【記者手帳】シャンペンに祝賀パレード、勝利に酔う弾劾賛成派

【記者手帳】シャンペンに祝賀パレード、勝利に酔う弾劾賛成派

 10日午前11時21分、韓国憲法裁判所の李貞美(イ・ジョンミ)所長代行が「大統領・朴槿恵(パク・クンヘ)を罷免する」との宣告を下すと、憲法裁周辺に待機し結果を見守っていたキャンドル集会の参加者たち(弾劾賛成派)は一斉に歓声を上げ、飛び上がって喜んだ。中には爆竹を鳴らし踊りながら喜ぶ人、拳を握りしめて喜ぶ人、帽子を高く投げ上げる人、万歳を叫ぶ人もいた。さらには涙を流しながら隣の人と抱き合い「ご苦労様」「大変だったね」などと互いの労をねぎらう様子もみられた。「キャンドルの勝利だ」「朴槿恵を逮捕せよ」などと書かれた横断幕が広げられると、参加者の中にはシャンペンを開ける人もいた。

 参加者たちは「キャンドル抗争勝利宣言文」を読み上げ、直後に大統領府に向かってパレードを始めた。「市民ラッパ部隊」と書かれた旗を持つ参加者たちが、2010年のサッカー・ワールドカップ南アフリカ大会で一躍有名になったブブゼラを吹き、パレードの先頭に立った。青い囚人服を着て手首を縄で縛られた朴前大統領の人形がその後に続いた。彼らは大統領府近くに到着すると「朴槿恵の部屋を撤去せよ」などと繰り返し叫んだ。4カ月以上にわたりキャンドル集会を主催してきた「朴槿恵政権退陣非常国民行動」は今週末の11日にも祝賀コンサートとパレードを続けると明らかにした。

 憲法裁判所の裁判官8人全員が弾劾を認めたとの知らせが伝えられると、サッカーの競技場で電光掲示板に8-0と映し出された様子を描いたイラストがネットにいくつもアップされた。さらに朴前大統領が大統領府から直ちに退去しないことに対し「民間人が大統領府を不法に占拠しているので今すぐ引き出せ」という書き込みや、この日を「3・10弾劾節」として祝日に指定するよう求める書き込みも相次いだ。

 しかしこの日は韓国の歴史上、はじめて現職の大統領が罷免された日であり、憲政史上の悲劇として記録されることは間違いない。キャンドル集会の参加者たちにとっては、自分たちが望まなかった「弾劾棄却」の結果が出なかったことに安堵(あんど)したかもしれないが、拍手しながら歓声を上げ、シャンペンを開けるような祝いの日でないことだけは確かだ。

社会部=キム・ギョンピル記者
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