県民健康調査で行われている甲状腺検査で、これまで100人を超える方が甲状腺がん、あるいはがんの疑いと診断されたということですが、これはやはり事故の影響なのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大原爆後障害医療研究所教授 高村昇さん

■年齢的に影響考えにくい

 県民健康調査では、甲状腺検査として事故当時0歳から18歳だった方、さらに事故当時お母さんのおなかの中にいた方を対象に、甲状腺の超音波検査を実施しています。現在までに先行検査と最初の本格検査が終了していますが、これまでに先行検査では116人、最初の本格検査では68人、合わせて184人の方が甲状腺がん、あるいはがん疑い、と診断されています。
 問題は、これまで見つかっている事故による放射線被ばくと甲状腺がんに因果関係があるかどうかですが、これまでのところ被ばくによってがんが増加したとは考えにくい状況です。その理由のひとつは甲状腺がんと診断された方の事故当時の年齢です。一般的に放射線被ばくによって起こるがんは被ばく時年齢が若い世代に、よりリスクが大きくなることが分かっています。
 チェルノブイリ原発事故では、事故の4~5年後から、事故当時0歳から5歳だった世代を中心に小児甲状腺がんが多発したことが分かっています。一方で、福島ではこれまでのところ事故当時0歳から5歳だった世代での甲状腺がんはほとんどみられず、事故当時の年齢が高い世代に比較的多くみられています。
 このことから、県民健康調査で発見された甲状腺がんは、これまで行っていなかった超音波検査を行うことによって見つかったものであると考えられます。今後も放射線被ばくと甲状腺がんとの因果関係に着目して、フォローアップしていく必要があると考えられます。

http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2017/03/post_14852.html
  • このエントリーのカテゴリ : 被爆
 東京電力福島第1原発事故後、国が進めてきた除染の当初計画が3月末でひとまず終わる。この6年で除染と放射性物質の自然減により放射線量は低減したが、除染後も局所的に線量が高い場所があることや、残された除染廃棄物の処理など課題は残る。国は来年度、これまで手付かずだった帰還困難区域の除染に乗り出すが、住民にとって終わりは見通せていない。

国主導、今月末で区切り フォロー進まず不安も
 国直轄の除染は帰還困難区域を除き、避難指示の出た福島県内11市町村で環境省が実施してきた。それ以外の毎時0・23マイクロシーベルト以上の地域では市町村による除染が行われている。国の除染は当初、2014年3月に終了予定だったが、汚染土の仮置き場の整備の遅れなどから今年度末まで延期された。環境省は3月末で除染を終え、各地の仮置き場に置かれている汚染土などを中間貯蔵施設に運び出し、仮置き場を原状回復する業務に軸足を移したい考えだ。

 国が除染を受け持った地域では、住民の帰還に向けて線量が十分に下がらない場合の再除染(フォローアップ除染)が行われるが、市町村が担当する地域ではなかなか再除染が認められず、地元では不安の声が上がる。

 国が除染する11市町村以外で再除染が行われたのは、相馬市の9件にとどまる。同市は30件程度が該当するとみていたが、環境省が住民の個人線量計で測定する被ばくが年間1ミリシーベルトを上回ることを再除染の基準としたため、絞り込まれた。

 相馬市の担当者は「森林は線量が高く、将来も影響がないと言えるのかどうか分からない不安がある。除染を終わりにせず、フォローアップ除染も使いやすい制度にしてもらいたい」と訴える。

http://mainichi.jp/articles/20170307/org/00m/040/006000c
 東京電力福島第一原発の廃炉作業の在り方を検討する原子力規制委員会特定原子力施設監視・評価検討会をまとめる更田豊志委員(59)は福島民報社のインタビューに応じた。東電福島第一原発1~4号機建屋周囲の地盤を凍らせる汚染水対策「凍土遮水壁」について、山側の残り1カ所の凍結開始は早くても夏以降になるとの考えを示した。
 -東電福島第一原発の廃炉作業の進捗(しんちょく)をどのように受け止めているか。
 「原発構内の作業環境が改善され、計画に沿った廃炉作業を進められるようになってきた。溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しを視野に入れられる段階にはないが、海側トレンチ内にたまっていた高濃度汚染水の除去が終わるなど、放射性物質を原発構外に流出させないための対策は確実に進展している」
 -凍土壁の今後の運用見通しは。
 「山側で未凍結だった5カ所のうち4カ所は3日に凍結作業が始まった。凍結が進まない箇所にはセメント系の材料を注入する追加工事を許可する方向だ。最後の1カ所の凍結開始時期は早くても夏ごろになる。ただ、先行凍結させる4カ所の遮水効果などを見極めて判断するので、残り1カ所の凍結開始は秋以降にずれ込む可能性もある」
 -凍土壁の効果を疑問視する声がある。
 「地下水対策はあくまでも建屋周囲の井戸『サブドレン』からのくみ上げがメインと考えている。重層的な対策として、凍土壁の効果が発揮されればいい。一方、凍土壁の凍結で地下水がせき止められ、建屋外の地下水位が下がって建屋内の汚染水位と逆転し、滞留水が漏れだすことは避けなければならない。東電に慎重な作業を求めている」
 -原発事故で損傷した2号機で格納容器内部の調査が行われた。
 「ロボットは圧力容器直下までたどり着けず、期待通りとはいかなかった。だが、一連の作業で圧力容器下部の画像を撮影できた。格納容器内にカメラなどを入れる作業すら困難な中、原発事故から6年で撮影できた点は東電を評価したい」
 -内部調査で極めて高い放線線量が推定され、海外では建屋周囲の線量データが上昇したと誤解を与える報道があった。
 「炉内の空間放射線量が高いのは当然だ。東電は、毎時1000シーベルト以上の線量も推定されるが、外部には影響がないと作業前に丁寧に説明しておくべきだった」

http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2017/03/post_14809.html
 水揚げの少ない本県沖魚介類12種の出荷制限解除の見通しが立たず漁業者から不満の声が上がる中、水産庁は解除要件の見直しが可能かどうか検討に入った。担当者は「漁獲量が少ない現状を踏まえれば柔軟な対応も考えなければならない」と話す。あくまで現行の要件での解除が基本だが、放射性物質検査に必要な検体が十分に集まらない種に限って「『例外』もあり得る」との見解だ。

 具体的には、制限対象種と同じ「属」に分類される魚種の検査結果を制限対象種に当てはめ、解除の判断材料とする案が浮上している。例えば、ムラソイはメバル属に分類されるため、メバル属の他種のセシウム濃度が食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を下回っているかどうかを調べ、結果を基にムラソイの解除の可否を判断する流れを想定している。
 水産庁などによると、同じ属であれば体の構造や好む餌、生息環境が似ていることが多い。魚介類がセシウムを体内に取り込んだり排出したりする機能も似ており、両種に含まれるセシウム濃度を同程度とみなせる可能性があるという。
 一方、同じ属の種でも回帰時期が異なる場合は餌や生態が異なるとされる。両種のセシウム濃度を同程度とみなすためにはさらなる根拠が必要となり、今後の検討課題になるとみている。
 水産庁は今後、出荷制限解除の可否を判断している厚生労働省と要件の見直しについて協議する考えを示す。
 ただ、厚労省は見直しに慎重な姿勢を示しており、解除の先行きは見通せない。一部種の要件を緩和することで、既に解除した他種を含む県産魚介類全体に対する消費者の信頼度が低下し、安全・安心感を損なうリスクを指摘する。担当者はまだ水産庁から話はないとした上で「見直し案の内容次第だが、現時点では何ともいえない」と明言を避ける。
 厚労省が出荷制限解除の可否を判断しているのは食の安全性の担保を管轄しているためだが、県に制限や解除の指示を出すのは農林水産、厚労両大臣など関係閣僚らで構成している政府の原子力災害対策本部だ。対策本部事務局の担当者は「出荷制限の解除に関する内容は厚労省の管轄のため回答できない」との立場を取る。どういう判断で制限が解除になるのかは県にも知らされておらず、解除を決める流れはブラックボックス状態とも言える。
 県内の漁業者の一人は「解除要件が見直され制限対象種が減っても、消費者の信頼を失えばこれまでの努力が水の泡になる。しかし、現状のままでは完全に解除となるのはいつになるか分からない」と本格操業に向けて揺れる心境を明かした。

http://www.minpo.jp/news/detail/2017030539528
 県産果物をテーマに東日本大震災からの復興を目指す「ふくしま・フルーツサンクスプロジェクト」(会長・林克重タカラ印刷社長)の成果発表交流会は26日、東京都中央区の銀座紙パルプ会館で開かれた。
 県内の果樹農家や銀座のバーテンダー、東京に避難している浪江町民ら約50人が参加した。林会長が「銀座のバーテンダーの協力で、福島の果物の魅力を発信できた。次年度は各国の大使館に福島の果物の安全性、おいしさを売り込み、世界中で食べてもらいたい」と決意を語った。
 交流会では銀座のバー「Ginza Zenith(ギンザ ゼニス)」「BAR保志」のバーテンダーによる県産リンゴ、イチゴを使ったカクテルで乾杯した。参加者はいかにんじんなどの郷土料理やドライフルーツ、あんぽ柿などを味わいながら、今年度の取り組みを振り返った。
 プロジェクトは今年度で2年目。銀座のバーテンダーと果樹農家の交流を図り、県内の果樹園視察、バーで提供する酒類に合うドライフルーツ商品の開発、県産果物の魅力発信などに取り組んだ。

http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2017/02/post_14780.html
 「操業までの一番の課題は働き手の確保だ」。楢葉町に太陽光発電パネルの生産工場を新設するアンフィニ(本社・大阪市)は県内で初めての採用活動に会社を挙げて取り組んだ。
 被災地の復興に再生可能エネルギー事業で貢献するという理想を掲げ、東京電力福島第一原発事故による避難指示が平成27年9月に解除された楢葉に進出した。事業費の最大4分の3を国が支援する「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金」が適用されるのも魅力だった。28年9月に町と立地協定を結び、総工費75億円で建屋を着工、5月に稼働を迎える。
 昨年9月から募集を本格化させた。「大阪資本の会社に人が集まるのか」。執行役員製造部長の中嶋誠ら採用を担当するスタッフの懸念は大きかった。

 管理職や作業人員、事務職の求人を職業安定所に提出し、いわき、郡山両市などで説明会を開いた。新聞の折り込み、テレビCM、採用専用のホームページ...。あらゆる媒体で認知度アップに努めた。合同企業面接会では自社ブースの「見せ方」にも気を配った。新規採用者60人を目標としていたが、2月までに何とか約70人を内定した。採用担当者は「太陽光という事業の将来性や製品の魅力を理解してもらえた」と分析するが、次の募集時に希望者が集まる確証はない。
 採用希望者とのやりとりで今後の課題が垣間見えた。買い物先や飲食店の有無、通勤時に渋滞はあるかなど、工場周辺の生活環境に関する不安が多かった。
 「工場の近くにはまだ終業後に立ち寄れる場がない。周辺環境が整わないままでは勤続意欲に影響しかねない」。従業員の就業を定着させる上で「まち機能の再生」が進んでいない原発事故の被災地特有の事情に不安を覚えた。

 県によると、震災と原発事故後に制度化された、工場の新増設や設備投資などを対象とする国、県の3種類の補助制度の採択件数は計約670件に上る。いずれも地元からの「従業員の新規雇用」を補助要件に入れており、全ての計画が実現すれば雇用者数は約8500人に上る。このうち約260件は2月現在で事業完了に至っていない。人員確保が要因になっている社もある。
 相双地方の製造業の求人倍率は高止まりしたままだ。補助制度を活用し進出した企業は地元との「コネ」がない。中嶋は求職者を増やすためには進出企業の増加に呼応した生活環境整備を加速させる仕組みづくりを国に望んでいる。

http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2017/03/post_14790.html
  • このエントリーのカテゴリ : 被爆
 現在避難している町村では特例宿泊や準備宿泊が行われていますが、宿泊している住民の中には年間1ミリシーベルトを超えるような線量の方もいると聞きました。今後帰還しても大丈夫なのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大原爆後障害医療研究所教授 高村昇さん

■がんリスク増加100ミリシーベルト超

 現在も避難を続けている自治体の避難解除準備区域と居住制限区域において、除染が完了した地域を中心に住民の特例宿泊や準備宿泊が行われています。一方で、宿泊されている住民の方に貸し出された個人被ばく線量計を解析すると、年間当たり1ミリシーベルトを超える線量に相当するケースもあります。
 国際放射線防護委員会(ICRP)は、「平常時における一般公衆の線量限度を年間1ミリシーベルト以内とすること」と勧告しています。その一方でICRPは東京電力福島第一原発事故のような放射線災害が発生した際には「年間100~20ミリシーベルトの範囲のなるべく低いレベルの被ばく線量で抑える」こと、いったん災害が収束した後には「年間20~1ミリシーベルトの範囲で徐々に被ばく線量を下げていく」ことを勧告しています。
 これは、100ミリシーベルトを上回る被ばくでは、がんの発症リスクが増加するということを踏まえた上で、事故が継続している際にはそれをなるべく下回る被ばく線量になるように、その後の復旧期では除染等を行うことで徐々に被ばく線量を平常時のレベルに戻していくように、ということです。
 1ミリシーベルトというのは平時に放射線から身を守るための防護の基準であって、これを超えたら健康影響が見られるというものではありません。特例宿泊や準備宿泊の際に線量計を装着された際には、線量の結果とその意味を自治体の担当窓口等で聞かれるとよいと思います。

http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2017/03/post_14791.html
  • このエントリーのカテゴリ : 被爆

「東京は危険」、「東京は放射能汚染されている」と書いて信じてくれる人はどれだけいるだろうか。東京江戸川放射線のメインテーマは東京・首都圏の放射能汚染の実態。御用マスコミの裏に隠された汚染状況、独自調査による画像・動画も掲載。


 

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Author:東京江戸川放射線
2011年3月の原発事故時、放射能プルームで被爆。江戸川区の自宅周辺の放射能を測定。測定した結果、放射能汚染が酷いことが判明。妻子は3月より大分県別府市に移住。私も2012年5月末に東京の民間企業を退職し家族と合流。

 

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