006年第1回大会の多村以来2人目で、3戦連発は初めて。「チャンスで点を取ることだけ考え、集中して打席に入った」と、喜びを爆発させて、仲間とハイタッチだ。

 オランダの先発・バンデンハークとは、決して相性が良くなかった。2年間パ・リーグで対戦してきたが、通算で18打数4安打、打率2割2分2厘で本塁打はゼロ。昨年は8打数1安打となかなか克服できていなかった。前日(11日)練習では「簡単に点を取れない試合になるのは分かっている。シーズンとWBCは別物。初対戦のつもりで、どんどん初球から打っていきたい」と話していたが、その積極姿勢で苦手意識を吹っ飛ばした。2回先頭の第1打席でも、左翼線への二塁打でチャンスをつくり、先制のホームも踏んでいた。

 宮崎での合宿や開幕前の強化試合などでは数字が出ず、不振を心配する声が上がっていたが、本人はつねに「感じは悪くない。本番前にバンバン打っても意味がない」と、雑音を受け流してきた。フリー打撃ではバットの角度や体の開きなどをころころ変えていたことも、外野の不安を募らせていたのかもしれない。

 だが、それは進化を求めるため、そして戻る場所があるからこその試行錯誤だった。本戦開幕直前に「いろいろやってみたけど、結局元の自分のフォームに戻す。試したこと自体はやってよかったと思う。失敗を怖がらず、積極的に振って行きたい。それが自分のスタイル」と宣言。強化試合の不振などどこ吹く風の活躍。試合ごとに中田の存在感は増すばかりだ。 (竹村和佳子)

 

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