ブログトップ 記事一覧 ログイン 無料ブログ開設

piyolog RSSフィード

2017-03-11

2017年3月に発生したApache Struts 2で稼働していたとみられるWebサイトへの不正アクセスについてまとめてみた

| 02:38 |  2017年3月に発生したApache Struts 2で稼働していたとみられるWebサイトへの不正アクセスについてまとめてみたを含むブックマーク

2017年3月に複数のWebサイトが外部からの不正アクセスを受けたことを発表しています。また一部では不正アクセスが成功し、情報が盗まれたり、データが削除されるといった被害が発生しています。

攻撃を受けたWebサイトApache Struts 2で稼働していたとみられ、またGMOペイメントゲートウェイApache Struts2脆弱性を悪用した不正アクセスであったことを明らかにしています。ここでは3月に発表されたApache Struts 2で稼働するWebサイトへの不正アクセスについてまとめます。

被害状況の概要

攻撃を受けたサイトやその被害概要をまとめると次の通り。

運営元攻撃を受けたサイト被害状況
GMOペイメントゲートウェイ都税クレジットカードお支払いサイト
機構団体信用生命保険特約料クレジットカード支払いサイト
サイトに悪意あるプログラムが設置。
クレジットカード情報やメールアドレス等が窃取された可能性。
JETRO相談利用者登録ページ一部情報の削除。
メールアドレスを含むログ情報が窃取された可能性。
科学技術振興機構科学技術情報発信・流通総合システム(J-STAGE)外部からの攻撃を検知。
工業所有権情報・研修館特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)外部からの攻撃を検知。
緊急措置として全サービスを停止。

Apache Struts 2とは発表していないサイトもこのソフトウェアで稼働するシステムで用いられる「.action」というURLがサイト内で使用されており、ここから当該ソフトウェアで稼働していたと推測。(以下は攻撃を受けたJETROのサイトのキャッシュより)

f:id:Kango:20170312012151p:image:w400

情報漏えいの状況

情報漏えいの可能性があるとして発表されている情報をまとめると次の通り。

情報漏えいの可能性のあるサイトクレジットカード情報メールアドレスその他発表情報
都税クレジットカードお支払いサイト67万6290件
(カード番号は暗号化処理済)
61万4629件無し
機構団体信用生命保険特約料クレジットカード支払いサイト4万3540件3万3230件加入月3万7349件
JETRO 利用者様登録サイト無し2万6708件無し

公式発表

トヨタファイナンス株式会社
GMOペイメントゲートウェイ株式会社

f:id:Kango:20170312021325p:image:w450

f:id:Kango:20170312021409p:image:w450

東京都
独立行政法人 住宅金融支援機構
独立行政法人 日本貿易振興機構

(参考) [PDF] お客様情報登録/参加申し込み操作手順書

国立研究開発法人 科学技術振興機構

f:id:Kango:20170312012738p:image:w450

独立行政法人 工業所有権情報・研修館

f:id:Kango:20170312013528p:image:w450

インシデントタイムライン

日時出来事
2017年3月8日J-STAGEへ外部から不正なアクセスが発生し、これを検知。
2017年3月9日東京都IPAよりソフトウェア脆弱性に関する注意喚起を受け、指定代理納付者への影響調査を開始。
同日 18時GMOペイメイトゲートウェイが影響調査開始。
同日 20時GMOペイメントゲートウェイ内で影響を受けるシステムの洗い出し完了。対策検討開始。
同日 21時56分GMOペイメントゲートウェイがWAFによる不正パターンによるアクセス遮断を実施。
同日 23時53分GMOペイメントゲートウェイ不正アクセス痕跡を確認。Apache Struts2で稼働するシステム全停止。バックアップシステムに切り替え。
2017年3月10日 0時30分GMOペイメントゲートウェイバックアップシステムに脆弱性対策を実施。2サイトへの不正アクセスを確認。
同日 2時15分GMOペイメントゲートウェイが2サイトより情報が窃取された可能性が高いことを確認。
同日 6時20分GMOペイメントゲートウェイが窃取された可能性のある内容、件数を確認。
同日 8時40分よりGMOペイメントゲートウェイ東京都住宅金融支援機構へ報告。対応を協議。
同日 11時15分都税クレジットカードお支払いサイトを停止。
同日東京都トヨタファイナンス住宅金融支援機構GMOペイメントゲートウェイ不正アクセスによる情報漏えいの可能性について発表。
同日JETRO不正アクセスによる情報漏えいの可能性について発表。

原因

情報漏えいの可能性が生じた原因をまとめると次の通り。

運営組織原因
GMOペイメントゲートウェイApache Struts 2の脆弱性を悪用した不正アクセスによる(公式)
JETROWebサイトに不具合が存在し、外部から攻撃を受けたことによる(報道) *1

GMOペイメントゲートウェイのサイトへの不正アクセスで悪用されたApache Struts 2の脆弱性の具体的な内容は明らかにされていない。発生時期から見て、先日脆弱性情報が公開されていたS2-045との関連が疑われる。

関連:一部サイトの運営元に係る話題

GMOペイメントゲートウェイの2サイトの運営状況を整理すると次の通り。

f:id:Kango:20170312011328j:image:w640

更新履歴