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サイパンとグアム、日本人が消えた楽園の今

東洋経済オンライン 3/12(日) 6:00配信

カギを握るLCCの動向

 最近ではハワイアン航空による羽田-コナ島への直行便の就航、2019年には全日本空輸(ANA)が大型航空機A380の投入も決まるなど、航空会社も積極的に運行便数を増やしている。

 バリ島も、ピークの2002年に60万人いた日本人の訪問者はいったん18万人まで減少したが、現在は23万人とやや回復傾向にある。「競合のリゾートが増えたうえ、直行便も減っている。むしろ健闘しているほうだ」(インドネシア観光局日本事務所)。

■ハワイのように復活できるか

 日本人が激減したサイパンもここに来て巻き返し策を始めた。マリアナ政府観光局は日本事務所の担当会社を変更。2016年10月に日本事務所代表に就任した一倉氏はかつてハワイ州政府観光局でマーケティングを担った経験がある。

 現在、「3連休はマリアナ。」をキャッチフレーズにマーケティングの建て直しを進めている。公式インスタグラムの開設やウェブサイトの刷新、新しい広告の出稿など、矢継ぎ早に手を打っている。

 グアム政府観光局も「現地には高級ホテルも増えている。従来の(安近短という)イメージを変えるプロモーションを打っていきたい」(山本さとみ代表)という。

 プロモーション以上に策を練るのが、航空会社の運航をどう再開してもらうのかということ。韓国のようにLCCが就航すれば、大きな集客回復が見込める。「LCCを就航し、早期に10万人への回復を目指す」(マリアナ政府観光局日本事務所の一倉氏)。

 ただ、LCC就航によって再び”安近短”のイメージが定着すれば、1990年代の二の舞いになる。はたしてハワイのように復活することができるのか。日本人にとって身近なリゾートの苦悩は続きそうだ。

松浦 大

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最終更新:3/12(日) 9:50

東洋経済オンライン

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