多くの人がいずれは親の介護をするんだろうと、何となくは考えていると思います。
また介護が大変だということも、どこかで聞いたことはあると思います。
しかし親の介護状態や家族の状況にもよりますが、介護というのは今あなたが想像している何十倍、何百倍も大変です。
下手をすれば、親の介護により人生が狂うというケースもあります。
実際、親の介護により結婚ができなかった、仕事を失ったという人が沢山います。
ここでは親の介護により人生を狂わせないために知っておくべきことを解説します。
あなたはまだ介護の本当のツラさを知らない
親の介護で人生が狂うなんておおげさに感じるかもしれません。
以下の引用はYahoo!知恵袋に掲載されていた文章です。
この方以外にも、親の介護によってかなり精神的に追い詰められている方が多く見受けられました。
親の介護のせいで、自分の人生滅茶苦茶です。
親の介護は、民法で義務とされていますがなぜですか?
自分のケツくらい自分でふくのが常識ではないですか?
それができないのなら、死ぬのが当然でしょう?
親の介護をする身内は30代の自分しかいません。
海外勤務の話があったのですが、介護があるので行けませんでした。
多額の金がかかるので、子供の教育費も満足に出してやることができません。
ホント、金はかかるわ、仕事はできないわ・・
親の介護のせいで、自分の人生滅茶苦茶です。
なんで、老後の金を貯めてこなかったんだ!!
老後の事考えてこなかったんだから、もうこの世から消えてなくなれ!
っていつも思ってます。引用:Yahoo!知恵袋
また介護独身という本があるのですが、そちらでも
・親の介護により仕事を失った
・結婚予定の相手がいたが、親の介護問題により破談となった
・一度親の介護のために退職したが再就職先が見つからない
といった介護者の実話が書かれています。
このように親の介護により人生が狂ったと言わざるを得ない人がいるのです。
親の介護で人生が狂う4つの原因
なぜ親の介護により人生が狂うのでしょうか?
その原因として4つ挙げられます。
体力的な疲弊
看護師やヘルパーさんに腰痛もちが多いのですが、一人で大の大人を抱えて車いすにうつしたり、着替えを行うなど介護というのはかなり肉体労働です。
また認知症で徘徊が多い場合は目が離せませんし、昼夜問わずに大声で叫ばれるとうるさくてまともに睡眠の確保も出来ません。
そのため慢性的な寝不足にもなります。
他にも何度も失禁を繰り返す場合は、掃除をしても掃除をしても家を汚されます。
そのため体力的にかなり疲弊します。
精神的な疲弊
自分の親が一人でトイレに行けなくなった。
認知症で便をなじっていた。
このような行為は子どもからすると大変ショックです。
なかなか受け入れられるものではありません。
また何度も同じことを聞いてくる、何度もトイレを失敗する。
これらも精神的な負担となります。
人のお世話による精神的なストレスでいうと育児ストレスも共通する部分があるかもしれませんが、介護による精神的ストレスは育児ストレスよりも大きいと考えられます。
なぜかというと「希望」がないからです。
育児の場合は大変ですが、その中に子どもの成長が見られます。
その成長を実感することで、大変な中にも喜びを感じられます。
しかし介護は成長するとか良くなるということがありません。
一時的に症状が緩和することがあっても、基本的には衰えていくのが普通です。
そのため介護の中で喜びや達成感を感じにくいので、育児以上のストレスがかかると考えられます。
金銭的な悩み
介護は何かとお金がかかります。
介護保険などを利用した介護サービスもありますが、1割は自己負担となります。
施設に入る場合、特別養護老人ホームは安いと言われますが、それでも月に7万円近くかかります。
自宅で介護する場合でもデイサービスに通ったり、訪問介護などを利用する場合はお金がかかります。
親の年金でまかなえる場合や、貯金をしていた場合は問題ないのですが、介護者が介護費用を負担しなければならなくなると金銭的な悩みも出てきます。
加えて介護のために休職していたり、最悪退職していたりする場合は金銭的な悩みはより深刻なものとなります。
人間関係の悪化
介護により夫婦仲や兄弟仲に亀裂が入る場合があります。
嫁が夫の両親を介護する際に、夫が嫁に介護を任せきりにしている場合は特に要注意です。
育児中でも育児に協力的でないという理由から夫婦仲が冷める夫婦が多いのに、ましてや血のつながりもない夫の親の介護を丸投げされてはたまったものではありません。
姑からいじめられていた嫁ならなおさら、夫の親の介護などまっぴらなはずです。
そこに気付かず、親の介護は嫁の仕事だと言わんばかりに丸投げしていると、離婚にいたる可能性も多いにあります。
独身の人で交際相手がいる場合、親の介護を理解してくれるかどうかは大きな壁となります。
結婚していきなり配偶者の介護をするというのは、かなり勇気のいることです。
また介護者からしても、配偶者に気兼ねしてしまう点でもあり、結婚の話が破談になる場合があります。
血のつながった兄弟でも
「仕事が忙しいから」
「子どもが小さいから手伝いにいけない」
といって介護を一人の家族に押し付ける人がいます。
介護だけでなく
「子どもの学費がかかって大変なの」
といって経済的な協力もしないという話をよく聞きます。
それどころか「親の介護は長男の仕事でしょ」と当たり前のように丸投げする人もいます。
全く協力しないくせに「もっとこうしてあげないと可哀想」と口出しだけ一人前にしてくる人もいるでしょう。
兄弟がそのような態度をとることで兄弟仲が悪化する場合があります。
そして親が亡くなった後、相続でももめる場合が多いのです。
法律上では相続は兄弟で等分です。
しかし介護のために仕事もやめて、自分の貯金からも親の介護費を出して介護をしてきたのに、他の兄弟が当たり前のように「相続は等分だ」などと言い出したら、介護をしてきたものからすると受け入れがたいものです。
そのため親の死後、相続でもめて絶縁状態になるという兄弟も少なくありません。
親の介護で人生を狂わせないための5つの鉄則
親の介護から様々な弊害が出てきて、どのように人生が狂ってくるのかイメージができたでしょうか。
そうならないためにも、事前に少しでも多くの情報を知っていることが大切となります。
また親が元気なうちに兄弟間や夫婦間で介護について色々考えておくというのも、大切になってくると考えられます。
ここでは介護によって人生を狂わせないための5つの鉄則を説明します。
メインの介護者は決めるがみんなで協力する
親が入院した時に医師の説明を聞く人、施設に入所する際に手続きをする人などが毎回異なってくると「誰がこの話を聞いたの?」「この手続きはもう終わっているの?」とかえってトラブルの原因になります。
そのため介護をする場合、主となる人を決めるようにしましょう。
しかしメインになるからといって、介護を押し付けるという意味ではありません。
医師やケアマネからの説明をメインで聞いて、そこからの具体的な行動をみんなに振り分ける人という意味です。
またその時にはみんなで協力するようにしましょう。
・「子どもが小さくて大変だから」
・「仕事が今忙しいから」
・「私は遠方に住んでいるから」
という理由で介護を丸投げするのはやめましょう。
みんなそれぞれ事情を抱えています。
だからこそ協力する必要があるのです。
・連休に実家に帰って介護を手伝う。
・直接介護に関われなくても、介護者の相談にのる
・認知症の対応法や介護サービスについて調べて情報提供する
など協力の方法は色々あります。
1人に介護を押し付けて、その人の人生を狂わせることのないように家族みんなで一致団結して介護をしましょう。
また介護をみんなでする上で厄介になるのが、口だけ偉そうに言って何もしない人です。
特に延命治療について話し合う場合に、かなり周囲を振り回します。
例えば延命治療をしない方向で話がまとまりかけている時に
「延命しないってそれ見殺しと一緒よ。可哀想」
「お母さんはそんなこと望んでいるの?」
といった発言をしてきたとします。
そのような言い方をされると、介護者としては自分が責められているような気分になります。
そのため発言力のある人の意見に従い、延命をしたものの重度の介護状態になってしまったというケースがあります。
しかし口出しした本人は介護に関しては無関心。
口出しはするけど何もしないという人は、あらゆるところで見受けられます。
自分がするわけじゃないから何とでもいえるのでしょう。
このような行為は介護者にかなりの負担をかけます。
なので自分が介護をしない人は、余計な口出しは控えましょう。
情報提供と口出しの違いは、介護者の負担を軽くするという視点にたてているかどうかです。
介護者の苦労を顧みず、自分の主観で意見するのは口出しだと心得ましょう。
また介護する側も何もしない人間が「もっとこうしなきゃ」と口出ししてきたら「そう思うなら、あんたがしいや」といってしまいましょう。
きっとその人は何も言ってこなくなるはずです。
直接介護ができない人はお金を出す
物理的に親の介護に協力できないという場合ももちろんあるかと思います。
そのような場合は、必ず介護をしている人に感謝の言葉を伝えましょう。
介護者は自分のプライベートを犠牲にして、自分の分の介護もしてくれているのだということを忘れずに。
そして気持ちとしてお金を仕送りするようにしましょう。
介護にはお金がかかります。
また介護のために介護者が休業・退職している場合もあります。
そのような時に仕送りがあるととても助かるはずです。
親の状況をみんなで共有しておく
直接親の状況を見ていない人からすると、介護の大変さは分からないものです。
加えて親の状態まで知らなければ、もっと理解をしてもらうことは難しくなります。
そのため親の状態はみんなで共有するようにしましょう。
・医師からどのように言われているのか。
・認知症の症状がどの程度進行しているのか。
・どの介護サービスにいくらかかっているのか。
こまめな情報共有を心掛けましょう。
介護休暇について知っておく
今親の介護のために退職する介護離職が増えています。
しかし40~50代で一度退職すると、再就職は本当に困難となります。
現在は育児・介護休業法もあり、介護を目的として休みを取得することが出来ます。
この制度を知っているだけで介護離職を回避することができます。
介護休業とは育児・介護休業法という法律に盛り込まれており、2週間以上にわたって常時介護を要する場合、要介護者1人につき、常時介護を必要とするごとに1回の介護休業を取得できます。
休業期間は1回の介護休業につき通算して93日です。
要介護者が一旦回復後、再び常時介護が必要になった場合は2回目、3回目と介護休業を取得することができます。
要介護者として対象となるのは
・配偶者
・両親
・子
・配偶者の両親
・同居し扶養している祖父母、兄弟
です。
これらの人が介護状態になった場合は、介護休業を取得の対象となります。
しかし以下の場合は介護休業取得の対象外となります。
・雇用期間が1年未満である。
・介護休業開始日から93日以内に契約が切れる。
・出勤回数が週に2日以下である。
これらの条件に当てはまらなければ、パートや契約社員なども介護休業取得の対象となります。
介護休業は本人の申し出により取得できます。
介護休業開始の希望日より2週間前に届け出る必要性があります。
事業主が介護休業の取得を拒否する、また届け出た職員に退職を促すといった行為は法律で禁止されています。
介護休業中は雇用保険に加入している場合、介護給付金が受け取れます。
*詳しくは後日投稿します。
介護は長期間にわたる場合も多いです。
そのような場合は兄弟、夫婦で順番に介護休業を取得するというのも一つの対応策として挙げられます。
介護サービスについて知っておく
40歳になると国民全員が介護保険に加入し保険料を払っています。
この介護保険によって要介護状態になった場合に、様々な介護サービスを受けられるのですが、まだまだ認知度が低く介護サービスを利用せずに家族で介護を抱え込んでいる場合があります。
介護保険は65歳以上の人で介護認定により介護が必要だと認められた場合に、様々な介護サービスを受けることのできる保険です。
また40歳以上の人でも国が指定した特定疾患により介護を要する場合は介護保険を利用することが出来ます。
自治体の市役所窓口にいき要介護申請を行うと介護認定調査が受けられます。
介護が必要になった時、本人が病院に入院している場合は病院が介護保険の説明などをしてくれますが、日常の中で介護が必要になった場合、誰も介護保険を勧めてくれません。
介護保険は自己申告となっています。
そのため本来なら介護サービスを受けられるはずの人が、介護サービスのことを知らなかったために受けていなかったということも多々あります。
またどの段階で介護保険の申請をしたらいいものか分からず、申請をあきらめるという場合もあるでしょう。
いずれの場合も自分で身の回りのことができなくなったのなら、一度市役所窓口に相談にいってみるといいでしょう。
子どもの人生を狂わせないために親が知っておくベキ3つのこと
上記では親の介護をする前に子どもが知っておくべきことをあげました。
介護をしてもらう親としても、自分の介護によって子どもの人生が狂うというのは誰も望んでいないと思います。
「子どもに迷惑は掛けたくない。」
そのように考えておられる場合は、元気なうちに以下のことを準備しておきましょう。
介護資金の準備
老後の資金は可能な限り貯金しておきましょう。
介護は想像以上にお金がかかります。
現在は老後破産という社会問題もあり、老後金銭的に苦労している人も多いです。
合わせてお読みください。
介護費用を子どもが負担しなければならないという状況を避けるためにも元気なうちに資金の準備をしておきましょう。
任意の介護保険などに加入するのも一つといえるでしょう。
元気なうちに終活をしておく
「まだ元気なのに縁起でもない」と思われるかもしれませんが、終活は元気なうちにしておくものです。
ある日突然、脳出血で倒れ意識不明になるかもしれません。
まさかと思われるかもしれませんが、介護というのはこのようにある日突然訪れます。
終活というのは死んだあとの葬儀やお墓のことだけではありません。
病気で倒れた時の自分の延命に対する希望なども記しておくことも含まれます。
親の治療の選択をするというのは、子どもにとっても大きな精神的負担が伴います。
また兄弟間で意見が割れる場合もあります。
そのような時に、あなた自身の意思表示があれば兄弟間でもめることもありません。
もしもの時に備えて、元気なうちに終活をしておきましょう。
合わせてお読みください
お金について
相続にも関係してくるのですが、一人の子どもが自分の介護を頑張ってくれた場合、その子には多めに財産をあげたいと思う方が多いのではないでしょうか。
そのような場合、遺言書を作成しておくのも一つの方法ですが、遺言書もただ単に書面で書いておくだけでは法的な効力を持ちません。
法的に定められた形式で書かれている場合は問題ありませんが、そうでない場合兄弟の誰かが「兄弟なんだから等分だ」と言い出せば、その遺言書に何の効力もありません。
また介護をしてくれたからという理由で、一人だけ金額を多めにしていても、他の兄弟が「もらいすぎだ」「ずるい」などと言ってくる場合もあります。
「うちの子ども達は仲が良いから、そんな揉め事しないはず」と思われるかもしれませんが、そう思われていた家庭で実際に相続でもめているのです。
子ども達が自分の死後に相続で骨肉の争いをするなど、誰も望んでいないことと思います。
そこで一つ提案があります。
相続の際は等分することを前提にし、介護をしてもらった毎にお金を渡すという方法はどうでしょうか。
・病院に連れて行ってくれたから5000円
・食事を毎日準備してくれたから今月分として30000円
など介護内容に応じてその場でお金を渡すという方法です。
そのように生前に介護者がお金を貰っていた場合、親の死後、財産を法律通り兄弟間で等分にしても揉めごとには発展しにくいと考えられます。
まとめ
親の介護で人生を狂わせないための5か条
・メインの介護者は決めるがみんなで協力する
・直接介護ができない人はお金を出す
・親の状況をみんなで共有しておく
・介護休暇について知っておく
・介護サービスについて知っておく
子どもの人生を狂わせないために親がすべき3つのこと
・老後の資金の準備をしておく
・元気なうちに終活をしておく
・お金について