NHKニュース7 2017.03.11

宮城県石巻市です。
およそ3600個の灯籠に火がともされました。
ごめんね。
石巻市ではあの日、最も多くの人が犠牲になりました。
帰らぬ人たちを思い、復興への誓いを新たにしています。
こんばんは。
ニュース7です。
きょうは番組を1時間に拡大してお伝えします。
東日本大震災から6年がたちました。
被災地では復興が進む一方で、新たな課題も出てきています。
かさ上げされた土地などに誕生した新たな街での暮らし。
復興特需にかげりが見え始める中での地域経済の行方。
福島では、原発事故に伴う避難指示区域がこの春大幅に縮小され、当初の3分の1になります。
そして全国では、震災の教訓を生かそうという取り組みが広がっています。
首都直下や南海トラフなど、巨大地震への最新の備えもお伝えします。
NHKは岩手、宮城、福島の3県で、被災した人や原発事故の避難者を対象にアンケートを行いました。
1400人余りから回答を頂きました。
そこでは、未来へのメッセージも寄せていただきました。
番組ではその声もお伝えしていきます。
始めに、きょうの被災地です。
多くの人たちがあの日を思いました。
東日本大震災から6年。
死者と行方不明者は、避難生活などで亡くなった、いわゆる震災関連死も含めると、2万1900人を超えます。
震災の発生直後に設立された、宮城県山元町の臨時災害FMです。
町内で犠牲になった600人以上の名前を、1時間半にわたって一人一人読み上げました。
このFM局の放送は、今月限りで終わります。
2、1、届け。
東京では、政府主催の追悼式が開かれました。
追悼式にはこれまで、天皇皇后両陛下が出席されてきましたが、ことしは、秋篠宮ご夫妻が出席されました。
一歩を踏み出そうとする人たちがいます。
高橋枝美子さん。
津波で亡くなった娘の桃子さんが戻ってこられるようにと、自宅の跡地に目印の花を植え続けてきました。
あす、仮設住宅を出て、隣の市に引っ越す高橋さん。
これが最後の種まきです。
震災の記憶は、次の世代へ。
岩手県大船渡市の保育園です。
園児たちが歌う歌、さかみちをのぼって。
繰り返されるそのフレーズには、すぐに高台に避難をという教訓が込められています。
震災の発生から6年。
NHKのアンケートでは、被災者などのおよそ6割が、心身への影響が続いていると答えました。
そうした中でも、深刻な状況を抱えているのが、プレハブなどの仮設住宅の人たちです。
被災地では今もおよそ3万4000人が入居しています。
不自由な仮住まいが続く中で、不安や焦りを募らせています。
岩手県山田町の仮設住宅で、妻と2人で暮らす、佐々木源五郎さんです。
これがヤスっていう魚、あれを。
震災前は大型漁船の機関士として、毎日のように漁に出ていました。
しかし、津波で船を流されて仕事を失い、仮設住宅に閉じこもりがちになりました。
源五郎さんは、心や体の不調に悩み、毎月通院しています。
震災前は、めったに薬を飲みませんでしたが、今は血圧を抑える薬や睡眠薬、それに不安を抑える薬など、朝夕6錠飲んでいます。
長引く仮設住宅での生活が、健康に大きな影響を与えていることが明らかになってきました。
岩手医科大学が、津波で大きな被害を受けた岩手県内の4つの市と町で行っている、1万人規模の健康調査です。
このうち大槌町の仮設住宅で暮らす男性で、糖尿病の治療を受けている人の割合は、住宅が被災しなかった人に比べて68%も高く、高い水準が続いています。
狭い仮設住宅での暮らしで運動量が減るほか、気力を失うことで外出する機会が減ることも影響しているといいます。
仮設住宅に暮らしで病が悪化し、不安を感じている人もいます。
宮城県気仙沼市の清水政志さんと妻の道子さんです。
自宅は津波で流され、仮設住宅に入居しました。
そのよくとし、道子さんが重度の肝硬変と診断されました。
ストレスが症状を悪化させると、医師から告げられた政志さん。
一刻も早く仮設住宅を出たいと考えています。
悪化する道子さんの病状。
自宅の再建を計画していますが、建設予定地の造成が遅れ、引き渡しは来年秋にずれ込んでいます。
生きて自宅を見ることができるのか。
政志さんは焦りを募らせています。
長引く仮設住宅での暮らしによる心や体への大きな影響。
専門家は、丁寧な支援が必要だと指摘します。
被災地では、復興に伴って新たな町が次々に生まれています。
宮城県南三陸町では、かさ上げされた土地に商店街が整備されました。
南三陸さんさん商店街です。
震災のよくとしから仮設店舗で営業を続けていましたが、移転して、先週、オープンしました。
商店街には高瀬アナウンサーがいます。
高瀬さん。
南三陸さんさん商店街です。
6年ぶりに町の中心部に帰ってきました。
オープン以来、連日、多くのお客さんが訪れていますが、きょう3月11日午後2時46分には、それまでのにぎわいが一変して、静けさの中で、皆さん、手を合わせていらっしゃいました。
この新しい商店街には、飲食店や鮮魚店などおよそ30店舗が軒を連ねています。
地元のスギをふんだんに使った、ぬくもりのある店構えです。
また電器店や、衣料品店など、かつてこの場所で地元の人に愛されていた店もまた、ここでスタートを切りました。
こちらの写真館もその一つなんです。
中にお邪魔します。
失礼します。
こちらでは、オープンに合わせまして、新しい展示が始まりました。
震災の前から、現在に至るまでのさまざまな写真が展示されています。
こちらには3月の11日、町の中心部が津波に飲み込まれる様子が写されています。
壊滅的な被害を受けました。
大変な困難な状況が続きましたが、その中でも町の皆さんが少しずつ日常を取り戻そうとする姿も写されています。
こちらです。
震災の直後の、子どもたちの登校風景です。
ちょうどこのころ、私も南三陸町にお邪魔していましたが、後ろにありますように、どうしても被害に目を奪われがちでした。
しかし、上の写真にもありますが、その中でも、少しずつ前に進む小さな復興を積み重ねていく、そういった様子をこの写真が教えてくれます。
商店街も再建に向けて、新たに出発しました。
こちらです。
震災のよくとし、場所を移してプレハブの仮設商店街がオープンしました。
楽天が優勝したときには、皆さん、一緒に喜びを分かち合いました。
こうして、さんさん商店街は、今月の3日、6年ぶりに町の中心部に帰ってきました。
写真をずっと撮ってこられた、店主の佐藤信一さんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
ずっとこれまで町が少しずつ前に進む様子を撮ってこられて、6年たった今、見てもらおうと思ったのはどうしてなんでしょうか。
つらい写真、そして皆さんと喜びを分かち合った写真、自分の目線で撮影してきました。
でもこれ、展示していいのかなって迷いもあったんですけれども、その私の背中を押してくれたのは、皆さんの、ぜひみんなに見てもらうべきだと、見てもらうべき写真だから、頑張れ、そのひと言でした。
ありがとうございます。
きょうですね、佐藤さんのほかにも、ほかのお店の皆さんにも来ていただいています。
多くはもうすでに営業を終えているんですが、集まってくださいました。
皆さんありがとうございます。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
こちらの商店街の会長を務めてらっしゃる阿部さんに未来に向けたメッセージを書いていただきました。
こちらです。
新たなる挑戦!阿部さん、ここに込めた決意を教えてください。
この商店街を基点に、市街地の広がりが町開きという形で進めてまいります。
地域の皆さんと一つになって、新しい町づくりを進めていく、強い気持ちを込めたつもりで、挑戦と書かせていただきました。
南三陸さんさん商店街中心部で新たな挑戦が始まっています。
中継でお伝えしました。
こうして復興が進む一方で、被災地の経済は厳しい現実にも直面しています。
復興特需をもたらした国の復興関連の支出は、昨年度、4兆円を下回り、ピーク時の半分以下になっています。
影響が広がる中、地域を活性化させようという動きも出始めています。
地元の東松島市で取れたカキをふんだんに使った定食。
震災のよくとしにオープンしたこの食堂。
ピーク時には2時間待ちの客もいたといいます。
しかし、次第に訪れる建設作業員やボランティアが減っていきました。
売り上げの減少に歯止めがかからず、今月26日に閉店することになりました。
復興が進むにつれて広がる地域経済への影響。
背景にあるのは、復興需要の減少です。
この建設会社は、津波跡地の道路整備など、数多くの復興工事を受注してきました。
しかし、震災から6年がたった今。
一時、震災前の28倍、1年間におよそ120億円まで上昇したのが、急速に減ってピーク時の4分の1程度です。
復興特需のその先を見据えなければならない。
この会社は復興工事で得た利益で、全国の30か所以上に太陽光発電所の整備を進めています。
電気の販売で収益を上げ、なんとか従業員の雇用を維持していきたいと考えています。
被災地の経済で今求められているのは、新たな事業を生み出すことです。
この日、岩手県釜石市の旅館を訪れたのは、大手人材派遣会社が釜石市と合同で始めた、ベンチャー支援事業に応募した人たちです。
よろしくお願いいたします。
釜石市内で起業して、地元の経済に貢献したいと、東京などから参加しました。
参加者は、旅館のおかみに、自分が考える観光ビジネスのイメージを聞いてもらいました。
30人ほどが応募し、このうちアイデアが採用された6人には、年間200万円の活動資金が支援されます。
事業を立ち上げた人材派遣会社にとっても、この取り組みで、雇用市場が活性化すれば、利益につながっていくと考えています。
次は東京電力福島第一原子力発電所の事故です。
廃炉へ向け、1日5000人以上が作業を続けています。
6年前、1号機から3号機では、核燃料が溶け落ちる、メルトダウンが起きました。
溶けた燃料は残ったままです。
燃料を冷やす水は汚染水となって増え続け、およそ900基のタンクで保管。
周囲の地下水が流れ込んで、さらに汚染水が増えるのを防ぐ凍土壁は、1年前から運用が始まりました。
廃炉の鍵を握るのが、燃料の取り出しです。
しかし、強い放射線で近づくことができず、詳しい状況は今も分かっていません。
燃料をどうやって取り出すのか。
原子炉のある格納容器の内部調査がことし本格化。
2号機の原子炉の真下にカメラを入れ、内部の様子を初めて捉えました。
2号機の内部です。
カメラが事故前にはなかった大量の堆積物を捉えました。
2号機とほぼ同じ構造の5号機の原子炉の真下の様子です。
足元は格子状の床になっていますが、2号機の同じ場所は、床にたくさんの堆積物がこびりついています。
さらに足場が落ちて、穴のようになっている場所も複数ありました。
堆積物は溶けた燃料なのか。
先月、線量計の付いたロボットを投入しました。
人が死に至るレベルに短時間で達する高い放射線量を計測しましたが、途中で動けなくなりました。
調査は限定的となり、堆積物が何か、確認に至っていません。
廃炉へ向け、厳しい道のりが続きます。
その廃炉への道のり、最も難関とされる溶けた燃料の取り出しについて、国と東京電力はことし6月をメドに、取り出しに向けた大筋の方針を示す予定です。
さらに2021年までに、いずれかで取り出しを始めるとしています。
そして、廃炉には最長で40年かかるとされています。
今はまだここに当たります。
東京電力の廣瀬社長はきょう、次のように述べました。
そして原発事故の影響で多くの住民が避難している地域では、新たな動きが明らかになりました。
こちら、福島県双葉郡の8つの町と村です。
広域的な連携についての協議を、年内にも始めることが分かりました。
将来の合併につながる議論になるか注目されます。
その双葉郡などを含む、福島県内の避難指示区域では、この春、新たに4つの町と村の地域が解除されます。
事故当初に比べ、面積は3分の1に縮小します。
ただ住民の帰還に向けては、地域産業を復興できるかが課題です。
浪江町にある請戸漁港。
6年ぶりに漁船が帰ってきました。
町の一部は、今月末で避難指示が解除されます。
これを前に、漁のできる海域が広がり、原発事故の影響で復旧が遅れていた港も使えるようになりました。
漁師の小松諒平さんです。
原発事故から2年間は、1度も漁に出られなかった小松さん。
今は町の外で避難生活を続けながら、週1回の試験操業に参加しています。
試験操業は、魚を安全に市場に出すための取り組みで、管理には、福島県や国が関わっています。
水揚げした魚介類の放射性物質のサンプル検査を行い、漁場や漁の回数、それに取っていい魚の種類も管理したうえで、出荷しています。
去年は、検査したすべての魚介類が国の基準を下回り、取れる魚の種類も当初の3種類から、97種類に増えました。
今、本格的な漁の再開に向けたハードルが、販路の回復です。
東京・築地市場では、福島県産の魚の取り扱い量は増えていますが、卸売り業者は一部のスーパーなどは、取り引きに消極的だといいます。
地元、浪江の漁港に戻った小松さん。
今は地道に漁を続けるだけだといいます。
一方、こちら、福島県内では、避難指示区域以外から自主的に避難した人たちもいます。
そうした人たちも、この春、節目を迎えます。
自主避難の人たちを対象にした住まいを無償で提供する支援策が、今月末で終わるからです。
現在、支援を受けている人はおよそ2万6000人です。
ふるさとに戻るかどうか、選択を迫られています。
宇都宮市の借り上げ住宅に3人の子どもと暮らす車田由紀さんです。
原発事故のあと、子どもの被ばくを心配して、郡山市から自主避難しました。
毎週、宇都宮と地元に残った夫のもととの間を行き来しています。
借り上げ住宅の供与終了について。
福島県から届いた住宅の無償支援終了の知らせ。
今の生活を続ければ、2つの家の光熱費や、行き来のためのガソリン代に加え、新たに7万円の家賃が家計にのしかかることになります。
支援の終了を一つの区切りとして、車田さんは1年後、長男の高校進学に合わせて、福島に戻ることを決めました。
ただ、戻るには不安も残るといいます。
福島市のNPOは、こうした不安に応えようと、取り組みを始めています。
先に戻った人たちの体験談を冊子にまとめて配り、参考にすることで、不安を乗り越えてもらおうと考えています。
それでは再び、中継です。
被災地の復興に向けて今、熱い期待が集まっている場所があります。
池田アナウンサーです。
積み上がっているのは丸太。
近くにいると鼻を抜ける、すっきりとしたいい香りがします。
ここは宮城県の南三陸町、製材所にお邪魔しています。
ここでは地元、南三陸町の杉をすべて取り扱っているんです。
この町の皆さんが、今目指しているのが、2020年の東京オリンピック・パラリンピック。
こちらはメイン会場、新国立競技場のデザインなんですが、見てみると、木材がふんだんに使われています。
町の皆さんは、この会場に、地元の杉を使ってほしいと期待を寄せているんです。
今、南三陸町では、冬のちょうどこの時期に、木の切り出しが行われています。
新国立競技場をデザインした建築家の隈研吾さんは、被災地の木材を使っていきたいと話しています。
会場などへの採用を目指しているこの南三陸町の杉なんですけれども、特徴があります。
一つは丈夫さ、この断面を見ていただくと、この一本一本、年輪なんですが、この間隔がすごく狭いんです。
これがこの杉の特徴でして、南三陸町は降水量が少なく、土壌は実は肥沃ではないんです。
その分、太くならずにぎゅっと身の締まった丈夫な杉になるんです。
さらに美しさもあります。
この表面、製材したものなんですけれども、色合いがほんのりと淡いピンクなんです。
これも実は南三陸町の土壌、そして気候が生み出すもので、こうした柔らかい色合いを使って、内装などにもどんどん使われているということです。
この製材所は、震災のとき、実は海の近くにありまして、津波ですべて設備が流されました。
今は高台になっているこの丸太置き場として使われているこの高台に、製材所設備を移して再建しました。
この製材所の代表の小野寺さんです。
こんばんは。
小野寺さん、震災からすぐに再建に取り組んでらしたんですよね。
そしてこの6年という期間、どんな思いで過ごされてきたんでしょうか?
震災で大きな被害を受けましたけれども、それでもますます南三陸の山は元気です。
その山の恵み、木の力を提供することで、掛けがえのない暮らしに貢献したい、その一心でこの6年間、やってまいりました。
さあその小野寺さんと共にですね、山に関わる皆さんが、南三陸町の杉にかけています。
きょうはこちらの皆さんにも来ていただいています。
南三陸町の山を管理し、そして杉を一本一本、丁寧に育ててらっしゃる皆さんです。
皆さんがですね、今、取り組んでいることがあります。
それが南三陸町の杉を使った家具を作ることなんです。
山を管理する皆さんみずから、こうした家具を作ることで、私たちの生活の身近なもの、そして南三陸町の杉に触れてほしいという思いでやってらっしゃいます。
この新しい活動、先頭に立ってらっしゃいます、佐藤太一さんです。
こんばんは。
佐藤さん、新国立競技場への採用を目指していますけれども、山に関わる皆さん、これからどんなふうに取り組んでいきますか?
まずオリンピックに使ってもらったら、南三陸町の…作りにつなげていきたいなと思っています。
あと復興に関してですけど、南三陸町にとって、山って、未来につながる大きい財産なんですね。
その財産を賢く使うことで、自立した町づくりを目指していきたいなと考えております。
地元の杉にかける南三陸町の皆さんとお伝えしました。
被災地の現状を見てきましたが、ここからは各地の地震への備えなどを見ていきます。
6年前の巨大地震以降も、日本周辺では地震が相次いでいます。
震度5弱以上だけでも150以上に上るんです。
去年4月の熊本地震では、震度7の揺れを2度観測し、200人を超える人がこれまでに亡くなりました。
去年11月には、福島県沖での地震で、4年ぶりに津波警報も発表されました。
中でも、福島県や茨城県の沿岸部では巨大地震のあと、陸側のプレートが引っ張られるような地殻変動により、地震が置きやすい状態が続いていることが分かってきました。
東北の沖合で行われている海底のプレートの研究。
海洋研究開発機構の飯沼卓史研究員です。
注目したのは、巨大地震の前と異なる動きです。
地震の前、東北沖の海底では、陸側のプレートに海側のプレートが沈み込む、つまり、陸側に押すような動きでした。
そこでたまったひずみが限界に達し、巨大地震が発生。
その影響で、陸側のプレートが東側にずれ動く。
福島県や茨城県の沖合では、今もその動きが続いています。
このプレートが引っ張られるような動きにより、地震が起きやすくなっているということです。
津波警報が発表されました。
去年11月に、福島県沖を震源に、東北などの沿岸で津波が観測された地震は、このメカニズムでした。
そして津波による被害を軽減させる研究。
東北大学の今村文彦教授です。
注目しているのは、盛り土でかさ上げされた道路です。
6年前、津波が押し寄せたときの仙台東部道路です。
盛り土で造られた道路を境に、津波の勢いが弱められたと考えられています。
その効果について、初めて詳しいシミュレーションを行いました。
盛り土の道路がない場合、画面右、海側から押し寄せた津波は、勢いがあまり弱まらず、内陸に押し寄せます。
一方、道路がある場合は、道路を境に津波の勢いが弱まり、浸水の高さも低くなります。
道路がない場合と比べると、津波のスピードは半減。
内陸側に到達する時間は、最大で30分程度遅くなるという結果になりました。
防潮堤に頼ってきた津波対策に、盛り土道路なども加えた多重防御の取り組み。
その効果が確認された一方、盛り土道路の海側では浸水の高さが高くなることや、アンダーパスの付近では津波が集中し、スピードも速まるという課題も見えてきています。
そして近い将来起きるおそれがある、首都直下地震にどう備えるか。
6年前の震災で、首都圏では交通機関がまひし、500万人を超える人が行き場を失うなど、大きな混乱に見舞われました。
被害を軽減するために、大都市の混乱を防ぐ対策作りが始まっています。
その中で活躍が期待されているのが、こちらです。
高層ビルが立ち並ぶここ、新宿の防災に役立てようと注目したのがこのドローンです。
東京・新宿区では、企業や大学と協力し、大規模災害時の避難誘導に、ドローンを活用する計画を進めています。
ドローンは、すでにさまざまな災害現場で活用されています。
去年の熊本地震では、土砂崩れで人が入れなくなった谷底を撮影。
行方不明になった男性の車のある位置や地形をつかみ、捜索活動に役立てました。
また去年12月の新潟県糸魚川市の大規模火災では、建物被害の程度や面積を正確に把握するのに活躍しました。
これに加えて、熱を感知する赤外線カメラを付ければ、夜でも人の動きを把握できます。
帰宅困難になった人たちの状況の把握や、誘導に活用できるのです。
新宿区の計画です。
首都直下地震の発生直後、新宿区では数万人が帰宅困難になると見られています。
その人たちがどこに集まっているのかをドローンで把握。
その情報をもとに、人々を安全な公園に避難させようというのです。
避難者の誘導にドローンを活用するための実験も始まりました。
ドローンの飛行実験を行っております。
ただ今…。
スピーカーからの呼びかけが地上にいる人たちにどの程度まで聞こえるのかなどを実際に確認しています。
首都直下地震を巡っては、別の課題も浮かんでいます。
年間300万人を超える外国人観光客が訪れる東京・浅草。
外国人観光客を安全に避難させる対策が求められているのです。
浅草の観光連盟は、地元の日本語学校に協力を求めました。
世界各国から集まった生徒に、通訳を担ってもらおうというのです。
ことしの防災訓練には、早速、生徒たちが通訳として参加しました。
歩けますか?聞いてみてください。
歩けません。
聞いてみてください。
避難所でも課題があります。
仙台市に住むイスラム教徒のセリムさん。
東日本大震災の直後、近所の小学校に避難しました。
炊き出しの列に並びましたが、食べられるものはほとんどありませんでした。
多くの料理に、イスラム教徒が口にするのを禁じられている豚肉などが使われていたからです。
みそ汁も調味料として酒が使われていると聞き、食べるのをやめました。
イスラム教徒が安心して避難できるよう工夫している地域もあります。
外国人が多く住む地域で町内会長を務める、高橋喜久雄さんです。
震災のよくとしから、炊き出しの訓練にイスラム教徒の住民も加わってもらうことにしました。
メニューには、豚肉などを使わないカレーも加わりました。
東日本大震災の教訓は、熊本地震の被災地にも引き継がれています。
その一つが仮設住宅です。
通常は、プレハブ型の仮設住宅で、大勢の人がまとまって暮らします。
一方、みなし仮設という制度もあります。
民間のアパートなどを利用します。
部屋に空きがあれば、すぐに利用できるため、熊本地震でも広く利用され、現在、入居者は3万人近くに上っています。
ただ、従来の仮設住宅に比べて入居者が分散しているため、支援が届きにくいといった課題もあります。
みなし仮設の運営に取り組む、熊本市を取材しました。
みなし仮設になっている一軒家を訪問する熊本市の支援員です。
こんにちは。
健康面や生活での悩みなどがないか聞き取ります。
熊本地震の被災地で、みなし仮設は広く利用されてきましたが、入居者が分散しているため、当初、行政側には戸惑いもありました。
そうした状況のとき、熊本市が話を聞いたのが、被災地を支援するため、仙台市から派遣された職員でした。
被災者の孤立を防ぐために、みなし仮設をどのように運営すればよいのか。
東日本大震災での経験をもとに、さまざまなノウハウが伝えられました。
その結果、まず点在しているみなし仮設の状況を把握するため、仙台市が実施した全戸訪問を行うことにしました。
市は職員の中から支援員を選び、およそ6800世帯すべてを回ることにしたのです。
訪問を終えたあとは、生活や住宅の再建など、どのような支援を必要としているのか分類。
より効率的な支援ができるようになりました。
仙台市のものを参考にして作った調査票には、健康面に関する不安などを記載する欄があり、入居者のおよそ3割が、不安を抱えていることも分かりました。
さらに熊本市は、仙台から受け継いだ仕組みを発展させています。
支援員をすべて看護師にしました。
この日、要介護2の夫のいる夫婦のもとを訪ねると。
夫はデイサービスのため不在で、妻と話をしたところ、妻は最近、眠れずに睡眠薬を服用していたことが分かりました。
看護師が訪問することで、医療的な知識を生かして、ほかに健康面のリスクなどがないか、その場で確認できるのです。
困ったことあったら言ってくださいね、気兼ねなく。
はい、お願いします。
支援員は環境の変化によるストレスが原因と判断し、新たに妻を支援対象に加えることにしました。
いろいろアドバイスしてもらえて、助かります。
ああ、本当ですか。
よかった。
仙台市から受け継いだノウハウに加え、独自に始めた取り組み。
熊本地震で、被災者を助ける大きな力となっています。
では、このほかのニュースです。
韓国の憲法裁判所の決定により罷免されたパク大統領。
これに反発した人たちが警察と衝突して、死傷者が出る事態になりました。
ソウル中心部では、きょうも弾劾を求めてきた人たちと、反対してきた人たちの双方が、大規模な集会を開きました。
弾劾を支持する人たちが、きのうに続いて開いた大規模な集会。
パク氏がとどまっていると見られる大統領府の周辺にも集まりました。
一方、弾劾に反対してきた保守派の人たちもその近くに集結。
弾劾反対派は、きのう、機動隊と衝突し、きょうまでに3人が死亡、およそ30人がけがをしました。
きょうも不測の事態に備え、機動隊による警戒が続きました。
弾劾を巡って続く国論の分裂。
パク氏が憲法裁判所の決定を受け入れるのかどうかなど、反応を示していないこともあり、収まる兆しが見えません。
次は豊洲市場の問題を調査する東京都議会の百条委員会です。
きょう行われた証人への質疑で、平成11年当時の市場長は、築地市場の豊洲への移転経緯について、移転は石原元知事が主張する、就任前に決められた既定路線ではないとする認識を示しました。
この中で、平成11年から2年間、都の中央卸売市場のトップを務めた大矢實元市場長は、次のように述べました。
その上で、重要な局面では石原知事に説明し、了解を得ていたと述べ、豊洲への移転は石原元知事が主張する、就任前からの既定路線ではなく、石原都政の下で決められたという認識を示しました。
一方、委員会では、都と東京ガスとの間で行われたとされる水面下での交渉についても質疑が集中し、東京ガスの市野紀生元会長は次のように述べました。
ニュースを続けます。
昨夜、石川県能登町の住宅で、高校1年生の池下未沙さんが殺害されているのが見つかった事件。
事件に関わった疑いのある長野県の21歳の男子大学生が乗っていたと見られる車から、血のついた刃物が見つかったことが分かりました。
大学生は、遺体が見つかる2時間ほど前に、車にはねられて死亡しました。
警察によりますと、大学生をはねた車を運転していた女性は調べに対し、人が車の前に飛び出してきたと話していて、警察は、大学生が自殺したと見て調べています。
大相撲春場所の初日をあすに控え、新横綱として期待を集める稀勢の里などが出席し、場所の安全や成功を祈る、土俵祭が行われました。
儀式に先立ち、東日本大震災の犠牲者に向けた黙とうが行われました。
儀式は、立行司の式守伊之助が、土俵の上で祝詞を奏上し、場所の安全や成功を祈りました。
初日に向けて、グッズの準備も大急ぎで進められています。
一番の人気が予想される稀勢の里の商品は専用のコーナーが設けられました。
例年のおよそ3倍の32種類、合わせて300点ほどを入荷しました。
気象情報は菊池さんです。
こんばんは。
きょうのポイントはこちらの3つです。
まずはあすのお天気。
穏やかな所が多くなりそうです。
天気図から見ていきましょう。
あすはこの高気圧に覆われる所、多くなりそうです。
晴れ間があって、きょうと同じぐらいまで気温は上がるでしょう。
ただ来週は真冬の日もありそうなんですね。
来週は特に半ば、真冬の寒さとなりそうです。
まだまだ寒い日も多く、季節の歩みはゆっくりです。
そうしますと、桜の開花も遅くなりそうですね。
はい、去年よりも遅くなる所、多くなりそうです。
西日本、東日本はあと2週間ほど。
東北、仙台、あと1か月ほどで開花となる見込みです。
ことしは桜の季節がゆっくりとやって来そうです。
では各地のあすの天気です。
ニュース7、今夜は時間を延長してお伝えしてまいりました。
お別れは、復興へ歩みを続ける人たちの未来への思いです。
2017/03/11(土) 19:00〜20:00
NHK総合1・神戸
NHKニュース7[二][字]

東日本大震災から6年▽今も仮設暮らしは…▽岐路に立つ震災復興▽先が見えない原発廃炉▽教訓伝え次への備え

詳細情報
番組内容
夜7時、これさえ見れば1日が分かる。今日の日本・世界の今を、あなたのもとへ 【キャスター】武田真一,【サブキャスター】橋本奈穂子,【中継キャスター】高瀬耕造,池田伸子,【気象キャスター】菊池真以
出演者
【キャスター】武田真一,【サブキャスター】橋本奈穂子,【中継キャスター】高瀬耕造,池田伸子,【気象キャスター】菊池真以

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