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異世界転移で女神様から祝福を! ~いえ、手持ちの異能があるので結構です~ 作者:コーダ

第6章 エルディア戦争編

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第88話 侵略と略奪

第6章開始です。
ほぼ説明・会話回です。
 カスタールの屋敷の食堂で、いつも通り美味い朝食を食べながら物思いにふける。
 何を考えているかと言えば、『次はどこに行くか』ということである。

「さて、どっちに行こうかな……」
「仁様、如何なさいましたか?」

 俺の呟きを拾ったマリアが尋ねてきた。
 結構小さな声だったと思うのだが、よく聞き取れたよな。

A:マスターの言葉を可能な限り聞き逃したくないそうです。

 あ、そう……。本当にマリアはブレないな……。

「……いや、次はどこに行こうか考えていたんだよ」
「真紅帝国に行くんじゃないの?前々から行くって言っていたわよね?」
「そうですわね。行くと言ってから、すでに結構時間が経っていますわ」

 ミオとセラの言う通り、観光先候補の1つは真紅帝国だ。

 迷宮の30層くらいでルージュたちに会い、真紅帝国に行くことを決めてから既に3週間以上が経過している。
 真紅帝国はエステア王国に攻め込む予定という話だが、魔族が暗躍する中でそんなすぐに事が起こるとも思えない。要するにタイムリミットに余裕があるのだ。

 他に予定やしたいことがある場合、優先度が下がってしまうのは仕方のない事だろう。
 現にその3週間は、アト諸国連合を観光したり、『竜人種ドラゴニュートの秘境』を観光したりと大忙しだったからな。……大忙し?

「でも、イズモ和国も行ってみたいんだよなー……」
「ああ、それがあったわね!あの、まんま和風の素敵国!」
「私も興味があります……」

 イズモ和国、それは『竜人種ドラゴニュートの秘境』から見て東側にある国で、一言でいうのなら『テンプレ通りの東の国』である(以前と同じ説明)。
 衣食住などの文化が、江戸時代的な和風の国なので、異世界転移と言うよりは過去の日本へタイムスリップしたような気分になれるだろう。

 正直に言えば、真紅帝国よりもイズモ和国に行きたい気持ちの方が強い。
 聞いての通り、ミオとさくらもイズモ和国の方に興味津々だしな。
 でも、あまりにも真紅帝国を後回しにし過ぎるのもどうかと思う。と言う訳で、主にその2つの選択肢の間で揺れていると言う訳だ。

「どっちに行ってもいいけど、観光に行くっていうことは、私に乗っていくつもりなのよね?また乗ってくれるのよね?」

 俺専用の騎獣だから、という理由により俺の近くで食事をしていた天空竜ブルー(人間形態)が話に加わって来た。
 ちなみに、屋敷の中で竜形態になることは禁止である(ドーラ以外)。邪魔。

「いや、普通の観光に天空竜スカイドラゴンなんて連れて行けるわけがないだろ?なので、ブルーはお留守番だ」

 ドラゴンを調教テイムしている者など、この世界にはほぼ存在しない。
 下位竜種の劣風竜ワイバーンくらいなら、テイムしている者も多少はいるんだけどな。
 そんな中、当たり前のように上位竜種である天空竜スカイドラゴンを乗り回していたら、目立つことこの上ない。と言う訳でお留守番だ。すまん。

「ええー……、折角騎獣になったのに……。いきなりお留守番……」
《どんまーい》

 がっくりと項垂れるブルーとそれを慰めるドーラ。
 ブルーは騎獣としての飛行能力に特化しすぎており、人間形態ではほとんど役に立たないから、人間形態で連れて行く意味が薄いのである。

「うう、ありがと。私もペット枠の方が良かったのかな……」
《それはゆずらなーい》

 ポジション争いに関してはシビアなドーラである。
 天空竜スカイドラゴンはそれなりに巨大だから、ペットにするのは無理だな。精々がベッドに出来るくらいか。あ、このネタ前に使ったわ……。

「ふっふっふ、汝と違って妾はますたーに常に同行できるのじゃ。妾の方が汝よりもますたーの役に立てると、これで証明されたのう!」

 実体化したまま屋敷で生活をしている始祖神竜エルがブルーを煽る。

「な、なんですってー!ア、アンタまだ何の役にも立ってないじゃない!私はもうご主人様の騎獣としての実績があるのよ!」
「む、実績と言われると辛いのう……。ま、まあ、それもすぐに逆転できるじゃろ」
「ふん!ご主人様は万能なのよ!アンタなんて出る幕もないわよ!」
「それは汝にも同じことが言える気がするのじゃが……」

 お互いに煽り合うブルーとエルだが、本気で嫌い合っているわけではないだろう。
 どちらかというと、ポジションが被っているから縄張り争いをしているような印象だ。

「うぐぐ……」
「むむむ……」
「お二人は仲が良いんですわね」

 唸る2人を横目に、セラも俺と同じ感想を抱いたようだ。

「「そんなことない(のじゃ)!」」
「声が揃うなんて、仲良しの証拠ですわね」
「「…………」」

 セリフ被りを警戒して、お互いに喋れなくなってしまったようだ。
 狙ってやったかはわからないが、セラのおかげで言い争いが止まったことになる。


A:マスター、お話し中失礼いたします。緊急でご報告したいことがあります。

 アルタの報告が他のメンバーにも伝わったのか、他のメンバーも喋るのを止めた。
 何だ?アルタが緊急なんて言うのは珍しいな。続けてくれ。

A:はい。リラルカの街がエルディア軍に占拠されました。それと同時にエルディア王国がカスタール女王国に宣戦布告をするようです。如何なさいましょうか?

「……は?どういうことだ?」

 あまりに意味不明だったので、思わず声に出てしまった。
 リラルカの街はカスタールとエルディアの国境の街だ。そういう意味では攻めるのは楽だろうが、エルディアがカスタールを攻める理由がわからない。

A:詳しい話はカスタール女王であるサクヤを交えてお話しした方が良いかと思います。

 まあ、間違いなくサクヤが当事者だよな。
 無視する訳にもいかないし、サクヤの元に行くとするか。

「アルタの言葉を聞いていたと思うが、今からサクヤの元に向かう。悪いがイズモ公国も真紅帝国もお預けだ」
「そりゃそうよね。何があったかは知らないけど、カスタールはご主人様のお気に入りの1つだし」

 ミオの言う通り、カスタールの事は結構気に入っている。
 理不尽な暴力に曝されているのなら、(有償 or 無償で)助けてあげたいと思う程度には……。

 すぐに俺たちはサクヤの執務室に設置した『ポータル』へと転移をした。
 一国の女王のプライバシーとは一体……。

「あ、お兄ちゃん、皆も来てくれたのね!アルタから話は聞いている!?」
「ああ、聞いているから落ち着け。一体何があったんだ?出来るだけ初めの方から説明してくれ」

 俺達が転移すると、それに気付いたサクヤが大慌てで駆け寄ってくる。
 サクヤも同様の報告を聞いていたようだ。サクヤもどこか疲れたような顔をしている。

「うん、わかった。……事の始まりは勇者支援国になることを断った時まで遡るのかな。かつて勇者のお世話になったカスタールが、勇者支援国の話を蹴るとは思わなかったみたいで、エルディア王国もだいぶ困惑していたみたい。隣国だから、物資とかを当てにしていたみたいで、結構しつこく勧誘されていたんだ」

 勇者支援国とは、勇者達に様々な支援をする代わりに、魔族の脅威から守ってもらうという契約をした国の事だ。
 カスタールは勇者を擁するエルディアの隣国だし、かつて勇者とも深い関わりがあった国と言うことで、ほぼ確実に勇者支援国になると踏んで、当てにしていたのだろう。

 しかし、実際にはカスタールは2つの理由から勇者支援国にならなかった。
 1つ目はエルディア王国への不信である。エルディア王国は勇者召喚を行う前に近隣の小国を滅ぼしている。他国が追求しようにも、勇者召喚の功績によって何も言えない状況を作ったのだ。正直言って、信用には値しないだろう。
 2つ目は俺の存在だ。万が一魔族が攻めてきたときは、俺が魔族を倒してやるとサクヤと約束しているのだ。そのための手も打っているからな。なので、当てになるかもわからない勇者に頼る必要などないと判断したのだ。

「そのせいで国家間の関係が少しずつ悪くなっていたの。でも、本当の問題はその後、しばらくしてからの話よ」
「時期的には俺が迷宮に籠っている間くらいか?」

 丁度その頃は迷宮をガリガリ攻略中だったと思う。

「うん、まさしくその迷宮、いえ、エステア王国が問題だったの。お兄ちゃん、あの国で勇者を1人殺したよね?」
「ああ、日下部という勇者を殺したな。もしかして、それが不味かったのか?」
「でも、あの件は公式にはエステアのカトレア王女が殺したことになっているはずですわよ?」

 正確に言うのなら、カトレアが殺したというのは事実だ。俺達はカトレアの復讐を手伝っただけだ。止めを刺したのも、日下部を殺すという判断を下したのもカトレア、そしてエステア王国だ。
 なお、<生殺与奪ギブアンドテイク>によるステータスの底上げを、『手伝った』の一言で済ませていいかは判断が分かれるところだろう。

「うん、それは間違いがないよ。でも、エルディアは勇者が王子や国王を害したという部分にも異議を申し立てているの。勇者がそんなことをする訳が無い。お前達が罪を擦り付けて勇者を殺したんだ……ってね」
「それはまた、自分達に都合のいい解釈だな」
「本当に、あの国は身勝手すぎると思います……」

 俺とさくらも呆れ顔だ。
 日下部はエステアの王子を見捨て、国王を刺した。これは俺も確認をした事実である。

「それで、エルディアはそのことを周辺諸国にも伝えて、『エステア王国を許すな』という風潮を作ろうとしたの。あまりに身勝手な言い分にカチンと来ちゃって、こう言ったのよ。『その場には妾の知人もおった。その者が言うには、迷宮内で王子を見捨てた勇者が、国王に糾弾された場で逆上して国王を刺したと言っておったぞ』って……」
《ドーラも見たよー!》
「私とマリアちゃん、セラちゃんもいたわね。いなかったのはご主人様とさくら様だけだったわよね」

 その場にはドーラ、ミオ、マリア、セラがいたので、『知人がいた』というのは間違いではない。
 もっと言えば、カトレア自身も今はサクヤの友人だったりするのだが……。

「放っておいたら、カトレアちゃんの立場が悪くなりそうだったからね。それからかな、明確にエルディア王国がカスタールを目の敵にするようになったのは。色々と嫌がらせも受けていたんだけど、まさか戦争になるとは思わなかったな……」
「どうして、仁君に言わなかったんですか……?仁君なら色々と解決できた可能性も……」
「これは国家運営、つまり私の仕事だからね。アルタやお兄ちゃんの配下に頼っている私が言うのも何だけど、お兄ちゃんにあまり頼り過ぎるのもどうかと思っていたの……。結果はこの有様だけどね」

 サクヤの友人でもあるさくらが質問をしたが、サクヤは首を横に振って否定する。
 1つ言いたいのだが、いくら俺でも国家の話を解決するのは無理だぞ?もちろん、片方の国を滅ぼして解決、ということならできる可能性はあるけど。

「それはそうですが……」
「うん、さくらちゃんの言いたいこともわかるよ。実際問題、ここまでの事態になったら、お兄ちゃんの手を借りるしかないと思うし……。と言う訳でお兄ちゃん、どうか力を貸してください。お願いします」

 俺に向けてサクヤが頭を下げる。

「ああ、元々そのつもりでここに来たんだしな。任せてくれ」
「ありがとう、お兄ちゃん。それで対価はどうする?」

 俺の力を借りるという事は、何かしらの対価が必要になる。
 それを理解しているサクヤが尋ねてきた。

「それは後で良い。それよりも話を続けてくれ」
「うん、わかった。まず、既にリラルカの街では少なくない被害が出ているみたい……」
「具体的な被害とか状況はわかるか?」
「アルタが色々と教えてくれたから大丈夫。普通に考えたら連絡がすぐに届く距離じゃないんだけど、アルタのおかげでかなり楽になってるわ」
「相変わらず便利ですわね……」

 普通に馬車で移動した場合、どんなに急いでも王都まで1週間はかかるだろうからな。

「まず、エルディア軍はリラルカのエルディア側から国境を越えてカスタール側に侵入。そのまま、カスタールの住民を殺したり、略奪をしながら進んであっという間に占拠したそうよ。その後、カスタール在住の役人を使者にして、宣戦布告を伝える書状を持たせてこちらに送り出したみたい」
「俺の記憶が確かなら、宣戦布告って戦争に入る前にするんじゃなかったか?」

 少なくとも、地球では宣戦布告は戦争開始前に行われると何かで読んだ記憶がある。
 まあ、俺の記憶が間違っていたり、この世界ではルールが違う可能性もあるが……。

「そうよ。国家同士で戦争を行う場合、あらかじめ相手国にそれを伝える義務があるの」
「へー、その辺は地球とあまり変わらないのね。勇者の情報かしら?」
「そうかもな。そんな物騒なことを伝える前に、他に伝えることがいくらでもあるだろうに……」

 ミオが予測したように、地球製っぽい物や考え方は勇者が輸入した可能性が高い。
 戦争のルールなんて伝えるくらいなら、マヨネーズの作り方を伝える方が有意義だよな。……ミオが涙目になるし、冗談を言う場でもないので黙っていよう。

「でも、エルディアはそれを守る気がないみたい。戦争開始後に宣戦布告を突き付けて、その時間で優位に立ちまわる。周辺諸国相手には事前に宣戦布告は出したと言い張るつもりみたいね。確かに後出しとは言え宣戦布告自体は出しているから……」
「本っ当にあの国はクズだな……」

 ストップ安のエルディア評価がさらに下降した。
 このままでは限界突破をして地面の中にまで至ってしまうだろう。

「多分、勇者を召喚した功績を盾にゴリ押してくるんじゃないかな。そうそう、エルディア軍の中には勇者も数名混ざっているみたいなの」
「勇者が人間同士の戦争に参加していいのか?」

 そりゃあ、魔族と戦うべき勇者なのだから、戦力になるのは間違いがないだろうけど、それを人間同士の戦争に使うというのは如何なものか。

「良い訳が無いわ。でも、エルディアは小細工によってその抜け道を見つけ出したのよ」
「へえ、どんな抜け道があるの?」

 まあ、碌でもない方法なのは間違いがないだろうけどな。

「勇者には冒険者になることが許されているの。冒険者ならではのネットワークを利用したり、身分を隠して行動したいときに使えるようにね」

 俺も身に覚えがあるが、冒険者の肩書って奴はいろいろと便利だからな。……うん、話が見えてきたな。

「エルディアはそれを利用した。勇者に戦争参加を依頼するのではなく、冒険者に戦争参加の依頼を出して、勇者達は冒険者身分でそれを受諾することにしたのよ」
「そんなことが許されるんですの?」
「許す許さないじゃなく、ルールで禁止されていないのが問題なのよね。そもそも、勇者が人間同士の戦争に参加するなんて今までなかったことだから……」
「魔族を前にして人間同士で仲間割れなんて、アホらしいとしか言えませんものね」

 セラの言うアホな事が……、今までは良識によって起こらなかった事が、今回の召喚では起こってしまったということか。まあ、あの学校の連中じゃあ、それも当然か……。

「さらに副次的な効果もあったのよ。勇者と共に戦えるということで、戦争に参加する冒険者が一気に増えたの。さっき言ったエルディア軍も、2分の1近くが冒険者よ。下手をすると、こちらの参加冒険者も激減するわ」

 冒険者の戦争に関するルールは色々と複雑だが、一言でいうのなら『参加は任意、強制は不可』である。要するに自己責任と言うことだ。
 一応、仕官の道に繋がっていないわけではないが、基本的には前線で使い潰されるのがオチである。本来は街が戦場になる前に逃げるのが普通だ。
 それを武器に出来たというのなら、確かに上手い副次効果である。

 ちなみに戦争中でも冒険者ギルドに手を出さないというのは暗黙の了解となっている。
 なぜなら、冒険者ギルドは国家の枠に囚われない中立的な組織だからだ。
 戦争中とはいえ、冒険者ギルドに不利益を与えるような国だと判断されると、国自体からの冒険者ギルド引き上げすらあり得るらしい。
 色々と悪用できそうな慣習だし、実際にはもっと複雑なルールがあるのだが、その辺りは説明を省かせてもらう。

「この世界では、異世界から来た勇者と言うのは無駄に人気があります。私を含めた、この世界由来の勇者は、その存在を知られてすらいませんが……」
わたくし達が出会った異世界の勇者は全員クズですわ。人気の理由が全く分かりませんわね」

 まあ、よりにもよって日下部と佐野だからな。
 尤も、あの2人を超えるクズがいないわけではないのだが……。

「でも、勇者全員がエルディアに協力している訳じゃないわよ」
「と言うと?」
「勇者の内、少なくない人数がエルディアのやり方に賛成できないと言って離反しているのよ。その勇者達は北側の勇者支援国に移り住んでいて、今エルディアに残っているのはエルディアの方針に賛同した者達だけなのよ」

 あの学校にも多少はマシな感性を持った連中がいるということだろう。
 そして自分達が召喚した勇者に見放されるとは、エルディアは本当に終っているな。

「何人くらいいるんですか……?」
「アルタ調べだと、約200人がエルディア王国に協力しているみたい」

 さくらの質問にサクヤが答える。
 ちなみに、うちの学校から転移したのは約800名である。

「たった25%しか支持されなかったんだな。エルディアに付いた勇者が少数派ならば、潰しても大勢に影響はないな。良かった良かった」
「お兄ちゃんが当たり前のように勇者を潰す前提で話をしている……。一応、対魔族の切り札なのだけど……」
「知らん。戦争に参加した冒険者を殺してはいけないルールなんてないだろ?」
「ないけど……」

 サクヤが困ったように言うのを無視する。
 冒険者扱いで戦争に参加するのなら、冒険者として殺される可能性も飲み込むべきだ。
 都合のいい時だけ勇者扱いなんて許す訳が無いだろう。


「そう言えば、エルディア軍は今何をしているんだ?」
「……軍の一部をリラルカに残して略奪の続きを、残りの大部分はコノエの街、冒険者の街に向かっているわ。コノエを攻め落とすと同時に、そこにいた高位の冒険者を味方に付ければ、とか考えていてもおかしくないわね」
「なるほど、折角だからカスタールの冒険者も取り込もうって腹か」

 コノエの街は冒険者の街とも言われており、高位の冒険者が数多く在籍している。
 そうでなくても、エルディアとカスタールでは、冒険者の質はカスタールの方が数段上なのだ。『勇者』という称号を盾に、冒険者たちに協力を要請したら?その要請を受け、味方だと思っていた冒険者がカスタールに反旗を翻したら?

「かなり厳しいのよ。だからお兄ちゃんに協力を要請するしかなくなったんだけど……」
「そうだろうな」

 勇者に加えて高位の冒険者を取り込んだ軍が攻めて来たら、王都の騎士団だけでどうにか出来る訳が無いだろう。
 そういう意味では、この国が亡ぶかどうかの瀬戸際と言ってもいいはずだ。
 だからこそ、サクヤは俺に頼んできたのだ。

「逆に言えば、ご主人様に相談した時点で安心よね」
「うん、ミオちゃんの言う通りだね」

 まだ何もしてない内から安心されても困るんだが……。

「それと、カスタールの後はエステア王国にも戦争を仕掛けるみたい。勿論、エステアに使者として行った勇者の件で……」
「ほう」

 なるほど、勇者だった浅井が関わったカスタール女王国を攻めるだけでは飽き足らず、東が建国したエステア王国にまで手を伸ばそうというんだな?
 俺の親友の残した足跡を、土足で踏み荒らそうというんだな?
 俺の、親友を。……OK、理解した。

「決めた。エルディア王国を滅ぼす」
「お、お兄ちゃん、いきなり滅ぼすのはちょっと……。あの国も大国だし、勇者を擁しているから周辺諸国的にも滅びられると困るというか。私的には撤退させて賠償をさせるくらいが丁度いいんだけど……」

 サクヤが慌てて止めにかかるが、俺の中ではエルディアを滅ぼすことが確定している。
 少なくとも王家の存続を許すつもりは微塵もない。

「悪いな。サクヤ、もう決めたんだ」
「あ……、これ止めるの無理だ」

 俺が努めて冷静にそういうと、サクヤは内股になってブルっと震えた後、あっさりと説得を諦めた。

「サクヤちゃん、諦めるの早くない?」
「ミオちゃん、無理を言わないで頂戴。お兄ちゃん、もう既に決めているから……」
「あ……、ほんとだ。これは無理ね」

 俺の方を見て、ミオもブルっと震えて内股になる。

 元々、俺が大嫌いなエルディア王国に手を出さなかったのは、魔王と戦う役目を担った勇者を擁する国だからだ。
 それなのに件の勇者は魔族退治を放り出して、人間との戦争に参加するというのだ。
 そんなことしかできない勇者ならいらないだろう?
 勇者をそんなことに使う国なんていらないだろう?
 挙句、戦争の対象が俺のお気に入りの国2つだというのだ。そんな国、滅ぼすしかないじゃないか。

 むしろ、もっと早くこの決断をするべきだったんじゃないのか?
 そうすれば、リラルカの街で無駄な犠牲が出なくても済んだというのに。
 ああ、リラルカの街には可哀想なことをしたな。でも、今からでも遅くはないよな。

 ……そう言えば、アルタはどうやってリラルカの街の現状を知ったんだ?
 リラルカの街に派遣している商会メイドから聞いたのか?

A:依頼でリラルカの街に行った冒険者奴隷がいたので、その現状を知ることが出来ました。街内部に潜入させて、生き残っていた市民から詳しい状況を聞きました。なお、リラルカにはアドバンス商会のメイド派遣を行っていません。リラルカの街に派遣すると、エルディア側の利となる可能性がありましたので。

 確かにあの街でカスタール側だけの利益を得ることは難しいだろうな。
 どう足掻いてもエルディア人の利になってしまう部分があるだろう。ナイス判断!でも、今回はそれが裏目ったな。

A:はい。今回の反省を活かし、今後はスパイメイド程度でも配置しておくことにします。

 別に問題にしている訳じゃないんだけどな。
 それにしてもスパイメイドって……。どんどんメイドの定義が壊れて行くな。

「ああそうそう、エルディアを滅ぼすとは言ったけど、国民全員を皆殺す、とかは言わないよ。あくまでも軍と戦争に参加した勇者と王城の関係各所だけだよ」
「それは口に出さないといけないことなの?当たり前の事じゃないの?」

 ミオが困惑したように言う。

「ご主人様なら、皆殺しの方も出来そうで怖いですわね。いえ、出来ると思いますわ」
「仁様のお手を煩わせるくらいなら、私が……」
「マリアちゃんは少し落ち着こうね。ご主人様は皆殺しにしないつもりだからね?」

 多分、その気になれば軍であろうと1人の死者もなく無力化することが出来ると思う。
 でも、エルディア相手に気を使ってやるつもりは微塵もない。情けも容赦もかけるつもりはない。
 今日、エルディア王国は俺にとって滅ぼすべき敵に認定されたのだから。


「カスタールとしては、エルディアの侵略軍にどう対処するつもりだったんだ?」
「まず、相手が勇者と言うこともあって、冒険者達はまともに運用できないと思う。それと、頼みの女王騎士も勇者相手では士気が維持できないかも……。その状態で勇者と軍の両方を相手にするのはどう考えても無理。正直言って打つ手がないわ。お兄ちゃんに頼む以外……」

 ある程度育った勇者と言うのは、Sランク冒険者すらはるかに凌駕する戦闘能力を持つと言われている。
 なお、その育ち方が単純なレベルアップなのか、祝福の残骸ガベージの回収による強化なのかは置いておくことにする。

「アルタの報告によると、エルディア軍はおよそ2万人の部隊で、その内の1万人が冒険者ね。加えて言うなら勇者は100人ほど冒険者枠で参加しているみたい」
「何だ。軍って言うから、てっきり10万人規模の大軍だと思っていたのに、たったの2万人か。それほど多くはないんだな」

 2万人くらいなら、俺1人でもどうにでもなるだろう。
 何なら、<並行詠唱>+<無詠唱>の『ファイアボール』で殲滅してやってもいい。

「……お兄ちゃん、感覚がおかしくないかな?」
「サクヤちゃん、サクヤちゃん。私達、先日5万匹を超えるドラゴンの群れを、実質6人で全滅させたのよ。人間って、ドラゴンよりも強かったっけ?」

 下位竜種でも普通の人間では荷が重い相手だな。
 上位竜種なんて倒せるのは、恐らく一部の勇者とSランク冒険者くらいだろう。

「何それ、初耳なんだけど……。ミオちゃん、それマジ?」

 そう言えば、『竜人種ドラゴニュートの秘境』でドラゴン退治した事はサクヤには説明していなかったな。

「マジよ」
「マジですわ」
「本当の事です……」
「ははは……、ドラゴン5万を倒せる人たちが味方してくれるのなら、人間の軍2万なんて余裕以外の何物でもないよね。……お兄ちゃん、何処まで人間辞めれば気が済むのよ」
「…………」

 サクヤが失礼なことを言うが、冷静に考えると否定できない気がする。
 人間、辞めますか?

「ま、まあ。そう言う訳だから、エルディア軍のことは心配しなくていいぞ。俺達が責任を持って止めて見せるからな。ついでにそのままエルディア軍滅ぼしてくるけど……」
「好きにして頂戴。どうせ私にはお兄ちゃんの事は止められないから」

 サクヤが諦めたかのように言う。

「ああ、好きにさせてもらおう。さて、十分に話も聞いたし、そろそろエルディア軍のところに行こうと思うんだが……」
「だが?どうかしたの、ご主人様?」
「ああ、リラルカの街に行くか、移動中のエルディア軍の方に行くかを考えているんだ。どちらも放っては置けないからな」

A:リラルカの街に行くことをお勧めします。移動中のエルディア軍がコノエの街につくまではしばらく時間がありますが、リラルカの街は現在の時点で被害が拡大し続けています。

「……と、アルタが言っているので、リラルカの街を先に解放しようと思う。……それで、誰が付いてくる?」

 皆に向けて問いを投げかける。

「仁様、それはどういう意味でしょうか?私達が邪魔と言うことですか?」
「いや、そうじゃない。今回の戦いは、国同士の戦争に参加することに他ならないからな。参加を無理強いすることはしたくないんだ。特にさくらとドーラは参加しない方が良いとすら思っている。グロいモノを見ることになりそうだし……」

 マリアが不安そうに言うので、俺の意見を全員に伝えた。
 今回の戦いは、カスタールとエルディアの戦争だ。……正確にはエルディア側からの侵略戦争だが。

 さくらのような、比較的一般的な感性を持っている者に戦争に参加しろというのは酷な話だろう。
 同様にドーラに対する教育的観点から見ても、戦争を間近で見せるのは気が引ける。
 え、俺?はっはっは。

「私は仁様に付いて行きます。仁様が心の底から拒絶しない限りは、どこまででもお供いたします」
「ははは……。私はマリアちゃん程思い切ったことは言えないけど、サクヤちゃんとカスタールは好きだし、それを守るためにもご主人様について行くつもりよ。対人戦は……まあ、何とかなるでしょ」
「うう、ミオちゃん、ありがとう」

 いつも通りのマリアと、意外と義理堅いミオが言う。そしてサクヤがミオに抱き着く。

「エルディアの人間が田畑や作物に気を遣うようにも思えませんし、わたくしもカスタールの田畑を守るために立ち上がりますわ。対人戦なら活躍できると思いますわ!」
「それもどうかと思うんだが……」

 セラの守りたい対象がおかしくはないか?『英雄』なら人を守れよ。
 ……うん、似たような理由で魔物の暴走スタンピードに立ち向かった俺が言っても説得力が欠片も存在しないな。

 それはさておき、問題のさくらとドーラの様子はどうかな?
 俺が2人の方を向いてみると、俺の視線に気付いたさくらが少しの間思案をする。

「仁君、私も参加……いえ、同行してもいいでしょうか……?」

 そして出てきたのは、ある意味予想外の一言だった。
 え、戦争だよ?さくら、グロ耐性低めだよね?大丈夫?

「同行と言い直したということは、戦闘に参加するつもりはないんだな?」
「はい、まだ人殺しをする覚悟はつきません……。ましてや戦争だなんて……。でも、今回の相手は勇者です……。同じ世界から来た者として、目を逸らしたくはないんです……。だから、ご迷惑だとは思いますけど、連れて行ってほしいんです……」

 さくらにしては珍しく、強い意志のこもった瞳で俺のことを見てくる。
 さくらが自分の意思で決めたことならば是非もない。身を守るくらいならさくらだってできるし、連れて行って迷惑になることもないだろう。……こっそり、タモさん護衛がついているしな。

「わかった。ただ、戦争になったら手加減とか気遣いとかはできないだろうから、グロい物を見る覚悟はしておいてくれよ?」
「うっ……。はい……」

 俺が念を押すと、さくらは若干怯みつつも了承の意を示した。これは本気と言う訳だ。
 さくらも大分メンタルが安定してきたよな。よきかな、よきかな。

 さて、次は問題のドーラだ。

「ドーラは……」
《ドーラもごしゅじんさまといっしょにいくー!》
「だよなぁ……。でもなぁ……」

 ドーラに戦争を見せるのは早すぎるのではないだろうか?教育上よろしくないのではないだろうか?
 しかし、俺が止めた方が良いと言っても、ドーラは付いて行きたいというのは予測がついていた。ここは、もっと強く言ってでも止めた方が良いだろうか?

《その人たちってとーぞくなんでしょ?》

 俺が悩んでいると、ドーラはさらに話を続けた。

「盗賊か……。確かに今のエルディア軍は盗賊と何ら変わらないな」

 奇襲して、殺して、奪う。間違いなく盗賊だな。
 国が後ろについている分、余計にタチの悪い盗賊だ。

《とーぞくたいじなら、ドーラがいっしょにいてもいいよね?》
「なるほど。そういうことになるのか」
「ドーラちゃん、上手いこと言うわね」

 俺のドーラ教育方針の1つに、『盗賊退治は見せる』と言うモノがある。
 ドーラを(ペットとして)真っ当に育てるために、盗賊を反面教師にするつもりなのだ。このことはドーラにも伝えてある。

 盗賊のように好き勝手に生きて、無差別に他人に悪意を振りまく存在は、いずれその報いを受けることになるのだと、ドーラに教えているのだ。

 余談だが、反面教師にするのなら俺でも良かったりする。
 ほら、俺も好き勝手生きているし、<生殺与奪ギブアンドテイク>で他人の大切なスキルを奪えるから。まあ、悪意を振りまくつもりは絶対にないけどな。

 話を戻そう。エルディア軍が盗賊と変わらないような存在なら、ドーラを連れて行ってその末路を見せるのも有りなのではないだろうか?
 そもそも、俺はドーラから『人の生き死に』を遠ざけるつもりはない。人は死ぬし、魔物も死ぬ。そこから逃げても何も解決しないし、それを理解するのに早過ぎるということはないと思っているからだ。
 よく考えてみたら、戦争を見せないというのは、グロい光景を見せたくないという気持ちが強いから出た話なのだが、今までの盗賊戦でも結構グロいモノを見せているから正直今更な気もする。ドーラ、普通にグロ耐性(強)あるし……。

「ドーラの言う通りだな。これからするのは戦争なんかじゃない。ただの盗賊退治だ。だから、ドーラを連れて行っても何も問題はない」
《わーい!ごしゅじんさまといっしょー!》

 ドーラが喜びのあまり抱き着いてきたので、その頭を撫でてあげる。

「と言うか、ご主人様が相手じゃ、まともな戦争になる訳ないと思うよ?」
「ですわね。昨日のドラゴン戦を見ればそれは明らかですわ」
「また、無双ゲーになるんじゃないかな?相手が人間だから不謹慎かもだけど……」

 普通の戦争では数の大小はさておき、両陣営に被害が出るものだ。
 しかし、今回の戦いではカスタール側にリラルカ以上の被害を出させるつもりはない。
 ミオとセラが話している通り、一方的な無双ゲーに持って行くつもりだ。

「そうだな。ここからは無双ゲー……。殲滅戦だ。さて、メンバーも決まったことだし、さっさとリラルカの街に行こう。こうしている間にもリラルカの街では住民が苦しんでいるかもしれないんだからな」
「あ、そうだったわね。さっさと行きましょ」
「そうですわ。料理店が被害を受けたら悲しいですわ。早く行きましょう」

 こうして、準備を終えた俺達は『ポータル』によってカスタール、エルディア国境線上の街リラルカへと転移をするのだった。
真紅帝国?エルフの里?知らんな。

この時期はKFNのせいで執筆が進まないです。やばい。鼻水が……。

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