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【首都スポ】

2016年1面を飾ったヒーロー 大学スポーツ新聞競演企画<第2弾>

2017年3月13日 紙面から

 本年度最後の大学スポーツ新聞競演企画「2016年度 わが大学スポーツ新聞 1面を飾ったヒーロー」第2弾は、東洋大「スポーツ東洋」と帝京大「帝京スポーツ」です。

◆陸上競技部・松永大介

 昨年のリオデジャネイロ五輪(以下、リオ五輪)の男子20キロ競歩で、日本人初となる7位入賞の快挙を果たした松永大介(工4=横浜)。初の五輪で偉業を達成し、競歩界において大注目の選手だ。

 松永の最大の持ち味は攻める歩きだ。リオ五輪の選考レースだった昨年2月の日本選手権競歩で、ゴールを目前にまさかの失格。ラストチャンスとなった全日本競歩能美大会。松永は持ち味を最大限に出し切った。終始ひるむことなく攻めの姿勢を貫き通し、代表の座を獲得したのだ。そして、リオ五輪でもそれはいかんなく発揮された。能美大会後に語った「ひるまず、臆せず前に」の言葉通り、世界の強豪相手にも積極的に仕掛けていった。メダルには届かなかったが、松永らしいレースを繰り広げた。

 また、リオ五輪の前に行われた関東学生陸上競技対校選手権大会(以下、関東インカレ)では、日の丸を背負う選手として他を寄せ付けない圧倒的な実力を示した。スタート直後から前へ出た松永は「予想以上に自分の体が動いてくれていた」と、スピードに乗りみるみるうちに後続を突き放していく。2位をも周回遅れにし、堂々の1位でゴール。1年時に表彰台を逃し悔しさを味わった大会で、見事3連覇を果たした。学生最後の関東インカレを終え、「東洋大に恩返しができたと思う」と笑顔で語った。

 東洋大の競歩部門を引っ張ってきたエースは五輪の舞台を経験し、さらに成長を遂げた。次は日本の競歩界のエースへ。2020年東京五輪でのメダル獲得を目標に掲げる松永。もちろん目指すメダルの色は、一際輝く金色だ。 (吉川実里)

◆筆者のひと言

<吉川実里(よしかわ・みのり、文学部2年)> 「初めて生で競歩を見たのが、大学1年時の全日本インカレでした。あの時、あれよあれよと、1万メートルをものすごいスピードで歩いてしまう選手に衝撃を受けました。テレビの画面越しでは分からなかったスピード感にとても驚きました。昨年、能美競歩で松永選手のリオ五輪が内定した瞬間に立ち会えたことは、たくさんの取材の中でも、とびっきりの思い出です」

◆駅伝競走部・竹下凱

 「自分にとって大きく成長できた年だった」。竹下凱(かい、医療2=常葉学園橘)は、昨年3月に行われた世界大学クロスカントリー選手権に出場した。70人中20位と満足のいく結果とはならなかったが、結果を残せなかった分、上を目指さなければならないという志を得た。

 6月の全日本大学駅伝選考会では、最終4組目で日本人2位となる個人5位を記録し、本戦出場に大きく貢献した。「自分がチームを引っ張っていく存在にならなければいけない」と語るように、この大会で主力としての責任感が生まれた。

 順調に三大駅伝を迎えられると思われたが、9月の上旬、北海道での合宿中に悲劇は起きた。右足中足骨の疲労骨折。練習で先頭に立ち、引っ張っていた疲れで支障をきたし、フォームが崩れ、良い動きができなくなっていた。このけがの影響で出雲駅伝にはメンバー入りできず、「チームに迷惑をかけてしまった」と悔しい思いをした。全日本大学駅伝には1区として出場するも区間12位に終わり、完全復活とまでは至らなかった。

 全日本大学駅伝で良い流れをつくれなかった悔しさを胸に、臨んだ今年の箱根駅伝。1区を任され、残り1キロで離されながらも、区間7位の好順位でたすきをつないだ。全日本大学駅伝の借りを返す快走に思われたが「残り1キロで差を広げられてしまったので、好走とまでは思ってない」と満足していない様子だ。その姿に新主将の小手川智紀(医療3=純真)も「今年も高い意識を持って頑張ってほしい」と期待を寄せる。真のエースとして、どこまで成長を続けるのか。今後も竹下から目が離せない。 (中村和也)

◆筆者のひと言

<中村和也(なかむら・かずや、文学部1年)> 「駅伝競走部を取材し始めてから約1年がたつ。まだまだ未熟な点が多いが、選手たちが覚悟を持って競技に打ち込んでいる以上、私も覚悟を持って取材をし、記事を書いていかなければならない。それが、駅伝競走部に対する最大の敬意だと考えている。これからも最高の瞬間に立ち会えることを信じ、応援し続ける」

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 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。

 

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