【球界ここだけの話(842)】
広島にラミロ・ペーニャ内野手(31)=前ジャイアンツ=が2月中旬、入団した。カープ史上初のメキシコ人プレーヤーはいつも陽気で、笑顔を浮かべているが…。11日のヤクルトとのオープン戦(福山)の試合前は少し悲しげだった。
「WBCに参加しているメキシコ代表はいつも気にかけています。きのう(10日)の試合を見ましたけど、非常に残念ですね」
10日にワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次リーグD組のメキシコ-イタリア戦(メキシコ、現地9日開催)をテレビ観戦。勝利を確信した9-5の九回に4点差をひっくり返されて、サヨナラ負け。母国の衝撃的な敗戦に心を痛めていたというワケだ。
WBC史に残るサヨナラ劇を演じてしまったメキシコ代表だが、スタメンにはお馴染みの日本ハム・レアード、楽天・アマダー、巨人・クルーズがズラリと並ぶ。特にクルーズとはメキシコのウインターリーグで一緒にプレーした間柄で、守備の手本にした兄貴分。日本球界入りが決まったときには「日本の野球は進塁打とか、細かい野球を大切にするぞ」と助言をもらっていた。
代表候補で一緒にプレーする可能性もあったペーニャは「メールなどを送ったりはしていないけど、何かサポートできたらいいね」とエール。メキシコが同組のプエルトリコとベネズエラを倒して、2次リーグ進出することを願った。
自身は2月17日にキャンプ合流後、ハイピッチで調整中。オープン戦5試合に出場し、華麗なグラブさばきに安定したスローイングを披露。バットでも打率・455、1打点とアピールを続けている。
「今は日本で試合をしてシーズンに備えている。日本の投手の対策をしていかないといけないね」
ジョンソン、ジャクソン、ヘーゲンズ、エルドレッドらと争う1軍の外国人枠は4つ。母国の仲間のプレーに刺激を受け、レギュラーを奪う。(柏村翔)